RICOH Proの印刷品質とカラーマッチングによって
オフセットかPODかを営業判断で決め、提案できます
代表取締役社長
能登 健太朗 氏
百年企業として、コミュニケーション・テクノロジーで情報化社会に貢献
能登印刷は1913年に金沢市で創業。新井白石が『加賀は天下の書府なり』とよんだ金沢は多くの文学者や芸術家を輩出し、書籍出版の歴史も古い。地域の潜在的なニーズを受け1976年に出版分野へ進出し、金沢から地域文化を発信する情報誌などを発行する。印刷業では早くからDTPを手がけ、先駆けてオンデマンド印刷システムも導入している。能登印刷は100周年という大きな節目を通過し、コーポレート・ミッションである『創る力と、伝える技術』を進展させ、より質の高い商品とサービスを提供。グループの企画提案力、生産技術、編集・出版活動、クロスメディア、これらのパワーを融合させたコミュニケーション・テクノロジーで情報化社会への貢献を目指している。
独自のハイ・ファイン印刷技術をベースに、Japan Color認証を取得
能登印刷のハイ・ファイン印刷は、FMスクリーンとカラーマネジメントをベースにした独自の高精細印刷ブランド。より美しい鮮やかな印刷へのこだわりは、全社員共通の思いだという。
「印刷のカラーは、ぶれる部分が出るものです。モニターや出力機器などを管理し、カラーを科学的にとらえ数値化することで、能登印刷の基準となるものをつくらねばと思いました。カラーのベースがあってこそ、磨いた感性を活かすレベルの高い印刷ができるのだと信じています」代表取締役、能登健太朗社長はカラーマネジメントには自信があると語る。能登印刷は2010年、印刷品質の安定と生産性向上を目指すツールである「Japan Color標準印刷認証」を取得。さらに2013年には、取得が難しいとされる「Japan Colorマッチング認証」を取得している。
周辺の大学に対し、出力業務のアウトソーシングを提案
石川県には10以上の大学が集積する。人口46万人の金沢市は地方都市としては稀な存在であり、日本有数の学術都市といえる。能登印刷は地域特性に注目し、大学に対し出力業務のアウトソーシングを提案。印刷物を中心に受注が拡大している。
「金沢大学を筆頭に多くの大学が集中しています。講義で使用する教材や学生の卒業論文集など、100から150ページで300部程度という冊子の需要に、私たちのPOD(Print On Demand)提案が受け入れられています」と、製作部の小西淳也部長は語る。能登印刷では研究室向けのウェブサイト制作も提案しており、これらも大学からの評価につながっているようだ。
既存設備の不安定なカラー再現により生産性が低下
能登印刷のオンデマンド印刷システム導入は1999年、モノクロ機でスタートした。数年後にはカラー機も導入。いずれも営業部に設置され、PODの可能性を探る試験的な意味合いが強かったという。
「PODによる小ロットや多品種の印刷を模索していました。実際の印刷経験を積み、品質や生産性を把握し、ハガキ、DM、一枚物のカラーなどの印刷に使用していました。その後システムを製作部管轄とし、データ作成から印刷まで一元管理することで生産性を求めるところまできました。問題は、カラー品質の不安定さで、朝、昼、夕方で大きく色が異なり、業務に支障が出ることも。キャリブレーションの回数も増え、色管理が生産性の課題になってきました」
お客様の情報価値を最大限に高める存在に
RICOH Proによりカラーマッチングの精度が向上し、ロット数に適した印刷が可能
新機種導入に対する各社からの提案は甲乙つけ難かったという。最終的には文字の鮮明さと、リコーの「一緒に成長しましょう」という企業姿勢を評価し、RICOH Proの導入を決定する。
「RICOH Proに変わったことで、当社が重視しているカラーマッチングの精度が向上しました。印刷提案は仕上がりの品質を気にすることなく、必要な部数によってオフセット印刷になるかPODになるかの違いにまでなりました」
リフォーム後の物件を見学できる案内DMにPODが貢献
不動産会社の案件では、エリアマーケティングを活かしたティザーDMをPODで制作し、リフォーム直後の物件を公開する見学会を告知している。A4にカラー印刷してメール便で発送。エリアが限定されるため、1物件に対して300から500部におさまるという。毎週のように案件があり、常に短納期を求められるが、RICOH Proでスムーズに対応。不動産会社の営業担当者からは検討されるお客様が増えたと高評価をもらっている。
子育て情報誌『はっぴーママ石川版』を、わが子のオリジナル表紙で販売
グループ会社が発行している『はっぴーママ石川版』は子育てファミリー層に人気のタウン情報誌だ。誌面に登場する子供たちを毎回オーディションで決めている。
「表紙や中面には、読者の子供たちに登場いただいています。撮影会には毎回200組近く応募いただき、オーディションを実施。実際の誌面に採用される方は限られてしまいますが、参加者全員を対象に、お子さんの写真を表紙にしたオリジナルの『はっぴーママ石川版』とクリアホルダーをPODで制作して販売しています。話題づくりと販売促進への効果に期待しています」小西部長は、今後もいろいろな企画にトライしたいと語る。
教材などPODによる小ロット冊子印刷が評価され、大学からの受注が増加
「大学への提案を強化する中、教材を中心に小ロット冊子の受注が増えていきました。資料がMicrosoft Officeなどのデータでも、RICOH Proで印刷しています。これらの実績が評価され、環境報告書や研究発表資料といった200から300ページの冊子を依頼されるようになってきました。いずれも100部未満ですからPODに適しており、お客様から増刷を求められれば、数カ月後でも迅速に対応します」金沢での大学への提案が実を結び、関西の大学からも受注が増加しているという。小西部長は、大学や研究室への実績がつながりを産んで、紹介いただいていることも大きいと語る。
PODに切替え絵柄を増やすことで、コストを抑制しながら売上向上
印刷品質を重視する能登印刷は、年賀状印刷にも特長がある。25年以上も前から、郷土の作家シリーズとして作家の作品を活かした年賀状を販売している。当初は、作品をできる限り忠実に再現するためにオフセット印刷でベースとなる絵柄の部分をあらかじめ印刷。その後、お客様ごとに挨拶文や差出人・住所をレイアウトし、必要枚数分印刷するスタイルだったという。「RICOH Proが導入されて、なによりその印刷品質が年賀状印刷にとって非常にありがたかった。オフセット印刷と同等の品質で、作家さんからも満足いただいています。年賀状印刷すべてをPODで行うことで、オフセットのベース印刷をし、ベースの在庫を持たなくなったことで、絵柄の種類も2倍に増やせました」製作部DTP3課の山崎剛課長はRICOH Proの導入を機に、年賀状印刷の抜本的な見直しができたと語る。
情報発信力を強化し、次の100年を目指す
「印刷業として、より美しく鮮やかな印刷こそ、能登印刷らしさです。情報が多様化し増大する中、いかに魅力的な情報コンテンツを提供できるかが、次の100年に向けて能登印刷の進むべき道だと考えています。印刷、編集、企画、Web、マーケティングの経験と技術を駆使し、お客様の課題解決に役立つ企業を目指します」能登社長は、力強く語ってくれた。
RICOH Pro導入後、カラー品質の向上と同時に出力待ちもなくなりました。
バリアブル印刷での作業効率向上を実感
「年賀状印刷では、絵柄だけでなく宛名印刷も行っており、年々利用者が増えてきています。得意先企業から数千枚という依頼もあります。RICOH Proを使うようになって、墨文字はくっきり美しく印刷され、得意先から喜ばれています」名刺印刷と年賀状、チケットなどのバリアブル印刷のデータづくりに携わっている、製作部DTP1課システムチームの吉野真由美リーダーは、FieryのFreeForm™を使って一度に印刷できるため、納期短縮につながったと語る。
全体の濃淡など、RICOH Pro側の設定により製作時間を短縮
製作部DTP2課WIN製版チームの岡山圭リーダーは、Microsoft® Officeのデータを扱うチームを取り仕切っている。「PDF-X/1aやAdobe® PDF Print Engine(APPE)に対応しているため、PDFのデータ印刷がスムーズになりました。RICOH Pro導入後はPODの印刷品質が格段に向上した実感があります。チームでは、Microsoft® Officeのデータを印刷に適したデータに作り替える業務が中心です。Japan Colorに合わせ、RGBをCMYKに変換。得意先のリクエストによりデータに手を加えPDFにして印刷へ送ります。一点ずつ画像調整ができない場合は、オペレーターに依頼しRICOH Pro側で全体の濃淡調整を行ってもらうことも。製作時間を大幅に短縮でき、助かっています」
用紙への柔軟な対応力とともに、用紙のデータベースシステムが便利
用紙データベースには、用紙種類や用紙厚などの設定が、銘柄ごとに登録できる。転写条件や定着条件など、その用紙に適した印刷条件もシンプルな操作で設定できる。
「オフセット印刷用の用紙をPODでも使いたいというリクエストが営業から多く寄せられます。オペレーターとしては、多様な用紙への対応力とともに、統合用紙システムの用紙データベースが非常に便利です。また想像以上に助かっているのが@Remote(アットリモート)の仕組みです。トナーがなくなった際に自動で連絡して届けてくれますし、万が一のトラブル時にも自動通報ですぐにメンテナンスが駆けつけてくれます」製作部DTP3課PODチームの古軸美香氏は、さらに営業部門の要求に応えていきたいと語る。
能登印刷株式会社
本ページに掲載されている情報は、2014年6月現在のものです。