国際基督教大学高等学校様では、「一人ひとりを大切にする教育」を教育方針のひとつに掲げられ、さまざまなバックグラウンドを持つ生徒が学んでいます。より能動的に学べる教育環境を整えるために、助成金も活用して、5台の超短焦点プロジェクター含む11台のリコープロジェクターとリコー インタラクティブホワイトボード(IWB)をご導入。さらに、空間の有効活用を目的に多機能ツールを備えるコンピュータールームをリニューアルされました。
【プロジェクター導入前の授業】
【プロジェクター導入後の授業】
国際基督教大学高等学校様では、教育ICT化のニーズが教員の間で高まっており、本格的な導入を検討されていました。施設整備委員会副委員長を兼務される数学科教諭の松坂先生に、ICT導入に至る経緯をお話いただきました。
「本校は、教員一人ひとりが責任を持って自身のやり方で授業を進めていく体制です。従来からのアナログ的なやり方で授業をされる先生もいれば、デジタル機器を活用しようという先生もいます。そんなさまざまな意見の中から、プロジェクターを望む声も出てきました。しかし、全ての教室に設置するゆとりはありません。限られた予算の中でどうするかと検討を重ねた結果、プロジェクターをフル活用できる教科もあれば、さほど利用が見込まれない教科もあることがわかりました。稼働率のことを考慮すると、常設型ではなく、ポータブルタイプが良いのではないかという結論に達し、各教科に1台ずつ、計5台の超短焦点プロジェクターを導入することを決めました。『ICTの教育環境整備に助成金が活用できますよ』というリコージャパンの担当者からの助言も有り難かったですね。ICT化はコストとの兼ね合いも見極めながら、本当に必要なところに特化していくことがポイントだと思っています。プロジェクターに関しても、事前にサンプル機を貸し出して社会科の教員に使ってみてもらったところ、『これだ!』という手応えをもらったことが導入の後押しとなりました」
それでは、「超短焦点プロジェクターのメリットを実感した」という金子先生にさらにお話を伺います。
金子先生の生徒を惹きつける講義に、プロジェクターはパートナーのような欠かせない存在だと見受けられました。
「こんな授業ができたらいいなと思い描いていたことが、超短焦点プロジェクターの導入によって叶えられています。教壇のノートPCに写真や画像だけでなく、動画も入れておいて、プロジェクターから適宜、ダイレクトに再生することで、授業のポイントになる点を生徒に印象付けることができます。机上のプリントに目が行きがちな生徒の視線を上げ、前を向かせることができるので、授業に集中させるという点でプロジェクターを使って大画面で映像を見せる効果はとても大きいです。全員が前を向くことで授業への参加意識が向上し、理解も深まり、発言も活発になります。以前は地図や写真など紙の資料を事前に準備する手間がかかっていましたが、パソコンから資料をプロジェクターで見せた方が効率も良いですし、インパクトも大きくて生徒からの反応も劇的に向上しました。また、授業の雰囲気を一瞬で切り替える上でも効果があります。教室内がザワついていたり、集中力が途切れそうなところでプロジェクターを使って映像を切り替えることで、生徒が再び集中して講義に向き合います。どのタイミングで何を映し出すかはその都度の判断で臨機応変に、操作が簡単だから授業を自在にプロデュースできるようになりました」
生徒が授業に集中するためには何ができるかを日々模索し、取り組んでいる金子先生。プロジェクターで映し出すコンテンツについてもお話いただきました。
「1年生は講義中心の授業だったものが、2、3年生になるにつれて、より参加型の授業になります。たとえば、歴史上の好きな名言を事前に調べさせて発表させます。生徒の作成したパワーポイントのスライドをプロジェクターで投影しながら、その名言の意味することや人物について説明させます。併せて、私が補足資料や当時の肉声データを準備しておき、プロジェクターで流しながら、生徒同士のディスカッションに導きます。当校はさまざまなバックグラウンドを持つ生徒が集まってきますが、時間の経過と共にクラスとしての一体感も出てきますし、同時に知的な一体感も生まれてきます。そうした意見交換や共有する意識を、社会の授業を通して育んでいければと考えています」
金子先生の教育指針に則った授業をサポートするリコーのプロジェクター。加えて、超短焦点であること、ポータブルで楽に持ち運びできることも、欠かせないポイントだと強調されます。
「超短焦点だから黒板の真ん前に置くだけで映し出せる点が、板書を併用する私の授業スタイルにフィットしています。黒板に投影した地図の上からチョークで書き込んで、プロジェクターを横に移動させて違う資料を映し出すといった使い方ができるのも、ポータブルな超短焦点プロジェクターだからです。授業が終わって次の教室に向かうのも、ワンタッチで終了して、肩にかけて運んで、すぐに起動できますから、10分の移動時間でも準備できます」
さらに、教育環境のICT化を進めるために行ったのが、コンピュータールームのリニューアルです。再び、松坂先生にリニューアルの目的をお話しいただきます。
「コンピュータールームのリニューアルに際し、2つのエリアに分けて活用できるように見直しました。教室前方はデスクトップPCを備えた固定型アームデスクエリアに、教室後方はさまざまな人数に対応した組み合わせができる可動式一人用デスクエリアで構成しました。固定型デスクエリアは40数人が集まってグループ作業をしたり、じっくりと個人作業することもできます。一方の可動式デスクエリアは、超短焦点プロジェクターも備え、無線環境でのタブレットPCの貸し出しと併せて、よりアクティブな学習環境を実現しています。さらに、2つのエリアをアコーデオンカーテンで仕切り、多目的で同時活用できるようにしています。このコンピュータールームのリニューアルにおいても、リコージャパンの担当者からさまざまな提案を受けながら、空間の自由度と多彩なITツールを備えた最適なものが構築できたと思います。活用が軌道に乗れば、いずれは他の教室にも水平展開しようと考えています」
まさに柔軟な発想から生まれたフレキシブルな空間といえそうですが、先にご紹介したプロジェクターの管理などについても柔軟な考えをお持ちのようです。引き続き、ご説明いただきます。
「各教科に1台の割り当てというのは、必要な方がすぐに使えるように柔軟に活用しましょうということです。社会科の授業でもう1台必要になった時、数学科のプロジェクターが空いていればそれを使えばいい。実際、私が受け持つ数学科ではプロジェクターが必要になる機会はあまりありません。数学という学問は、プロジェクターよりも、インタラクティブホワイトボード(IWB)と親和性が高いと感じています。フリップして過去に戻るのは、普通の黒板ではできないことですから」
リコーのプロジェクターを活用して、生徒の集中力を高め、積極性な授業参加を実現された国際基督教大学高等学校様。特に超短焦点プロジェクターの導入を決めたポイントを、松坂先生と金子先生に挙げていただきました。
プロジェクターを使い、ご自身が思い描く理想の授業が実現できたという金子先生。さらに広がる今後のビジョンを語っていただきました。
「授業のコアである“生徒-黒板-教員”の関係はこれからも変わらず大切にしていきたいです。その上で、プロジェクターの活用によって、授業の質をいかに高めていけるか、生徒の積極性をいかに向上させることができるかを追求し続けたいと考えています。今後、当校に入っていらっしゃる新しい先生には、プロジェクターを使った授業が社会科の当たり前の姿なんだと、自信を持ってアピールしていきたいですし、そのことによって新しい先生の教え方に広がりが出たり、教員同士で活用法を共有できるようになると良いと思います」
国際基督教大学高等学校様は、これからもビジュアルコミュニケーションを活用した教育を通して生徒の自主性を大切にし、真にグローバルな人間を育んでいきます。
※本ページ記載の会社名および製品名は、それぞれ各社の商号、商標または登録商標です。国際基督教大学高等学校 様
「帰国生教育に正面から取り組むこと」を目標のひとつに掲げて、1978年4月開校。ICT教育環境の整備を進めながら、生徒一人ひとりを大切にする教育を実践されています。
URL:www.icu-h.ed.jp
機器構成: 超短焦点プロジェクター PJ WX4141N×6台、ハイエンドプロジェクター IPSiO PJ WX6170N×1台、スタンダードプロジェクター RICOH PJ WX5361N×4台
本ページに掲載されている情報は、2017年3月現在のものです。