山口県に本社を置き、全11のホンダ車販売店を展開している株式会社ホンダカーズ山口様。単にクルマを販売する場にとどまらず、カーライフに関する「すべてのサポートを行うスペース」として、日々きめ細やかなサービスを提供している。クルマという人の生活と密接した商品を扱う同社は、商談から購入後のアフターケアに渡るやり取りの上で、お客様にストレスを感じさせないために、スムーズな情報共有が必要不可欠と考えてきた。これまでの本社と各店舗間の情報共有の手段は主にファクス。本社から店舗への業務連絡や、店舗から本社への売上報告などに活用してきた。そのため扱う書類は膨大かつ多岐に渡り、本社のファクスは常にフル稼働という状況だった。
「11店舗の営業スタッフは約60名です。この全スタッフから毎日査定書のファクスが届きますので、1日に最低でも60通、土日などでは100通を超える日もあります。当然、査定書以外の書類のやり取りも行っているので、日に受信する書類の数はさらに上です。送られてきた書類を前にして、この大量の紙を何とかしなければと思ったのが、情報共有の仕組みを見直すきっかけでした」(販売業務課 主事 桑畑 哲弥様)
ファクスをフル活用し、紙を大量に使用する情報共有。この仕組みの改善に向けて、同社が解決すべきポイントとして特に重要視したのが 「コストの削減」「管理業務の効率化」「セキュリティの向上」だった。「ファクスの送受信が大量になると、当然、紙代や通信費といったコストがかさんできます。また店舗から受信した書類を、その都度、人の手で仕分けしてファイリングしていますので、これが相当な負担になっていました。紛失なんていう事態は許されませんので、絶対に手は抜けませんからね。コスト、管理業務、セキュリティ。これらの改善は必須でした」(販売業務課 主事 桑畑 哲弥様)
こうした問題をまとめて改善できないかと思い、同社は以前からカラー複合機をはじめ、パソコンの導入やIT環境のネットワーク構築を依頼していたリコーとともに課題解決にあたることにした。「リコーさんにお願いしたのは、本社と11店舗の情報共有をトータルで一新していただくことです。本社だけ体制を補強するといった部分的な改善では意味がありません。本社も店舗も全て同じルールのもとで情報共有することが、業務の効率化につながります。リコーさんは複合機だけにとどまらずITに関するノウハウも豊富でしたので、きっといい提案をしてくれると期待していました」(販売業務課 主事 桑畑 哲弥様)
リコーがご提案したのは、本社と店舗間でのやり取りを、紙からデータへと電子化させることで、コスト削減とスムーズな情報共有を実現させるプランだ。まず、本社と店舗にそれぞれカラー複合機を設置してIPネットワークで結ぶことで、IP-ファクスの送受信を実現。電話回線の代わりにIPネットワークを利用するため、通信費を削減できるほか、話し中などでファクスを送受信できないストレスも解消できる。さらに、ドキュメント配信システム「Ridoc GlobalScan」を組み合わせることで、ファクス受信における大量の紙出力を削減できるペーパーレスファクスも実現。ファクスで受信した文書が、サーバー上の指定したフォルダーへ自動的に保存されていくため、多彩な書類を簡単に一元管理できる。この提案が同社のニーズに合い、2010年の5月に導入に至った。
「IP-ファクスに切り替えたことで、通信費を大幅に削減できています。さらに、以前の電話回線を使用したファクスの場合、本社と店舗で頻繁に送受信を行うとすぐ話し中になってしまい、取引業者がファクスを送れないということもありました。今では、そういった問題も解消されスムーズにやり取りできていますね」(販売業務課 主事 桑畑 哲弥様) 「GlobalScanによるペーパーレスファクスはまだ本社のみで試運用している段階なのですが、早くも紙出力が大幅に減って仕分け作業が軽くなったと、大好評です。加えて、受信した文書をサーバー上に細かく設定したフォルダーに自動で仕分けしてくれる点も大変便利ですね。書類を探す時間も短縮できています。一つの書類をより多人数が多目的に活用できるようになったと思いますね」(朝田店 店長 井上 浩敬様)。
カラー複合機と「Ridoc GlobalScan」を連携させることで、今まで紙で管理してきた情報の電子化に踏み出し、本社と店舗間でのスムーズな情報共有に向けて大きく前進されているホンダカーズ山口様。本社でのペーパーレスファクスの試運用を終え次第、各店舗へ展開していき、より一層の業務効率化を進めていくつもりだそうだ。
「ペーパーレスを進めるといっても、すべての書類を電子化することが、必ずしも業務効率を高めるとは限りません。支払請求書や残業申請書といった細かな書類はどんどん電子化していけばいいのですが、その一方で、紙で確認することが意味を持つ書類もあります。例えば、本社から店舗に送る書類で、業務進捗管理文書があります。これは店舗が行うべき業務を記した指示文書なので、店舗スタッフにしっかり自覚してもらうためにも、紙での確認が必須です。この書類に関しては、複合機から複合機へファクスのようにカラードキュメントを送れるMail to Printという機能を使って本社から店舗へ送信していこうと考えています。これからは、紙と電子化の使い分けを考えながら、さらなる業務の効率化を図っていきたいですね」(朝田店 店長 井上 浩敬様)。
株式会社 ホンダカーズ山口
販売業務課 主事 桑畑 哲弥様
今回の導入にあたりつくづく感心したのが、リコーさんの「トータルな提案力」です。複合機だけにとどまらず、IT分野にも精通しているから、「複合機×ネットワーク」といった最適なソリューションを提案できるんだと思います。また、困ったことがあれば、電話一本で営業さんが駆けつけてくれるので「人間力」という部分でも大変満足していますね。今回のリコーさんの提案はこれからの展開も含め、好事例としてホンダグループ内で共有できればいいと考えています。
株式会社 ホンダカーズ山口