インボイス制度は経営にも影響!
施行後に慌てないための"買い手"の事前準備とは

令和5年10月1日から開始されるインボイス制度。この制度は売り手側・買い手側の双方に影響があり、多くの事業者が法対応するため、自社で準備を進めていることでしょう。インボイス発行事業者の申請件数は2023年4月末時点で334万件を超え、”売り手”としての準備は着々と進んでいることが分かります。一方で、”買い手”としての対応は2023年10月1日の制度施行後でよいと考えている場合は注意が必要です。 本コラムでは、インボイス制度が”買い手”の事業に与える影響と、制度施行前の準備方法を分かりやすくご紹介します。

1. インボイス制度のおさらい

インボイス制度(適格請求書等保存方式)とは、2023年10月1日から始まる新しい仕入税額控除の方式をいいます。インボイス制度下では、買い手が仕入税額控除の適用を受けるためには、帳簿のほか、売り手から受領した「適格請求書(以下、インボイス)」の保存が必要となります。同時に、売り手はインボイスを発行するためには、課税事業者として適格請求書発行事業者へ登録する必要があり、インボイスの発行やその控えの保存義務が発生することになります。

2. インボイス制度が与える、“買い手”側の影響とは

インボイス制度下では、仕入税額控除の適用にはインボイスの保存が要件となるため、買い手が仕入税額控除を適用するためには、原則としてインボイス制度に則ったインボイスがないと仕入税額控除の適用ができないということになります。つまり、免税事業者や適格請求書発行事業者として登録をしていない課税事業者との取引の場合、仕入税額控除の適用ができなくなるため、従来よりも納税額が増大する可能性があります。
取引先が適格請求書発行事業者になるかどうかは、あくまで売り手である取引先次第です。取引先がすべて適格請求書発行事業者とは限らないため、仕入税額控除が適用できる取引とそうでない取引が混在する可能性があります。ただし、免税事業者や適格請求書発行事業者として登録をしていない課税事業者との取引の場合も、一定の期間については一部仕入税額控除ができる経過措置が講じられています。しかし、この経過措置も6年間で終了予定です。自社への影響を最小限に抑えるには、取引先がインボイス制度に対応するか否かを事前かつ正確に把握しておくことが重要になります。

仕入税額の控除

3. 自社への影響を把握するには

“買い手”として、自社の経営への影響を把握するためには、以下の手順が必要になります。


① 取引先ごとに、適格請求書発行事業者として登録するか否かを把握する
② 免税事業者など適格請求書発行事業者として登録をしない取引先に対して、従来取引額を参考に、仕入税額控除額を見積もる
③ 見積もった控除額から、インボイス制度施行後、変動する控除額を算出する(一定の期間については一部仕入税額控除ができる経過措置あり)
④ 控除不可となる、増大分の納税額をもとに、経営としての影響を見積もる


これらの結果を以下のような表にまとめることで、インボイス制度施行後、自社が受ける経営への影響を算出することができます。このように、自社の経営への影響度に応じて都度取引内容の見直しを行うことで、スムーズにインボイス制度へ対応することができます。

取引内容の見直し

4. 取引先への事前確認方法

取引相手に事前確認しておきたい代表的な項目としては以下があります。


1. 適格請求書発行事業者への登録状況
2. 登録番号(登録済みの場合のみ)
3. 登録予定時期
4. 発行するインボイスの書類種(請求書、納品書など)


登録番号を確認しておくことで、必要に応じて国税庁の適格請求書発行事業者公表サイトから最新の登録状況を確認することができます。また、現在は登録していなくても登録予定を確認しておくことで今後の自社への影響を見積もることができるでしょう。発行するインボイスの書類種は制度施行後にどのようにインボイスを確認するかの業務フローを構築する上で必要になります。これらの項目について取引相手に問い合わせる方法としては、EメールやFAXなどがありますが、無料のアンケートフォームなどを使えば、より簡単に集計することができます。
取引先への問い合わせに活用できるツール(ひな型)はこちらからダウンロードできます。

5. 業務フローの準備

事前に計画した通り、確実に仕入税額控除を適用するためには、受け取った帳票がインボイスの要件を満たしていることを確認するなど、従来にはない実務上の負担が増えることが予想されます。その場合は、インボイス制度に対応した”買い手”向けのシステム導入により業務負担を軽減することをおすすめします。 

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