製造業を中心に日本国内でも3Dプリンターの導入が進んでいます。以前よりも高性能化や低価格化が進み、試作や冶具製造におけるコスト短縮や納期短縮などの効果がわかりやすいという理由がよくあげられています。しかしメーカーや造形方式、材料に様々な種類があるために、選ぶのが難しいとの声もよく聞かれます。
リコージャパンは代理店の立場で様々なメーカーや造形方式の3Dプリンターをお客様にご提案してきました。今回は、3Dプリンターの導入を検討されている法人のお客様に向けて、業務用3Dプリンターの選び方と、おすすめの業務用3Dプリンター5機種をご紹介いたします。
普段お客様と会話している営業マンからヒヤリングした、各機種が選ばれる理由も合わせてご紹介しますので、是非最後までご覧ください。
3Dプリンターとは、樹脂や金属を材料として、立体モデルを作り出す機械です。3DCADのデータがあることが前提となりますが、従来は切削や射出成型でないと作れなかった立体モデルをその場で作ることができるため、主に試作工程における外注コスト削減や納期短縮のために導入する企業が増えています。また最近では3Dプリンターの高性能化や低価格化が進み、冶具や最終部品の製造においても導入されるケースが増えています。
薄い層を硬めたものを幾重にも重ねて造形するのが基本となりますが、熱で溶かした樹脂を積み重ねる「FDM方式」、バットに溜めた液状の樹脂を紫外線で少しずつ硬化させる「光造形方式」、インクジェットヘッドでしぶき状にした樹脂を紫外線で硬化させる「MJT方式」、粉末状の材料をレーザーで硬化させる「SLS方式」、などがございます。
自社に最適な業務用3Dプリンターを選ぶことは難しいものです。価格としては安価なものだと20万円前後から、高額な機種は1,000万円以上となりますが、造形方式や材料によって特徴が異なっており、用途など求めるものによっておすすめの機種がかわってきます。
今回は様々なお客様に業務用3Dプリンターを提案しているリコージャパンから、選定のポイントをお伝えいたします。
まずは用途を考えます。試作であれば形状を確認する程度の簡易試作なのか、ある程度強度等も要求される機能試作なのか。冶具の試作なのか、本番用の冶具製造なのか。生産頻度が少ない部品のオンデマンド生産なのか、といったところです。
1台導入すれば様々な用途で利用できますが、メインの用途がぼやけていると使用頻度が上がらず、費用対効果が出せないということにもなりますし、必要な仕様を固めることもできませんので、まずはメインの用途を考えることをおすすめします。
用途が決まってくると、次に必要な仕様が決まってくると思います。必要な最大造形サイズはどのぐらいか、精度や表面のキレイさは要求されるのか、強度や耐熱性なども必要になってくるのか、カラーの必要性の有無はどうか、というところです。
もちろん予算の都合もあると思います。あまり細かく決めてしまうと当てはまる機種が少なくなったり、高額の機種しか該当しないということにもなりかねませんので、MUST要件とWANT要件を分けて考えることが重要です。
主に必要とする仕様が決まったら、次はそれにマッチする造形方式を検討します。それぞれ得意不得意があり、精度を求めるなら光造形方式やMJT方式、造形サイズや強度ならMEX(FDM)方式、生産性ならSLS方式といったところです。
なお、におい等の処理で後加工機が必要となるもの、材料の廃棄を考えないといけないものもございますので、後加工機を含めた設置スペースや環境整備が必要です。このあたりについては、STEP4下のボタンより当社にお問い合わせください。
最後に、条件にフィットする機種を選定します。絞り込んだ結果、予算に合う機種が見つからないという場合もありますが、当社では様々なメーカー、造形方式の機種を提案することができますので、是非お問い合わせをお願いします。最適な機種を選定した後、サンプル造形などにも対応が可能です。
以下ボタンよりお問い合わせください。
リコージャパンではお客様のご要望に合わせて、最適な機種をご提案しています。サンプル造形にも対応が可能です。様々なメーカーや造形方式の機種を取り扱っており、販売実績豊富な営業スタッフや、3Dプリンターを利用してきた技術者がお客様のお悩みを解決します。以下より是非お問い合わせください。
方式 | 強度 | 微細性 ・審美性 |
造形速度 | 必要付帯設備 |
---|---|---|---|---|
MEX(FDM) / 材料押出法 高い耐久性や耐熱性を得やすいので、試作品や治具、簡易型の造形などにおすすめです。 |
○ | × | △ | なし |
マテリアルジェッティング 高精細でなめらかな表面のモデルを造形しやすく、精度が求められるようなパーツの造形物の出力に力を発揮します。 |
△ | ○ | △ | 空調設備・洗浄装置 |
バインダージェッティング 造形速度に優れた造形方式。着色が容易なため、デザインの確認やフィギアの作成などに向いています。 |
× | × | ○ | 粉塵対策 |
粉末焼結積層造形(SLS)/(SLM) 耐久性のある造形物を製作でき、金属素材も使用可能なので、最終製品や鋳型の製造におすすめです。 |
◎ | × | [金属] × [樹脂] △ |
不活性ガス用の設備 |
光造形(レーザー方式) もっとも古くからある方式で、高精細かつ表面の滑らかな造形物を作成することが可能です。 |
△ | ○ | △ | 空調設備・洗浄装置 |
光造形(DLP方式) DLPシステムにて一括露光することで高速造形を実現しながらも、SLA同等の高精度な造形を行い、細かいパーツなどの造形にも適しています。 |
△ | ○ | ○ | 空調設備・洗浄装置 |
HP Multi Jet Fusion テクノロジー HP独自の3D造形技術。最終製品造形に求められる高速でかつ堅牢で高精細な仕上がりを実現します。 |
◎ | △ | ○ | ビーズブラスト機 ・エアコンプレッサ・防爆掃除機 |
※環境や機種によって必要な付帯設備が変わる場合があります。
炭素繊維補強プラスチックの造形に対応するインダストリアルシリーズの中では最上位のモデル。カーボンやナイロンに長繊維を織り込むことで造形物は金属並の強度で、さらに高精細な造形も可能です。
産業用グレードとシンプルな操作性を両立したF123シリーズの中でも、355mm x 254mm x 355mmの造形サイズが可能な機種です。試作用途はもちろん、治具製造に使われることも多い機種です。
100万円以下で導入できる機種の中でも、造形サイズが大きく、使える材料も豊富で様々な用途に使えると評判なのがRaise3D Pro3です。初めての導入にも、増設にもおすすめの機種となります。
老舗メーカーである3D Systems社の、安定した評価のある機種です。手軽に高精細な造形をしたい、透明色や高温耐性など様々な物性をもった材料を使いたい、という場合におすすめです。
HP独自の「Multi Jet Fusionテクノロジー」は、SLS方式がレーザーで「点」で加熱するのに対し、ランプから「面」で照射するため、高生産性かつ高品質な造形が可能です。
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