1947年の創業以来、カー用品販売のトップランナーとして業界を牽引し続けてきたオートバックスセブン様。1996年から中古車事業に参入し、2002年には「オートバックスカーズ」を設立、中古車の買取・販売を複合的に行うブランドとして展開されています。そんなオートバックスカーズの最大の特長が、業界でも他に類を見ない買取査定価格の書面化。業界の慣習に一石を投じることとなった書面化に込めた想い、そして、その出力業務におけるリコープリンターの役割についてお話を伺いました。
オートバックスカーズで中古車の買取・販売を行ってきたオートバックスセブン様では、より迅速かつ正確な買取査定の実現に向け、2013年に「査定Dr.」というまったく新しいシステムを導入されました。2015年に特許を取得したこの査定Dr.で使用される端末は、タブレット端末と膜厚測定器。タブレット端末にはカメラが内蔵されており、車検証のQRコードを読み取ることで車の基本データを自動入力することができます。
そして画期的なのが、車の塗装の厚さを測定することで板金歴の有無を判断することができる膜厚測定器です。他の箇所より塗装の膜の厚い箇所があれば「板金を行った可能性がある」と判断し、タブレット端末に表示。査定Dr.は該当箇所の周辺の骨格部を重点的にチェックするよう査定スタッフに指示を送ります。
査定スタッフはその箇所を目視により徹底的にチェックし、外板(外装)パネルの軽微な板金修理までのものか、あるいは骨格部までダメージ残る修復歴に該当するものであるかを確認します。
その綿密な検査で得られた情報は、タブレット端末に入力し本部へと送信。本部では送られた情報をもとに査定価格を算出するとともに、それらのデータはすべて集積し一括管理します。また、この一連の流れに要する時間は30~40分程度と非常にスピーディで、お客様を長時間お待たせすることがありません。
そんな査定Dr.の特筆すべきメリットが、5日間の研修を行えば誰でもベテランの査定士並みに正確な査定を行えるという点。査定時間の迅速性に加え、上記の手順通りに操作すれば誰が査定しても同じ結果を導き出すことができるという正確性を持ち合わせており、全国480店舗で月平均2万台という膨大な台数の査定を行うオートバックスカーズにとって不可欠のシステムとなっています。
画期的な査定Dr.により、迅速・正確な中古車査定を実現されているオートバックスカーズでは、かねてより“業界初”となる取り組みを行っています。それが、査定結果(価格)を書面化し、見積書としてお客様へ提示すること。従来の中古車査定においては買取店側の口頭での金額提示にとどまっており、その内訳は不透明と言わざるを得ませんでした。オートバックスカーズの立ち上げから携る横田様は、そんなこれまでの慣習に一石を投じる取り組みについてこのように語ります。
「従来の中古車の買取査定は口頭のみでしか金額を伝えない“証拠を残さない”やり方や、ユーザーの焦りを誘うような“今日ならこの価格で買い取ります”といった対応が常態化していました。当社ではそんな慣習を打破すべく、買取業務を開始した当初から“明朗会計を実現するためにも、査定価格は正直に書面化して提示しよう”と決めていました」(横田様)。
オートバックスカーズの買取査定が従来のシステムと異なる点は書面化だけではありません。その査定価格を、最低でも5日間保証するシステムを導入したのです。これにより、ユーザーは他店で同様の買取査定を行い、価格を比較して売り先を決めることが可能に。まさに、ユーザーの視点に立ったシステムといえるでしょう。
そんな査定価格の書面化を推進するオートバックスカーズにとってプリンターは、買取価格の見積書や売買契約書などの印刷に欠かせないものですが、その中でも重要なのは、「高い信頼性のプリンター」と「安心のサポート体制」でした。というのも、かつてはプリンターの相次ぐ故障とアフターサポートの遅れに頭を悩ませていたといいます。本部の窓口として各店舗をフォローする立場の吉野様は、当時の様子をこのように振り返ります。
「以前使用していたプリンターはモデルが古いせいもあり“故障が多くアフターサポートもあまり良くない”という声を店舗のスタッフからよく聞いていました。査定価格の見積書を提示するオートバックスカーズにとってプリンターは必需品ですので、迅速な改善が求められていたのです」(吉野様)。
そのような課題を抱えるなか、横田さんと吉野さんのもとにグループ会社「オートバックスセコハン市場」*のシステム担当者よりアドバイスが送られました。
「セコハン市場で導入している、リコーのジェルジェットプリンターにしてはどうかというアドバイスをいただきました。話を聞くと、故障も少なくサポート体制もしっかりしているとのこと。とくにサポートに関しては、問題があればサービススタッフが店舗に駆けつけてくれるという点が大きな魅力でした。平日はもちろん土曜日でも対応してくれることも心強いポイントです。さっそくオートバックスカーズでもリコーのジェルジェットプリンターを検討し、2012年4月に導入しました」(横田様)。
導入の理由として、もうひとつ挙げてくださいました。それが、インクをはじめとするランニングコストの削減。従来はレーザープリンターだったため、トナーを交換する際に高額なトナーを購入しなくてはなりませんでしたが、インクの場合は1本あたりの金額が安価なので、購入しやすいという利点がありました。
オートバックス 加平インター店様でお使いいただいているジェルジェットプリンター(東京都足立区)
リコーのジェルジェットプリンターを導入いただいてから約4年(取材時)、吉野様は店舗からの反応に確かな手応えを感じてくださっています。「故障の報告はかなり減りました。多い店舗では1日に20台もの査定を行うこともあるので、プリンターの故障はなんとしても避けたいトラブル。この信頼性の高さは大きな魅力です」(吉野様)。
一方で、店舗での使用状況からいくつかのリクエストも頂戴しています。「お客様にお見積書を提示する都合上、プリンターは狭い受付カウンターの足元や雑然とした場所に置かざる得ないケースがほとんどです。願わくば機能と信頼性はこのまま、もう少しダウンサイジングしていただけるとうれしいですね。そのようなモデルの登場を楽しみにしています」(横田様)。
2016年2月現在、480店舗中307店舗で導入いただいているリコーのジェルジェットプリンター。今後も全店舗へ順次導入されることを計画されており、さらなる改善・改良に期待を寄せてくださっています。
オートバックスセブン様にはセコハン市場を含め大変お世話になっており、この度も長期間のご使用を見据えていただいております。リコージャパンとしましてはプリンターにとどまらず幅広いソリューションをお届けしたいと考えておりますので、今後もさらに良い関係を築いていけるよう全力でサポートさせていただきます。
株式会社オートバックスセブン
本ページに掲載されている情報は、2016年3月現在のものです。