日本の「もの作り」を支える工作機械の専門商社、三立興産株式会社様。同社では、リコーのプリンティングソリューションにより、従来の基幹システム専用モノクロプリンターとOA用のプリンターを、カラーレーザープリンター「IPSiOシリーズ」で兼用することを実現。システム管理者の管理負荷を大幅に軽減し、印刷業務の品質向上に貢献しています。
自動車、建設、航空機、医療機器など、日本の得意分野である“製造業”を支えている工作機械。三立興産株式会社様はその専門商社として、国内すべての自動車メーカーとの取引を中心に60年以上におよぶ豊富な実績と経験を培ってきた。現在では、最先端の設備機械をシステムインテグレートして国内外約1,600社に提案し、非常に高い信頼を得ている。また同社では、社内のIT化もいち早く推進してきた。1980年代から基幹システムに独自開発の三立販売管理システムを導入。「受発注」「仕入・売上」から「会計」「給与」までほとんどの業務が基幹システムで処理されている。1996年より一人1台のPC環境を構築。全社員が同じ環境でシステムを活用し、スピーディーで確実な営業展開を可能にし、顧客満足度の向上に役立てている。
このようにIT活用により業務の効率化を積極的に推進してきた同社だが、さらに業務品質の向上とスピードアップを図るべく、基幹システムの更新に伴って印刷環境の改善も検討した。
基幹システムでは社内業務のほとんどの帳票(「納品書」「受領書」「倉庫用カード*1」「営業旬報(じゅんぽう)*2」「受発注残」など)をモノクロの基幹システム専用プリンターで印刷していた。一方、お客様への提出資料や一般オフィス文書などはカラーで印刷するため、各部署や各営業所にOA用途でカラーレーザープリンターや複合機を別途購入し利用していた。その結果、オフィスの限られたスペースが非常に煩雑な状態で、その上機器ごとに消耗品がありそれらの消耗品の在庫管理の手間などの問題があった。また機器が増えた分、全体として機器の管理負荷や費用がかかっていた。
基幹システムの帳票は、約10年前にストックフォームからA4サイズのカット紙に切り替えていた。しかし従来の基幹システムの印刷環境では、帳票のタテ・ヨコの向きや、縮小率の設定、トレイの切り替え(例えば納品書は1段目、受注残のリストは2段目の用紙で印刷)などの印刷コマンドを基幹システムのプログラムの中に組み込む作業が必要だった。日常のシステム改修の手間が、システム担当者の大きな負荷となっていた。
納品書や見積書、受領書は、青い地色で「SANRITSU」という社名のすかしを入れたプレ印刷用紙を使用していた。しかし、用紙はトレイの1段目にセットしないと正しく印刷できないため、ユーザーが用紙のセットを間違えると印刷ミスが起き、システム部門にトラブル処理の依頼がきていた。管理者にとってトラブル処理も大切な仕事ではあるが、その対応が頻繁になると、本来の業務である基幹システムの運用管理やプログラム開発が滞ることもあった。
同社は、リコーの自動プリント設定ソリューション「Ridoc IO DataSelector」とカラーレーザープリンター「IPSiO SP C721」「IPSiO SP C820」の組み合わせにより、基幹用とOA用プリンターの統合を実現できた。高生産性の「IPSiO SP C820」は月間の印刷枚数が多い部署に、デスクトップタイプの「IPSiO SP C721」は全国各地の営業所に設置。リコーならではの豊富なプリンターラインナップから、部署ごとに最適な機種を配置した。このようにプリンターを統合した結果、各オフィスにおける出力機器の占有スペースが大幅に削減。また、機器ごとに異なっていたトナーや用紙等の発注先も集約できたため消耗品の在庫管理の負荷を軽減し、コストも大きく削減することができた。
基幹システムのプログラム設定を変更することなく、「Ridoc IO DataSelector」で簡単に印刷設定が可能。「Ridoc IO DataSelector」は各帳票ごとに設定されたキーワードに紐づいて印刷条件〈印刷方向やトレイ、倍率の変更、合成印刷(フォームオーバーレイ)、両面印刷など〉を自動的に設定することが可能。また設定した内容は定義ファイルとして保存されるため、マスターPCで作成した内容を他のPCにも簡単に適応することが可能となる。これにより管理者側で、基幹システムのメンテナンスを度々行う煩雑さがなくなった。
「Ridoc IO DataSelector」を使用することで帳票ごとに自動でプリンターの設定がされるため、ユーザーは印刷時トレイ設定などを意識せず、プリントできるようになった。プリンターの使い勝手が良くなったことで業務の効率化につながっている。またシステム管理者にとっては、頻繁なトラブル処理業務も大幅に解消され、基幹システムをよりよく改善していくという本来の業務に集中できるようになった。
「新しい印刷システムは、基幹システムの運用形態やユーザーの操作環境を変えることなく、印刷トラブルが減り省スペース化を実現できたことが良いですね」(執行役員・近藤様)。同社では当初の狙い通りの印刷環境を実現したが、あわせてコスト削減も実現できた。例えば「営業旬報」という帳票は、役員会議用に一度に約1,000枚以上を印刷する。これを「Ridoc IO DataSelector」で両面印刷の運用に変更したことにより、用紙を半分に削減できペーパーレス化にも繋がった。また、基幹システムでカラープリンターが利用できるようになったことで、「帳票データと同時に地色や社名などを印刷すれば、わざわざプレ印刷用紙を外部に発注する必要がありません」(情報通信部・神谷様)と、プレ印刷用紙の管理負荷やコスト削減も期待されている。
必用に応じてスピーディーに高画質のカラードキュメントが印刷できるようになり、お客様にとって分かりやすくインパクトがあるカラーの提案書作成も容易になった。迅速で効果的な営業展開に、リコーのカラーレーザープリンターが今後ますます貢献できそうだ。 「これからは一層お客様の方針やテーマを熟知して、機器の効果的な組み合わせと具体的なメリットが伝わる、インパクトのある提案が重要です」(近藤様)。
全社員が自らを営業マンと考え、つねに顧客の期待を超えるようなサービス提供をめざしている三立興産株式会社様。私たちリコーも、同社にとってさらに有効な機器の活用方法やソフトウェアなどの連携を考え、質の高いソリューションを提案していく。
今回、リコーからの提案を受けたとき、最初の感想は『本当に基幹とOAでプリンターの兼用ができるのか?OAプリンターで、我々の意図する基幹システムの印刷処理ができるのか?』でした。それまで基幹システムの帳票は、専用プリンターでモノクロ印刷しかできないと信じていたからです。ところが実際に「Ridoc IO DataSelector」というソフトウェアと一般業務で使われているカラーレーザープリンターの連携で、基幹システムの印刷が簡単に制御できると聞いて本当に驚きました。より使いやすい基幹システムを実現するために、この新しい印刷環境を活用していきたいと考えています。
三立興産株式会社
本ページに掲載されている情報は、2010年2月16日現在のものです。