従来のプログラム資産を継承しながら利用現場で簡単に出力が行えるソリューションを提案
ジュンテンドー様では、商品部門からの依頼で、商品のプライスカードを月間約10,000ページ、売価変更伝票を月間約12,000ページ、さらに経理部門からの依頼で、取引先に発行するお支払明細書を月間約6,500ページ出力されています。このほか、全部署に配布する販売管理月報・週報、月間約6,000ページの出力も行われています。
「従来これらの伝票は、すべて連続帳票であり、連帳レーザープリンター1台で対応していました。帳票の掛け替えは単純作業ではないため、プリンターはシステム部門に設置し、帳票の出力から仕分けまでの一連の作業を私の部門で行っていました。また帳票の種類を変えると、プリンターを再起動するのに15分程度かかることも問題でした」(安達様)。
「帳票を設計するのも大変な作業でした。社内ではプログラム変更を伴う帳票設計を行えませんでしたから、外部委託先に依頼していました。しかも特殊なフォントが使えなかったり、バーコードの印刷にも制限があったりしました」(小林様)。
そこで同社では、連帳レーザープリンターの保守終了にともない、業務改善に向けた基幹システムの出力環境再構築に着手されました。
「プリンターの障害発生時に、1台体制だと業務停止が発生するので、複数台体制で運用したいと考えていました。また、帳票データのPDF化を取り入れることで、専用用紙をA4カット紙に統一することも考えていました。お支払明細書を電子帳票として保存すれば、伝票番号などのキーワードを入力するだけで検索することが可能になりますし、書類を保存する場所も必要なくなります。さらに、出力紙をA4に統一することで、印刷環境の可用性が向上し、消耗品や専用帳票のコスト削減も図ることができます。再構築への投資については、プリンター本体の購入費とあわせ、保守料などの運用費用など、TCO削減も図りたいと考えていました」(小林様)。
今回、リコーからジュンテンドー様に提案させていただいたソリューションは、Mapping Suite、Print Linkage、そしてIPSiO SP 9100Pro(2台)。従来からのシステム側のプログラム資産を継承しながら、現場で使い勝手の良い出力環境を構築する内容でした。それぞれの選定のポイントは何だったのでしょうか。
「Mapping Suiteは、帳票のPDF化において漢字等で文字化けが発生せず、しかも帳票設計が容易だったことと、システム側の帳票プログラムを改修せず、スプール・ファイル・タイプを変更するだけで済んだことがポイントでした」(小林様)。
「導入に当たって、リコーに研修会を実施してもらいました。帳票設計の操作が容易で使いやすいと感じました。また、固有業務の特殊操作に関してもオリジナルのマニュアルを作成して頂いたので、すぐに理解できました」(安達様)。
「Print Linkageについては、どちらのプリンターを使用するかといった指定をはじめ、排出先トレイや、両面・片面印刷の指定などが行え、プリンターの機能を十分に引き出せることが採用した理由です。従来は1台のプリンターで対応していましたから、出力先は1カ所で、用紙替えの手間もありました。Print Linkageは用紙切れやトナー交換などもメールで知らせてくれます。障害時の対応を考えてプリンター2台体制にしましたが、最悪の場合でもWindows対応のプリンターであれば、どこのプリンターでも印刷することが可能になりました」(小林様)。
IPSiO SP 9100Pro導入においては、リコー検証センターでのサポートについて評価をいただきました。
「プリンターの決定に当たって、いちばん懸念した点は、プライスカードや売価変更伝票など、ミシン目の入った特殊用紙を、高速で大量印刷が可能かという点でした。そこで、リコー検証センターで、実際に使用する帳票2,000ページを印刷してもらい、十分な検証の結果、不安を払拭した上での導入となりました」(小林様)。
Mapping SuiteとPrint Linkage、そしてIPSiO SP 9100Proの連携により、業務の効率化だけでなく、よりお客様視線に立ったプライスカードの改善なども進められています。
「帳票の出力に関しては、スプールができあがるとMapping Suiteが検知してPDFを自動生成し、さらにPDFが生成されると、できあがったフォルダーをPrint Linkage が検知して、印刷を自動的に開始するという流れになっています。2台のIPSiO SP 9100Proに、大量給紙トレイを付けて弊社の用紙で3,000枚セットできるようになりました。1台にプライスカード、もう1台に売価変更伝票をセットしておけば、夜間に出力しておくことも可能です。従来のプリンターは1台で、1回に2,000枚程度しかセットできず、またシステム部門で帳票を掛け替える必要がありました。現在は、出力作業はすべて現場で行えるようになっています。また、TCO削減の面でも、従来の出力環境構築時と比較すると、導入費は約18%、運用費については約25%も削減することができました」(小林様)。
「帳票の設計が容易に社内で行えるようになったことも、社内に波及効果を及ぼし始めています。2014年4月からの消費税対応が全社的なイベントになっており、これにともないプライスカードの改善が進められています。外部に依頼しなくても、社内で容易に帳票設計を変更できるようになったので、『表示項目を増やしてほしい』『バーコードはお客様には関係ないので小さく表示したい』といった要求に応えられるようになりました」(安達様)。
ジュンテンドー様では、136店舗のホームセンターや、島根県益田市にある経理部門を含む、全体最適化を図っていこうとお考えになっています。
「プライスカードや売価変更伝票は、現在、こちらで出力して、店舗に配送していますが、店舗で出力できれば、より業務効率が改善されると思います。また、経理部門(島根)にもプリンターが設置されていますが、数百ページになると、こちらの営業本部(広島)で打ち出して送付するケースもあります。これも本社経理部門で出力できるようになれば、送付のための時間を節約できるようになります」(小林様)。
「今回は帳票のPDF化を進めましたが、帳票以外の書類についてもPDF化を進めていきたいと考えています。従来は帳票などが複雑で、画面上ではチェックできなかったため、出力する必要がありました。今後は、PDFデータで検索や確認をできるようにして、ペーパーレス化を図っていきたいと考えています。当社は1人あたり1台パソコンがあるので、PDF化によるペーパーレス化を進めることも容易だと考えています」(安達様)。
毎週136店舗へのプライスカードを発送していますが、従来は、自席から情報システム部に電話で依頼して、情報システム部で出力してもらっていていました。そのため、依頼から出力帳票を受け取るまでに時間がかかっていました。今は、自分のパソコンから印刷を指示して、目の前のプリンターに、すぐに出力できるので楽になりました。出力量が多い時は、システム部門から台車で運ばなくてはならないほどプライスカードが大量になることもありましたが、近くで印刷ができるようになったことや、休日などで情報システム部が不在の時でも印刷が可能となったので、大幅な作業時間の短縮と作業負担の軽減となりました。
プライスカードそのものについても、いままでは連続帳票だったので、店舗ごとに手で切り分ける必要がありましたが、現在はA4用紙が1枚ずつ出てくるので、切り分けの手間もなくなり時間短縮になっています。また、文字のサイズも大きくなったので、お客様にも見やすくなったと思います。
リコーはこれからも、柔軟な発想でお客様のご要望に最適な提案を行ない、業務の生産性向上やコスト削減などの課題解決に貢献してまいります。
株式会社
ジュンテンドー
本ページに掲載されている情報は、2014年2月現在のものです。