「旬の商品訴求には、旬の印刷物」
ブランディンググループ ショップ統括課
シニアマネージャー 浜田 恵子 氏
限定商品のための販促ツールで、ビジネスを推進。
ロゴマークにも記されている1988年、セゾンファクトリーは山形県高畠町に誕生する。この地に代々つづく醤油屋に生まれた齋藤峰彰代表取締役社長は、実家の倒産という出来事をきっかけに起業を決意。生まれ育った高畠町の、美しくおいしい果実を使ったジャムづくりが始まる。「社長は学生時代に訪れた、長野県でのぶどうジャムの味が忘れられなかったとのこと。人を感動させる味を、自分の手でもつくりたいと思ったのです。社長は数人の仲間たちとともに醤油蔵に一斗缶とガス台を持ち込み、ジャムづくりにチャレンジしたそうです」ブランディンググループショップ統括課の浜田恵子シニアマネージャーは、この地のおいしい水がこだわりだと語る。
セゾンファクトリーのジャムづくりに師匠はなく、数えきれない試行錯誤と自らの学習が、自由な発想からの新しいものづくりを形にしていく。最高の味を追求するために一切の妥協をしないというスタイルが、セゾンファクトリーの原点。「果実の熟度や堅さに合わせた職人たちの微妙な力加減。熱の回り具合を重視したジャムづくり用の小ぶりの鍋。オートメーションに頼ることはできず、たくさんつくることはできません。限定であってもおいしいものをしっかりつくろうという想いで、日々作業しています」ジャムづくりには、セゾンファクトリーらしさがよく表れている。
食のスーパーブランドを目指すセゾンファクトリーは、1996年にCI(Corporate Identity)を導入する。サニーイエローとアースブラックという企業カラーに統一し、現在のSマークの企業ロゴを完成させる。「"おいしいものにこだわりたい"というビジョンを世界にむけて発信していくためには、ブランディングが不可欠です。CI導入以降、商品ラベルやパッケージや販促物はもちろん、直営店の設計まで、すべてにサニーイエローとアースブラックを基調としたデザインを採用しています。現在直営店は、大手百貨店を中心に全国に28店舗。おいしいものにこだわるセゾンファクトリーが、徐々に認知されてきています」浜田シニアマネージャーは、紙袋を目にするだけでおいしそうとイメージしてもらえるように頑張りますと語る。
「セゾンファクトリーは『旬の工場』です。今ではドレッシング、飲料、フルーツソース、調味料など商品はさまざま。基本的に小ロットの商品が多く、1ヶ月に10品以上もの新商品を発売しています。商品チラシ、POP、プライスカードなどの販促ツールも必然的に小ロットになり、当初から社内での制作にこだわってきました」
しかし従来の複合機では肝心のカラーが不安定で、コンピュータごとに出力調整をしたり、色ズレや版ズレにも悩まされていた。
また印刷速度と印刷品質にも不満を抱えていたという。新機種選定において、優先されたのは企業カラーの再現性。管理グループ管理課でコンプライアンスを担当する遠藤隆市氏は、サニーイエローとアースブラックをいちばん忠実に再現したのが、RICOH Proだったと語る。
毎月10以上の旬の新商品を出しつづけているセゾンファクトリーでは、旬商品販促ツールセットを用意している。商品チラシ、プライスカード、店頭POP、しおりの4アイテム。限定商品を訴求するための限定印刷物だ。
ブランディンググループデザイン課の工藤由美氏は、「RICOH Pro導入によって、速く美しく印刷できるようになりました。ある店舗の店長さんからは、販促ツールがキレイになりイメージがよくなった、文字がくっきり読みやすくなったという声をいただいています。店舗ごとのリクエストに対応できるため、年配のお客様が多い店舗からは文字を大きくしてほしいなどの希望がきています」と語る。
以前は夜中に稼働させていた大量のチラシ印刷作業も、自動給紙によって昼休みのうちに印刷し、その日のうちに出荷完了へ。スピードアップによって生産性が格段に向上したという。
セゾンファクトリーの定番商品は約100ほど。旬の限定商品が毎月追加され、トータルでは1,000アイテムにも上るという。小ロット多品種スタイルの商品ラインアップは、全国の28店舗へ届けられ、それぞれの商品をコミュニケーションするための販促ツールも、小ロット多品種対応が求められる。「セゾンファクトリーの商品訴求には、POD(Print On Demand)が欠かせません。旬の商品にこだわるためには、その販促 ツールの制作にもこだわらねばなりません。おいしさへのこだわりは、商品づくりとその商品をコミュニケーションするツールづくりにも共通しています。同じ『ものづくり』なのかもしれません」
「PODは、ベタの再現性が苦手だといわれていました。しかしセゾンファクトリーではサニーイエローとアースブラックを多用したデザインが必要です。導入以前はどこかで仕方がないと諦めていましたが、RICOH Pro導入後は自信を持ってデザインし、印刷することができます。カラー調整もコンピュータに頼ることなくRICOH Proにお任せでき、安心して作業できるのがうれしい。コーポレートカラーを徹底して正確に訴求することで、ブランディングの効果があると期待しています」
デザイン制作を担う工藤氏にとって、イメージ通りに再現されることはかけがえのないことだ。
大手百貨店を中心とした直営店での展開を推進しているセゾンファクトリーだが、直営のWebショップや楽天ショップなどのインターネット通販にも力を注いでいる。直営店でのお客様にも、リピート購入しやすい機会がWeb上にあることで、便利だと思っていただける環境づくりを整備していくという。最後に浜田シニアマネージャーは、おいしさにこだわり「MADE IN JAPAN」の凄さ、素晴らしさを世界に向けて発信しながら「食のスーパーブランド」を目指していくと、笑顔で語ってくれた。
年に8 回程度発行の社内報は、重要なコミュニケーションツール
商品ラベルのデザインを担当しているデザイン課の秋葉知世氏は、社内報の編集長を兼任している。「RICOH Proによって、社内報のクオリティが大きく向上しました。毎回掲載したい記事が多くなるのですが、小さな文字でもくっきりと印刷できるため、情報量は確実に増えています。写真の再現性も高く、段違いに美しいのがうれしい。200部程度をまず印刷し、発行。足りなくなれば随時補給する形で印刷しています。導入前は夜通しで印刷していましたが、今では30分もかからず印刷完了。芋煮会イベントの際は、早めにデスクに戻り一気に制作し印刷。イベント終了時に配布し、大好評でした。このスピード感を実現してくれたのはRICOH Proのおかげです」
従来オフセットで印刷していたギフトパンフを RICOH Pro使用に転換
「夏・冬に発行しているギフトパンフは約1万部をオフセット印刷していましたが、毎回余ったパンフは廃棄せざるをえませんでした。しかしRICOH Proを使うようになってからは、初回1,000部を印刷し必要に応じて追加印刷するスタイルへ。店舗から要求された部数を即日で印刷し、発送しています。PODによるギフトパンフは写真のグラデーションも滑らかで、商品をオフセット印刷時と同等の品質で訴求できます。大量に余ることもなくなり、無駄にならないのも魅力です」
オフィスプリンターとしても活躍
「RICOH Proを社内のオフィスプリンターとしても使用していますが、導入前は動作音が気がかりでした。いざ使ってみると、思いのほか静かで気になりません。印刷中、電話の応対も大丈夫です。またファイルによってはプリントが始まるまで、以前は10分以上も待たされることがあったのですが、現在は1分もかかりません」
さらにRICOH Proを毎日使用するデザイン課の皆さんからは、使いやすい操作パネル、交換しやすいトナーボトルの位置、的確なサポートを受けられるProダイヤルについても高い評価をいただいた。
株式会社 セゾンファクトリー
本ページに掲載されている情報は、2013年1月現在のものです。