2024年はAIと働く。~日本マイクロソフト×リコージャパンが提案するCopilot for Microsoft 365を活用した新しい働き方~

会期:2024年1月23日(火) 会場:オンライン

「ChatGPT」の登場をきっかけに、ビジネスのあらゆる場面でAI導入が進みました。すべてのビジネスパーソンが、AIと働く時代が到来した現在、私たちの働き方はどのように変化するのでしょうか。

2024年1月23日、日本マイクロソフト株式会社とリコージャパン株式会社はオンラインセミナー「2024年はAIと働く“あなた専属。最強のパートナー” ~日本マイクロソフト✕リコージャパンが提案するCopilot for Microsoft 365を活用した新しい働き方~」を開催しました。

AIで激変する仕事のやり方、生産性を高めるAI活用のカギを握るプロンプトエンジニアリング、ビジネスにおけるAI活用でのポイントなど。セミナーでお届けしたコンテンツを、ダイジェストにてお届けします。

SPECIAL SESSION

Microsoftが考えるAIとの働き方

各分野でのAI利用が進み、AI導入待ったなしの今の時代、より上質な仕事をする上でAIをどのように活用すれば良いのでしょうか。ChatGPTをベースとしたAIであるCopilot for Microsoft 365やAzure Open AI。これらを利用することで、仕事のやり方はどのように変化するのでしょうか。このセッションでは日本マイクロソフトのエバンジェリスト、西脇 資哲氏よりAIを活用した新しい働き方を紹介していただきます。

登壇者

西脇 資哲氏(日本マイクロソフト株式会社 エバンジェリスト・業務執行役員)

ChatGPTによって進んだAIの民主化・一般化・大衆化

西脇氏 1956年、コンピュータサイエンスの一分野として「AI」がはじめて注目されるようになりました。このときはまだ、AIは私たちにとって身近な存在ではなかったのです。

そこから「ディープラーニング(深層学習)」の技術によって、AIは音声、文章、画像、言語とおおよその情報を見分けられるようになりました。

そして2022年11月、OpenAI社が生み出した「ChatGPT」によって、空前のAIブームが起きたのです。しかも、ChatGPTはリリース当初から日本語に対応していました。私はChatGPTの登場によって、AIが民主化・一般化・大衆化したと感じました。

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生成AI最大の特長は「対話」を重ねられること

西脇氏 生成AIの雄といえるChatGPTの登場が、なぜAIの民主化を進めたのか。それは、自然言語を介して指示や命令を行えるという点にあります。つまり私たちは、普段使用している言葉を介してAIと「対話」ができるようになったのです。

仮に「昨今の異常気象の要因について説明してください」と問われたら、皆さんはどうしますか?従来はネット検索をして、参考記事から情報を集めて文章を作成していました。

しかし、ChatGPTを用いれば「日本におけるエルニーニョ現象の原因はなんですか?」と尋ねるだけで、文章が作成されます。生成された文章に対して、「です・ます調」から「だ・である調」に変更することもできます。 ChatGPTと対話を重ねることで、仕事における多くの目的を達成しやすくなったのです。

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生成AIが生む とてつもないメリット

西脇氏 ある統計によると、現存するソフトウェアやサービスの機能を使いこなせている人は、全体の3割以下とされています。これまでは、ソフトウェアの機能を知っていることが、生産性に直結していました。 しかし、これからはソフトウェアの機能を知らない場合でも、AIへの指示によって高い生産性を発揮しやすくなります。

しかも、ChatGPTは経営、医療、司法とさまざまな専門分野に関する知識を有しています。 企業や従業員は、生成AIを味方につけることによって、こうした専門知識にアクセスしやすくなるというメリットも得られるのです。

「まずは生成AIに依頼する」から仕事をはじめよう

西脇氏 これだけ多くのメリットがある生成AIを、使わない手はありません。実際に私は現在「ChatGPTファースト」のスタイルで仕事をしています。 つまり「まずは生成AIに聞いてみる」ことから、仕事を始めているのです。

  • お客様へのお詫びの文章を書いてもらう。新年の乾杯の挨拶を考えてもらう。
  • 英語のニュースの要約を箇条書きで作成してもらう。議事録を要約してもらう。
  • セミナーの改善点を考えてもらう。
  • プログラミング言語を用いてゲームを作成してもらう。
  • 猫が描かれたデザインを200個考えてもらう。

これらはすべて、生成AIによって出力可能です。生成AIを用いることで、皆さんが現在持っていない能力を手に入れることもできます。

プロンプトを制するものはAIを制する

西脇氏 そして、生成AIから良質なコンテンツを得るには、「プロンプト(命令・指示)」の質が重要です。プロンプトを制するものは、生成AIを制するといえます。

日本人は「ハイコンテクストコミュニケーション」が得意とされています。具体的・明確な指示ではなく、「この書類、カンタンにまとめてくれない?」といった抽象的な指示を出しても、暗黙知で作業内容が理解できてしまうのです。

しかし、抽象的な指示は生成AIには通用しません。「小学生にもわかるように説明して」「箇条書きで200文字以内にまとめて」など、具体的な指示が生成AIには必要です。質の高いプロンプトを投げることによって、生産性や働き方は大きく変化することでしょう。

前述の内容を表した画像
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AIが生み出したものをビジネスにつなげる

西脇氏 AIによって、私たちの仕事のやり方は大きく変わります。2023年の夏、経済産業省はこれからの時代を「生成AI時代」と表現しました。そして、生成AI時代では、「問いを立てる力」「仮説を立てる力・検証する力」などのスキルが必要になるとしています。

その中で、経済産業省は生成AI時代において、「考えるより、やってみる姿勢」が重要だと発信しています。皆さんには、すでにプロンプトを作る力が備わっています。まずはプロンプトを投げてみて、何が生まれるのかを試してみてください。うまくいかなければ、対話を重ねるように再度プロンプトを投げればいいのです。

これまでの業務経験やビジネスの経験を上手に活かしつつ、生成AIと向き合ってみてください。生成AIとの対話によって生まれたものを使い、ビジネスにつなげることこそが、これからの私たちの仕事なのです。

「AIを使いこなす人々」に仕事が集まる時代が来る

西脇氏 生成AIに関する講演では、必ず「AIは私たちの仕事を奪うのでしょうか?」という質問をいただきます。そう考えている方々へ、私が好きな言葉を紹介します。 「AIに仕事を奪われるのではありません。“AIを使いこなしている人”に仕事を奪われるのです」。

これこそが、この講演におけるもっとも大切なメッセージだといえます。電卓が生まれてそろばんを使う人がいなくなったように、生成AIを一度使い始めたら、それ以前の生活には戻りません。ITの進化は不可逆だからこそ、皆さんはAIを使いこなす側になってください。

DEMO SESSION

いつもの業務が一変!最強のパートナー
「Copilot for Microsoft 365」の実力お見せします!

インストール版からクラウド版への利用が進むWord、Excel、PowerPoint、そしてMicrosoft Teams。Microsoft 365は更なる進化を遂げ、AIの組み込みが出来るようになりました。このセッションでは日本マイクロソフト久保田氏より、Copilot for Microsoft 365を利用した新しいOfficeアプリケーションや、Copilot for Microsoft 365、Microsoft Teamsの利用方法についてデモンストレーションを行います。

登壇者

久保田 裕佳氏(日本マイクロソフト株式会社 パートナー事業本部)
鈴木 大輔(リコージャパン株式会社 デジタルサービス企画本部)

プロンプトエンジニアリングの重要性

久保田氏 ビジネスで生成AIを活用するにあたり、必要な準備が二つあります。一つ目は、「AIを使用するルールを決めておくこと」。二つ目は、「生成AIに慣れておくこと」です。 西脇が話したとおり、これからの時代で生成AIを活用する上で、「プロンプトエンジニアリング」が非常に重要となります。

そこで私からは、「プロンプトエンジニアリング超初級編」として、初めて生成AIに触れる方に向けて、どのようにプロンプトを投げればいいのかを解説します。なお、ここでは弊社が提供する生成AI「Microsoft Copilot」と、皆様が使用されているMicrosoft Officeで使用できる「Copilot for Microsoft 365」を用いて説明いたします。

よいプロンプトを作成するための四つのコツ

久保田氏 プロンプトを作成して生成AIに仕事を依頼する場合、大きく四つのコツがあります。

  • ①明確な命令文を入力する

    生成AIに対する指示は「5W1H」を意識して投げることが非常に重要です。 例えば「Microsoft Copilot」に「SWOT分析」のみを指示した場合、SWOT分析という言葉に関する説明が出力されるかと思います。そこで今度は、「Microsoft 365のSWOT分析をして」と伝えてみましょう。すると、弊社の製品の強み・弱点・競合・脅威について説明してくれるのです。

    ここでは、プロンプトに「何を(What)」という情報のみしか伝えていません。さらに「ここ1年における」「日本市場における」など、さらに指示を追加していくことで、よりよい回答を得られるでしょう。

  • ②必要なデータを提供する

    生成AIへの指示では、「正しいデータを持っているか」がとても重要です。 例えば「Microsoft Copilot」に、「マイクロソフトは副業OKか?」と質問すると、弊社の公式サイトなどを参考に情報を調べて回答を生成します。

    しかし、「Microsoft Copilot」が弊社の「SharePoint」から社内規定を確認できればどうでしょうか? 弊社の社内規定を参照して、さらに正確な情報を返してくれます。他にも、「Copilot for Microsoft 365」であれば「Microsoft Teams」でのやり取りを参照して、議事録や要約の作成、担当者のタスクの抽出などをしてくれるのです。

    また、ペルソナの設定も大事なデータ提供の1つです。例えば営業マニュアルの作成を指示する場合、次のような指示を加えてみます。

    「あなたは企業研修のプロです。新卒の営業職の人に対して、マニュアルを作成することになりました。以下のマニュアルガイドラインに従って書いてください」

    マニュアルを読む相手やAI側に属性を伝えることで、生成AIはその意図に沿ってくれます。そして、わずか1〜2分で資料を作成してくれるのです。

  • ③依頼事項を短く切る

    プロンプトは、人への依頼と同じ感覚で「区切る」ことがとても重要です。例えば、「Word」でインボイス制度についてまとめるとします。そんなときは、「Copilot for Microsoft 365」に「インボイス制度について5,000文字程度でまとめてください。国税庁のサイトを参照してください」と指示してみましょう。

    プロンプトを書くとき、句読点なくすべての文章を一気に書いてしまいがちです。 メールで人にお願いするのと同じ感覚で、指示内容をまとめてください。こうした指示一つ投げかけるだけで、膨大な資料を一から読んで文章にまとめるという作業の労力が、非常に少なく済みます。

  • ④やってはいけないNG行為を伝える

    文章やマニュアルの作成を指示すると、生成AIが箇条書きで必要事項を記入するときがあります。 そこで、「リスト形式ではなく、普通の文章でマニュアルを書いてください」とお願いしてみてください。NG行為を伝えることによって、さらにプロンプトの内容が明確になります。

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Microsoft Copilotで自然にAIを使いこなせる環境を

ここまでの説明を聞いて、「プロンプトは難しい」と感じた方もいるかもしれません。しかし、誰もが完璧なプロンプトを書ける必要はないと、私たちは考えています。 むしろマイクロソフトは、皆様がAIを自然に使いこなせるような環境をお届けしたいと考えているのです。

「Copilot for Microsoft 365」を活用すれば、普段使い慣れているソフトウェアでこれだけのことができるようになります。いずれのアクションも、私たちが普段使用している日本語で指示を出せば実現できます。

「Excel」で作成した管理ファイルを元に、四半期分のデータを整理する

前述の内容を表した画像

「Word」で作成したファイルを元に、「PowerPoint」でスライドを作成する

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「Outlook」でのメールのやり取りをさかのぼり、内容を要約して次のアクションを明確にする

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さらに有償版の「Copilot for Microsoft 365」は、入力されたデータが外部から保護されます。これこそが、ChatGPTとの最大の違いといえるでしょう。外部への漏えいを気にせず、AIの力を借りて社内情報を参照したり、独自のアイデアをブラッシュアップさせたりできます。ぜひ「Microsoft Copilot」「Copilot for Microsoft 365」を通じて、AIをビジネスにご活用ください。

「Copilot for Microsoft 365」導入はリコージャパンへ!

鈴木  「Copilot for Microsoft 365」の導入には、いくつか準備が必要です。

  • ベースラインのプラン
  • 「Microsoft 365 Apps」の更新チャネルの確認

※半期エンタープライズの場合、「Copilot for Microsoft 365」がご利用いただけません。

この2つが確認できたら、生成AIからよりよい結果を出力できるよう、「Microsoft 365クラウド」上にデータを蓄積させていきましょう。その上で、ビジネスデータの保護機能を備えた「Copilot for Microsoft 365」で安全に生成AIをご活用いただければと思います。

リコージャパンはこれまでに、55,000社のお客様の「Microsoft 365」導入を支援してまいりました。「Copilot for Microsoft 365」の導入は、ぜひ弊社へご相談ください。

前述の内容を表した資料画像1
前述の内容を表した資料画像2

このレポートの記載内容は、2024年1月現在のものです。

本イベント内容はパートナー企業によるウェビナーであり、講師の方の会社ならびにご本人の承諾のもと、リコージャパンが公開しております。ウェビナーで使用している資料ならびにウェビナー内容は、講師の方の会社が所有するものです。

Copilot for Microsoft 365は、リコージャパンへ

お問い合わせは、リコージャパンの担当者もしくは以下のリンクからお願いいたします。

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