真岡市情報センター(栃木県)はSL列車運行で有名な真岡鐡道の真岡駅の中にある街の地域情報推進化施設です。
最新のITを体験したり、SL関係の遊具で遊ぶことができ、市民の皆様だけでなく周辺地域や他県の方も多く来場する観光施設となっています。
有限会社ヨコタ様は平成26年7月より指定管理者として真岡市情報センターの管理・運営を実施され、各種イベントの企画も含め幅広く活動されています。
【導入前の課題】
【導入後の効果】
はじめに、有限会社ヨコタの松本様に真岡市情報センターが持つ役割と施設の特徴についてお話をお伺いしました。
「真岡市情報センターは、地域の情報化推進を目的とした施設です。以前は市民の皆さんにパソコンの利用促進を図るためパソコン・インターネットが無料で利用できることを主な目的として施設を運営してきました。しかしながら、一般家庭にパソコンが普及し、さらにインターネットの普及も高まるにつれ、施設内に設置しているパソコンの利用頻度が低下。その後、SLフェスタなどの市内のイベントで施設をアピールすることで利用者は増えてきましたが、さらに情報センターをもっと地域の皆様にされる施設とするために、改革が求められていました。」
こうした状況の中、情報センターの運営の進め方について、どう改革されたのか、さらにお聞きします。
「施設の利用者を増やすため、さらに利用者の利便性を高めるには、パソコン・インターネットの無料利用だけでなく、施設を有効活用するための主軸となるコンテンツが必要だと考えました。情報センターの役割をパソコン・インターネットの普及から、スペースの一部を最新のITを体験できる場所へ見直すことが必要でした。情報センターの運営・管理は、同じ市内にある有限会社ヨコタ様へ指定管理者制度として委託されています。ヨコタ様はOA機器をはじめとした様々な情報機器を販売する企業であり、最新のITに詳しいメンバーもいるので、一体となって利用者アップのための企画検討をはじめました。」
こうして企画されたのがドーム型の360°全天周プロジェクションマッピングを使った『Overlooking the Earth』です。さらに、2016年より冬のイルミネーションに7台のプロジェクターを使ったプロジェクションマッピングを導入し、イルミネーションのリニューアルを実施されました。
このような様々なイベントを企画した結果、2016年度の施設利用者は前年比で約1.4倍と大幅アップを達成されました。利用者アップ効果に大きく貢献した、2つの企画について、さらに詳しくお話を伺います。
ドーム型体験施設「Overlooking the Earth」の企画と実現に向けて、制作を担当したcuriocity COO 佐藤様に話をお聞きしました。
「最初は、施設の中にロボットをおいて欲しいという依頼でした。しかし、既存にあるロボットを置くだけではインパクトに欠けますし、利用者の大幅アップも見込めません。そこで、話題のプロジェクションマッピングに目を付け、さらに子どもたちが遊んで学べるコンテンツを提供するという施設の目的とも重ね合わせ、最終的にドーム型体験施設「Overlooking the Earth」を企画することになりました。
さらに、「Overlooking the Earth」の内容について詳しくお伺いします。
「『Overlooking the Earth』は、暗幕を張ったドーム内にプロジェクターを4台使って、全天周のプロジェクションマッピングとドラゴン型のロボットなどを組み合わせた約10分間の体験型コンテンツです。映像を天井にプラネタリウムのように星空を全天周投影して、見た人が楽しめる内容になっています。ドラゴンのロボットがお喋りをして地球の説明をするシーンでは、子どもたちから「かわいい!」という声があったり、全天周に360度映像が投影されるシーンでは大人の方からも「おおー!!」という歓声も頂いています。また、新聞掲載いただいた効果などもあり、公演初日から親子連れなど沢山のお客様にご来場頂きました。その後も『Overlooking the Earth』を体験したい子どもたちが多く来場し、今もリピーターが増えています。」
さらに、「Overlooking the Earth」の設備における、リコーのプロジェクターの役割について、curiocity CEO 堀川様にお話を伺いました。
「ドーム直径が5mのため、この企画を実現するためには、5m先から投影して天井に大きく映すことができるプロジェクターが必要でした。普通の焦点距離のプロジェクターでは映像を映す範囲が狭すぎるため、たくさんのプロジェクターが必要ですが、リコーの短焦点プロジェクターを使うことで、1台で広い範囲を映すことができ、結果として4台のプロジェクターで実現することができました。」
ドーム全体に映像を映すというチャレンジに対し、限られたスペースでも、大画面で映像コンテンツを映すことができる、短焦点プロジェクター。リコーのプロジェクターのメリットを最大限に活用して「Overlooking the Earth」は運営されています。
冬のイルミネーションについて、有限会社ヨコタの真下様にお話を伺いました。
「真岡駅では、2013年に冬のイルミネーションを開始しました。毎年LEDライトを使ったイルミネーションを実施していましたが、3年目ともなると、地域の方には見慣れた光景となってしまいました。そこで、自分たちの技術をもっと活用できるのではないかと考え、新しい魅せ方を模索していました。その時、ちょうど『Overlooking the Earth』でプロジェクションマッピングを実現したこともあり、真岡市情報センターの4Fの窓にプロジェクターで映像を流せないか。というアイデアが生まれました。試しに実施してみると、ちょうど窓のブラインドに映像が映り、外からも十分キレイに見える画質が得られたため、最終的に情報センターの4Fに7台のプロジェクターを設置し、プロジェクションマッピングを実施。今では、クリスマス・お正月とイベントをモチーフした映像や、ちょうどセンター試験の時期でもあるので、試験頑張れといった応援メッセージなど、時期に合わせて見ているの方が飽きないようにコンテンツを変えながら映像を流しています。」
リコーのプロジェクターの活用状況についてさらにお話を伺います。
「映像を映す窓とプロジェクターの間は通路なので、取れる距離に制限があります。そのため短焦点プロジェクターを採用しました。通路幅でも十分大画面に映せますし、搭載機能にあるタイマーでの電源ON/OFF設定が非常に便利です。夜暗くなる前にプロジェクターを設置して、電源コードさえ挿しておけば、あとは時間になれば自動でスイッチON。もちろん電源OFFも自動なので、スタッフの手間が省けて助かっています。」
制約があるスペースでも、大画面に映せるリコーの短焦点プロジェクター。
こうして、真岡市情報センター様の利用者アップの企画を支えています。
有限会社ヨコタ 様
主な業務内容:オフィス機器などのIT機器やオフィスファニチャーの販売・レンタル。
指定管理者として、真岡市情報センターの施設を管理・運営。
URL:yokota-office.co.jp