山形県は他県に比べて、世帯当たりの自動車保有台数が多い。全国有数の車社会における安全・快適なカーライフを支えているのが、トヨタカローラ山形様だ。同社は、新たにスタートしたハイブリッド車の点検・診断サービスの結果を高速出力するため、リコーのA4ジェルジェットプリンター(ビジネスインクジェットプリンター)「IPSiO SG 2100」を県内の16店舗すべてに導入した。プリンター本体やインクなどの消耗品の発注では、リコーのオンラインショップ「NetRICOH」を活用。スピーディで効率的な購入業務を可能にしている。
トヨタカローラ山形様は2012年10月に、創立50周年の節目の年を迎える。地域に密着した企業として「コンサート協賛」などの記念事業を行っているほか、記念事業とは別に様々な社会貢献活動を推進している。例えば、東日本大震災復興支援活動の一環として、任意の寄付を募る「無料洗車サービス」や、各店舗で車検・整備台数に応じた募金を続けているという。
また、山形のきれいな空気や美しい環境を次の世代に残すため、全社で環境保護活動に取り組んでいる。「くるまで減らそう!CO2!キャンペーン」では、タイヤの空気圧点検や調整を無料で実施。環境マイスターからエコ運転の技術を学び、CO2を減らすエコドライブ教室などのイベントも行っている。
こうした地域密着の活動は、訪問を中心とした直接販売を展開するトヨタカローラ山形様創立以来のビジネスモデルと重なる。同社は県内を約120のテリトリーに分け、営業担当者とサービスエンジニアがペアになり、お客様のカーライフをサポートしている。
テリトリー制の採用は、「自動車を売るだけでなく、販売とサービスが一体になって行動することが大切」というトップの信念に基づいている。「当社では営業スタッフとエンジニアが2人1組となり、テリトリー内のお客様に対してきめ細かく対応しています。創業以来の姿勢を、私たちも受け継いでいます。」と、サービス部次長の杉山宏夫氏は言う。
トヨタ自動車の各ディーラーでは、メーカーが指定したシステムに付随する機器を除けば、OA機器などの選択は各社の裁量に任されているという。トヨタカローラ山形様の場合は、本社や各店舗で使われているプリンターや複写機などOA機器のほとんどがリコー製品だ。例えばA3ジェルジェットプリンター「IPSiO GX e7700」や、A4ジェルジェットプリンター「IPSiO GX 2500」などを、各店舗に導入している。ITシステムの機種選定や導入・運用などを担う、車両部IT推進室課長代理の赤塚正則氏は、リコーのジェルジェットプリンターを採用した経緯を以下のように語る。
「製品自体の性能が良いのはもちろん、リコー担当者の熱心さも決め手になりました。リコージャパン山形支社の営業担当者から、レーザープリンターよりも経済性に優れ、一般的なインクジェットプリンターよりも高速に出力できると推奨してもらいました。実際に導入したところ使い勝手が良く、本社・全店舗で使い続けています。」
例えばIPSiO GX 2500は、店舗(ショールーム)に設置している中古車検索システムの出力用に使用。お客様が端末を操作して中古車を検索し、その見積書などをIPSiO GX 2500で印刷している。検索システムを導入した当初はメーカー指定のインクジェットプリンターを使っていたが、老朽化のためにメーカーの了承を得て、リコーのジェルジェットプリンターに切り替えた。「検索システムの端末ではUSBが使えなかったため、LAN接続のネットワークインタフェースを備えたビジネス用インクジェットプリンターとしては、リコーのジェルジェットプリンターが最も適していました。」と、赤塚氏は当時を振り返る。
また、サービス部ではIPSiO GX e7700を、車検や点検・整備などの広告チラシの印刷などで活用している。「新車販売などの広告と異なり、印刷会社に頼むまでもない少量のチラシを各店舗で作成しています。」と、杉山氏は述べる。広告の記載内容がA4サイズでは足りない時やB4サイズで作成する時など、用途に応じてプリンターを使い分けているという。
自動車技術の進化は目覚しい。その代表といえるのが、ハイブリッド車である。トヨタカローラ山形様では、ハイブリッド車に関する専門教育を受けてトヨタ自動車の基準を満たしたエンジニアである「ハイブリッドスペシャリスト」を全店舗に配属。ハイブリッド車のアフターサービスでも万全の体制を整え、お客様のカーライフをサポートしている。
さらに、ハイブリッド車向けの「メーカー専用コンピューター診断」(ハイブリッドスマートiチェック)を新たにスタートさせた。ハイブリッド車に搭載されている各種コンピューターをチェックし、正常に制御しているかどうかを確認するものである。グラフなどを用いた分かりやすい形の帳票にして、その点検結果をお客様に提供している。
こうした新サービスの開始に当たって、点検・診断結果を印刷するプリンターの選定が必要になった。選定の基準になったのは、「手軽な価格で導入できること、ネットワークインタフェースを備えていること、文字のにじみがなく高画質であること、高速出力できることなどでした。」と、サービス部の杉山氏は言う。これらの条件を基に杉山氏は、プリンターの選定をIT推進室に依頼した。そしてIT推進室が選んだのが、リコーのA4ジェルジェットプリンター「IPSiO SG 2100(安心3年モデル)」だった。
トヨタカローラ山形様は現在、ハイブリッド車の点検・診断サービス結果の印刷用に、IPSiO SG 2100を16店舗に1台ずつ設置している。本社に隣接する「南一番町店」の場合、IPSiO SG 2100は店舗(ショールーム)の一角にある事務室に設置されている。例えば、プリンターが置いてある事務室と、エンジニアが点検・整備作業後に端末(無線LAN対応PC)を操作するテクノショップ(整備工場)は離れているため、ネットワーク対応は不可欠だった。
また、ジェルジェットプリンターは印刷した文字がにじみにくい。ジェルジェット技術は水に溶けないビスカスインクによって、文字のにじみを抑えることができるからだ。例えば、お客様が通勤に自動車を利用している場合、点検・整備のためにエンジニアが、勤務先までその自動車を預かりに行くことがある。点検後、お客様の自動車を勤務先まで届ける際に、点検結果を出力した印刷物が雨などで濡れないとも限らない。
「水に濡れても文字がにじまない印刷物をお渡しできれば、お客様にも喜んでいただけます。」と、杉山氏は話す。「文字がにじみにくい出力」にこだわるサービス部の姿勢は、お客様満足度の向上につながっている。
ファーストプリントの速さも見逃せない。ハイブリッドスマートiチェックの帳票出力は、基本的に1件につき1枚である。IPSiO SG 2100はファーストプリントまでの時間が2.5秒と速いため、エンジニアが整備工場からショールームに移動する間に印刷が終了しており、効率的に仕事ができる。もちろん、お客様をお待たせすることもない。
また今後、店舗・ショールーム内の端末ごとに直結されたプリンターをIPSiO SG 2100に集約する計画もある。例えば複数の端末から出力操作するようになっても、「他の印刷が終わるまでの待ち時間を短縮できます。また、プリンターの機種を絞り込むことによって、インクなど消耗品の管理が楽になり、コストの削減も期待できます。」と、杉山氏は述べる。
車両部IT推進室 課長代理 赤塚 正則氏
IT推進室の赤塚氏は、以前から利用しているリコーのオンラインショップ「NetRICOH」で、今回のIPSiO SG 2100を発注・購入した。トヨタカローラ山形様ではリコーの製品だけでなく、他社製のインク・トナーといった消耗品も、NetRICOHで購入している。各店舗では、グループウェア上に張り付けられたFAXオーダーシートを利用して注文するなど、消耗品の発注がしやすいことも、リコー製品を使い続けている大きな理由だという。
トヨタカローラ山形株式会社