新江ノ島水族館様では、夜の水族館の新しい楽しみ方として、「魚たちとデジタルテクノロジーの融合」をテーマに、2014年から2017年の4年にわたり、「ナイトワンダーアクアリウム」を開催されました*。2016年も40万人を超える来場者を記録した人気イベントですが、4年目を迎える中でコンテンツの新鮮さや、オリジナリティの不足が課題となっていました。
そこで2017年のイベントでは、リコーの紙アプリを導入され、その柔軟性・拡張性を最大限にご活用。見て触れて聞いて楽しむインタラクティブアートやアトラクションで、これまで実現できなかった独自の世界観を創造し、お客様の満足度向上を実現されました。
【導入前の課題】
【導入後の効果】
「えのすい」の愛称で親しまれる新江ノ島水族館様は、世界初の3Dプロジェクションマッピングクラゲショーを開催されるなど、日本を代表する人気水族館のひとつです。
夜の水族館の新しいスタイルとして4年目を迎える人気のイベント、「ナイトワンダーアクアリウム」の総合プロデューサー、小宮雅純様にお話を伺いました。
「『ナイトワンダーアクアリウム』は、2014年に新江ノ島水族館の10周年記念のイベントとして、夜の水族館にトライしたのがスタートでした。初回は世界初のプロジェクションマッピングという技術オリエンテッドなコンテンツを前面に押し出すことで、新鮮な驚きをご提供できたと思います。
2年目は、この分野のトップランナーである企業と協働。『トップランナーとえのすいが組んだ』ということが一つのテーマとなり、それなりのインパクトを与えることができました。
そして次のステップとして、オリジナリティの追求を目指したのですが、コンテンツが完全にパッケージ化している従来のシステムでは、私たちの独自性を打ち出すには難しい側面がありました。
えのすいならではの世界感を構築しようと、さまざまな試行錯誤をしているときに、展示会で、リコーさんの紙アプリのデモンストレーションを拝見しました。いろいろお話しを聞くうちに、一緒に新しいものを生み出せそうだという、可能性を感じました。」
4年目となる、「ナイトワンダーアクアリウム2017」のテーマは、「満天の星の降る水族館」。海に降り注ぐ満天の星空と、きらめく魚たちが織り成す物語を展開され、大好評のうちに半年間にわたるドラマの幕を閉じました。このイベントの成功に大きな役割を果たしたのが、新江ノ島水族館様とリコーが共同で企画開発した、2つのコンテンツです。
「リコーさんの商品の導入を決めた最大の理由は、カスタマイズによる柔軟性、拡張性が高いということでした。完全にパッケージ化された商品の場合、コンテンツは素晴らしくても、カスタマイズしようとすると、プログラム自体を開発する必要があり、コストも納期も現実的ではありません。その点、リコーさんの紙アプリは柔軟性が高く、オリジナリティを深化させるという今回のコンセプトに最適でした。私たちのやりたいことと、リコーさんの技術の特徴が、うまく合致した良いタイミングだったと思っています。」
今回リコーが提供させていただいたのは、センシング技術を活用したインタラクティブな動きによる、2つの体験型コンテンツです。その一つ「弾けて音を奏でる星たち」は、目の前に拡がる美しい夜空の映像の中、流れてきたほうき星に手を触れると、音のモチーフとともに弾け、さまざまな星座が描き出されます。プロローグを経てすぐのタイミングなのですが、特に説明がなくても、多くのお客様が自然に手を伸ばし、新しい世界を楽しむ光景が見られました。
「『満天の星の降る水族館』を表現するために、全体の構成を起承転結にしたいと思っていました。まず星をイメージしてもらうところからスタートして、それを引き継ぐ『転』として『弾けて音を奏でる星たち』を展開。見るだけではなくて、触れることで何かが起きるもの、自分のほうからアクセスする展開を考えた時に、リコーさんのセンシング技術を活かしたインタラクティブアートが、もっとも有効だったのです。
もう一つは、紙アクアリウムと紙花火をベースにそれぞれカスタマイズした『Let it Swim! 泳がせよう!私が描く海のいきもの』と『Shoot it Up! 打ち上げよう! えのすい花火』です。『Let it Swim!』のように、自分の絵がスクリーンに取り込める、というコンテンツは各地でとても人気があるのですが、その中でも、リコーさんの紙アプリが優れているポイントは、塗り絵ではなくフリーハンドの絵が、映像の中を自由に泳ぐというところ。魚は魚のように動くし、クラゲなら、ちゃんとゆっくり漂う。参加される方も驚きだったと思います。一方『Shoot it Up!』は、自分の絵でなくても、触ると花火が上がったり、体感できる幅が広く、想像以上にお客様に喜んでいただけました。
最終的に4年目の会期を終えてみて、定番化したかなという感じはあります。確かに新鮮味は多少うすれますが、それは、水族館に来るまでのモチベーションの話で、非常に満足度は高かったと思います。リコーさんのコンテンツは、インタラクティブ性に優れ、館内で楽しんだ後も自分が描いた用紙を持って帰れるという特典まであり、非常に良かったのではないでしょうか。実際に、去年の体験型コンテンツに比べて、入場者数に対する参加者数の比率は上がりました。
リコーさんへの今後の期待としては、これまで見たことがないような、コンテンツ作りの可能性を広げる技術の開発ですね。たとえば、『Let it Swim!』で自分の魚が映像の中を泳ぐ動画を、そのまま持ち帰ることができる仕組みや、センシング技術をさらに進化させたコンテンツなどができれば、とても面白いと思います。」
「新江ノ島水族館に併設する『なぎさの体験学習館』では、なぎさの環境を皆さまに知っていただくために、生き物との触れ合いなど、さまざまな体験プログラムを実施しています。今回『ナイトワンダーアクアリウム2017』では、会期前半は、『Let it Swim!』を、後半は『Shoot it Up!』の運営を担当しました。どちらも、フリーハンドや色を塗るなどして描いたいろいろな生き物が映像の中を自由に泳ぎ、本当に素晴らしい技術だと思いました。お客様も自分の描いたものが形になるところに喜びを表す方が多かったです。
自分の描いた絵に触れることで、名前が表示される『Let it Swim!』はもちろん、自分が描いた絵以外も楽しめる『Shoot it Up!』は、特に好評でした。スクリーンをタッチすることで、自由自在に花火を打ち上げることが可能なので、インタラクティブコンテンツの醍醐味を感じられ、とても評判が良かったです。
また、お客様に絵を描いてもらったり、絵の読み取りを行う際に、必ずお話しをする機会がありますので、それをきっかけに、実際の生き物がいるコーナーをご案内したり、別のコンテンツをご紹介するなどのコミュニケーションにもつなげることができました。今後の紙アプリの技術の進化に大きな期待と可能性を感じました。」
最後に小宮様から、今後のビジョンをお話しいただきました。
「さらなるお客様の満足のために、より独創的で魅力的なコンテンツ制作と、コミュニケーションの進化を目指し続けるのが私たちの使命です。今回、紙アプリの柔軟性・拡張性により、私たちの世界観を実現することができましたが、今後はさらに一歩進んで、誰もみたことのないような、体験したことのないようなコンテンツを実現できる技術を開発していただきたいですね。そのために、私たちもお客様の驚きを実現するような独創的コンテンツを考え、ともに実現していきたいと考えています。」
導入製品
■紙アプリおよびスキャナー、専用紙
”絵が動く”驚きと感動を
紙アプリの商品概要や導入事例、ご利用の流れをご確認いただけます。
紙アプリは紙に描いた絵が映像になり鑑賞や対戦が出来るコミュニケーションツール。
命が吹き込まれたように絵が動き出し、「自分の描いた絵が動いた!」という驚きと感動が体験できます。
アイデア次第で色々なシーンでお使いいただけます。
【資料内容】
活用シーン/商品概要/ラインアップご紹介/パッケージメニューのご紹介/導入事例/ご利用の流れ
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