このページの本文へ このサイトのメインメニューへ
Breadcrumbs

株式会社文藝春秋様

お客様事例紹介

オフィス複合機とMapping Suiteを核にプリンティング環境を刷新
5577や5400を廃止し、大幅なコスト削減と運用業務の効率化を達成

・色付き専用用紙7種を連続帳票からカット紙へ
・Mapping SuiteによりIBM iのスプールデータをオフィスプリンタで出力
・控え伝票をPDFで電子保管

ページトップへ

資材製作部の要望を契機に連続帳票からカット紙へ

田畑 亮 氏
田畑 亮 氏
情報システム部
統括次長

10誌の雑誌と単行本、文春文庫、文春新書など多数の書籍を刊行する文藝春秋。

同社は販売管理を中心に基幹業務を長くAS/400上で運用してきたが、そのシステム環境は2010年頃から大きく変化し始めている。

販売管理システムはRPGで開発し、長年にわたり改良を重ねてきた手組みの独自システムを今も利用する。

その一方、2005年に給与システムを「iSeries Site 給与」(日本IBM)へリプレースしたのを皮切りに、2010年には「iSeries Site 会計」、2013年には「iSeries Site ワークフロー」を導入するなど、給与・会計・ワークフローについては、パッケージ製品を積極的に利用するようになった。

またこの間、2011年9月に基幹サーバーを「Power720(8202-E4B)」へリプレースしたのに加え、プリンティング環境の見直しにも着手している。

2011年11月、経理部ではハガキの両面印刷が可能なカラーレーザー・プリンタ「RICOH SP8200」を導入したが、この時、経理部で導入を担当した田畑亮氏(現・情報システム部 統括次長)は、リコープロダクションプリントソリューションズ・ジャパンと打ち合わせる過程で、IBM iのスプールデータをPDF 化したり、オフィスプリンタからの出力を可能にするプリンティングソリューション「Mapping Suite」の存在を知ることになる。

「当社ではドットプリンタ(IBM 5577)やラインプリンタ(IBM 5400)など多数の専用プリンタを運用しているので、Mapping Suiteによりオフィスプリンタやカット紙への移行が実現すれば、大きなコスト効果が望めると考えました」と、田畑氏は語る。

しかしこの時はプリンタの導入やワークフローの検討、さらには同時並行で動いていたSNAからTCP/IPへの移行といったプロジェクトに忙殺されていたため、ひとまずそちらを優先させることになったという。

そして再び、Mapping Suiteの存在が浮上したのは2012年7月、資材製作部から5577で出力していた6枚複写の色付き連続帳票を、カット紙を利用したカラー印刷に移行したいとの要望が出された時である。

「資材製作部に加え、営業部や広告局でも同じように5577や5400で連続帳票やストックフォームに印刷しています。プリンタの導入コストや保守費、用紙・トナー代、さらに紙の付け替えといった作業工数をあらためて厳密に試算し、Mapping Suiteを導入してオフィスプリンタに出力した方が大きなコスト削減効果を見込めると結論づけました」(田畑氏)

ページトップへ

5台のオフィス複合機を導入し5577や5400を撤去

こうした試算を経て、Mapping Suiteを正式導入したのは2012年9月のことである。

同年11月には、資材製作部の全帳票(色付き専用用紙7種、ストックフォーム2種)をMapping Suiteに切り替え、新たに購入した「RICOH C721」での印刷を開始。同部が運用する2台の5577を撤去した。移行前は宛先ごとに6色の連続帳票を使用していたが、運用に混乱を生じさせないよう、帳票イメージはそのまま踏襲し、宛先ごとに罫線を6色に違えてカット紙に印刷する。

また2013年4月には、広告局で社判を押した請求書類をMapping Suiteへ切り替えた(1台の5577を撤去し、「RICOH C721」を1台導入)。どちらの場合も、帳票の設計はリコープロダクションプリントソリューションズ・ジャパンへ依頼した。約1カ月程度の準備期間で本格運用を開始している。

同年4月からは、「iSeries Site ワークフロー」で勤務管理を開始したこともあり、情報システム部では関係部署と協議し、社内に導入された多数のFax専用機、ドットプリンタ、小型レーザープリンタをオフィス複合機に切り替える方針を打ち出した。

6月に倉庫3カ所、本社ストックルーム、営業局に5台のオフィス複合機を導入。8月から、営業部が各倉庫に設置したラインプリンタで出力する月間1万5000枚の納品伝票を筆頭に、返品伝票など複数の帳票印刷を複合機へ切り替える予定である。

例えば納品伝票は3枚複写であったが、控えの1枚はPDFで電子保管し、取次へ送られる残り2枚はA4上下に印刷してミシン目を入れる帳票に切り替えられた。

こうした移行により、9月までに合計5台の5577、3台の5400のほか、3台の小型レーザープリンタ、5台のFax専用機、4台のコピー専用機などを撤去する予定である。

「プリンタの導入コストや用紙代・トナー代によるコストダウンはもちろんですが、専用プリンタを利用することで、情報システム部に集中していたプリンタの運用管理業務から解放されたことも大きな導入効果だと考えています。オフィス統合機は各部門の責任で運用できますし、PDF化することで、ユーザーが手近なプリンタで自由にプリントアウトすることが可能になりました」と、田畑氏は語る。

帳票の性格上、数台の5400および5577は残す予定だというが、今年9月以降は、Mapping Suiteとオフィス複合機を中心に据えた新たなプリンティング環境がスタートすることになりそうだ。

画像:システム概要
図表 システム概要

ページトップへ

お客様のご紹介

名称: 株式会社文藝春秋
設立: 1923年
本社: 東京都千代田区
資本金: 1億4400万円
従業員数: 348名(2012年10月)
事業内容: 雑誌の発行、単行本・文庫・新書・全集の刊行、電子書籍の配信など
URL: http://www.bunshun.co.jp/(株式会社文藝春秋のウェブサイトへ)

本記事は、i Magazine 2013年8月号に掲載されたものです。(c)i Magazine2013