「丈夫で耐水性があり、美しく印刷できる紙」
ペットボトル再生紙を使用できることが、RICOH Pro導入の決め手。
代表取締役
小薗江 文雄氏(おそのえ ふみお)
テクノプランは、1985年陸上競技用電子音スターターや多機能電話機性能試験機の開発といった研究開発型の製造業として創業。1996年、大手電子機器メーカーからの依頼による『マラソン大会計測記録集計システム』の開発を機に、マラソン大会運営を受託するビジネスを開始し、現在では日本陸上競技連盟公認業者として、計測記録集計を中心に日本全国で実施されるマラソンやロードレース大会の受託運営が主要業務となっている。健康指向によるランニングブームは町おこしニーズと相まって、自治体主催のマラソン大会は年々増加。
テクノプランでは年間約70大会を運営しており、話題を集めた『ちばアクアラインマラソン』の計測記録集計にも携わっている。
「計測方法は、磁気カードを使用したシステムからナンバーカードに印刷されたバーコード読み取り方式に移り、現在はICタグをナンバーカードに取り付け、ゴールに設置されたアンテナ部を通過する際、瞬時にデータを取り込む『ICタグ自動計測システム』を導入しています。長年の経験から、データの記録不良がいちばんの心配。ですからICタグ以外にもバーコードや、ゴールに設置した監視カメラ確認という、2重3重のバックアップを心がけています。必死に走った参加者の思いを考えると、記録が分からないということはあってはなりません。計測にはすべてナンバーカードが関わっており、ひとりひとり異なるナンバーカードの制作が、マラソン大会運営を左右するといっても過言ではありません」代表取締役 小薗江文雄社長は、良質なナンバーカードがなくては大会自体が運営できないと語る。
「当初のナンバーカード素材は布。通気性がよく参加者には好評ですが、汗や水に弱く、印刷によっては背番号がにじんで見えなくなることも」素材的なポイントは、丈夫であること。水に強いこと。美しく印刷できること。小薗江社長は、不織布を使い外注印刷でナンバーカードを制作。しかし高コストになるため、印刷の内製化を検討する。
「オフィス向けプリンターでトライするも、結果は散々。不織布は、すぐに詰まってしまいます。さらに素材を探し、ペットボトル再生紙という、通気性では劣るものの、かなり理想的な素材を見つけることができました」
「ペットボトル再生紙は印刷機内部の熱で変形し、よく詰まりました。黒が薄く印刷されたり、カラーの再現性も不安定で、印刷ごとに違った色になることも。ヤレ(廃棄紙)も多かったですね。参加者データは直前まで揃わなかったり、制作後の変更で作り直すことも多々ありました。その際も、カラー再現が悪く同じ色にならないこともあり、苦労させられました」ペットボトル再生紙を使用した印刷の内製化という課題に対し、リコーからPOD(Print On Demand)提案が行われた。
約15,000名が参加した『第16回大阪・淀川市民マラソン』では、自動計測システムとともに参加受付とナンバーカード制作など、運営をサポート。ナンバーカードには大会名、競技種目、番号、ニックネームなどを印刷するが、フルマラソンやハーフマラソンなど、競技は10種目あり、32パターンのデザインが必要。PODならではのバリアブル印刷が威力を発揮した。
「『ちばアクアラインマラソン』は、受付数約15,000名。協賛6社のスポンサーロゴについて、鮮明性やコーポレートカラーの色味など厳しいチェックがありましたが、RICOH Proの高品質な印刷で乗り切りました」
リコーの担当営業は小薗江社長の熱意に応えたいという一心で、リコーでの用紙検証に挑む。さらに用紙メーカーとの交渉により、品質のバラつきが少ないペットボトル再生紙の調達に成功。リコーとテクノプランの二人三脚により、RICOH Proでのペットボトル再生紙の使用が可能となった。
「何より、丈夫で耐水性があり、美しく印刷できるペットボトル再生紙をRICOH Proで使えるということがうれしい。しかもマラソン大会は自治体主催が多く、再生紙ナンバーカードは環境への配慮からも評価されます」小薗江直子専務は、RICOH Pro導入がナンバーカード制作に大きな影響を与えたと語る。
「RICOH Proを他の制作物に使わない手はありません。すでに名刺、封筒、チラシは手がけていますが、今後は記録集の冊子制作や大会プログラムの増刷分のPOD化を視野に入れています。マラソン大会に不可決な自動計測システムとツール制作をトータルで提案し、差別化を図っていきたい」
小薗江社長は、印刷物の内製化でコストを抑えることが、激化する競争に打ち勝つ重要なポイントだと語る。
「マラソン大会のハイシーズンは秋。スポーツイベントが目白押しで、自転車レースなども加わり、目が回るほどの忙しさです。今シーズンは受託が好調で、RICOH Proがなければ、対応できなかったでしょう。短納期やバックアップを考えれば複数台体制が自ずと必要になりますね」自治体を中心とした住民参加型のスポーツイベントは、増えつづけている。テクノプランは長年のノウハウとRICOH Proを駆使し、このチャンスを活かしていくだろう。
機種変更への不安を一掃したRICOH Pro
RICOH Proへの機種変更に不安があったというエントリーセンターの川田氏。「RICOH Proはそれまでの機種と比べ高機能で、自分たちに上手く使えるのかどうか正直不安でした。思った色が出るのか、紙は詰まらないだろうか。それまでの経験がリセットされる思いがありましたが、導入し、いざ使ってみると何の問題もありませんでした。それどころか、印刷はきれいだし、速いし、カラー再現も安定していて、私たちの仕事をしっかりサポートしてくれています』同時に導入した断裁機は、紙の厚さ7cmまでを一気に断裁可能。女性スタッフの作業負担を軽減しているという。
印刷速度の速さとトラブルの少なさで、作業時間が短縮
「これまでのオフィス向けプリンターでは、紙づまりや汚れなどでメンテナンスに来てもらうことが非常に多く、その分時間がかかっていました。RICOH Proは印刷速度も速く、しかもトラブルによる中断がほとんどないため、予定通りの時間に仕上げることができます。印刷に関わる時間は、約半分になった感覚です」電話ですぐに駆けつけてきてくれるメンテナンスは、自分たちの不安につきあってくれると、高い評価を得た。
「エントリーセンターのスタッフ10数名で講習会に参加しましたが、戻ってからさまざまな機能にトライし、成功できたときには皆で拍手喝采。盛り上がっています。操作に関しても分かりやすく問題ありません。美しいPDFを高速でつくることができるスキャナー機能も、好評です」
各自がマラソン大会ごとにデータを一元管理
エントリーセンターではメインスタッフを中心に、各自が、それぞれマラソン大会を担当。受付からナンバーカード制作まで、大会ごとにデータを一元管理している。現在川田氏は、『2012中日三重お伊勢さんマラソン』『第15回ひさい榊原温泉マラソン』を任され、作業しているという。エントリーセンターが、裏方でマラソン大会を支えている。
テクノプラン株式会社
本ページに掲載されている情報は、2013年2月現在のものです。