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東北容器工業株式会社様

お客様事例紹介

毎月末2000件の請求書印刷~発行業務を
Mapping Suite導入で効率化・スピードアップ

  • 請求書印刷~発送準備の非効率さが顕在化
  • システム要件は、IBM i上で稼働・PDF化・バーコード対応
  • Mapping Suite導入後、帳票関連業務を順次改革

請求書発行の非効率さを何とか改善したい

松本 吉史 氏
総務部
人事・電算システムグループ
松本 吉史 氏

青森県八戸に本社を置く東北容器工業は、ダンボール箱やポリエチレン袋などの包材の設計・開発から製造・販売までを一貫して行う東北有数のトータルパッケージ企業である。
北は北海道から南は岩手県南部までを商圏とし、とりわけ農・水産業向けで強みを持つ。オーダーメード型の受注が大半で、これまで1万種以上の製品を世に送り出してきた。顧客の数は常時2000社以上。これらに対して毎月請求書や伝票類を送付しているが、今回紹介するのは帳票印刷~発行の業務をスマートに改革した事例である。
総務部ではかねてより、毎月末を「請求書の日」としてきた。「朝早くから夕方遅くまで請求書の印刷と発送だけに丸1日を取られてしまう」(総務部人事・電算システムグループの松本吉史氏)からである。

「請求書はプレプリントの3枚つづりで、ラインプリンターによる印刷に約半日、印刷された用紙を顧客用・本社控え・営業控えに仕分けて発送するのに約半日かかり、月末の忙しい時期に丸1日を請求書発行の単純作業に費やしていました。この非効率さを何とか改善したいと思い、機械化の検討を始めました」と松本氏は説明する。

システム要件としたのは「IBMi上で稼働する」「PDF化できる」「バーコードが扱える」の3点。同社は1980年代からAS/400のユーザーで、同一プラットフォーム上で利用できる効率性と利便性を重視してIBMi上での稼働を条件にした。システム化の歩みでは、1999年に基幹システムを更新して本社と営業拠点の計7カ所にAS/400を導入、2005年には吉田システムのホスティングサービスへ切り換えて1台のiSeriesへ統合化。
この間、ポリエチレン工場の生産管理システムや全社システム(売掛・請求・買掛)、営業所システム(売上・仕入・在庫、受注)などを拡充してきた。そして、「次の課題」として着手したのが、帳票印刷システムである。帳票機能としては、A4ヨコ印刷や両面印刷、穴あけ、PDF保管のほかに、印刷項目の追加などに対応できることを条件とした。

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丸1日の作業を約3時間に短縮

佐々木 博文 氏
株式会社吉田システム
システム部
システム1課
第2Gリーダー
佐々木 博文 氏

検討の開始は2009年春。まず、2製品を俎上に上げたが、一方は「印刷前にテーブルを作成する必要があり、出力が面倒」、他方は「帳票そのものが作りにくい」などの理由で見送っていた。その後数カ月、決定打を見出せないまま時間が経つ中で、「要件にピタリとはまりそうな製品」を松本氏が探し出し、その紹介セミナーに参加することにした。製品名は「Mapping Suite」。開催地は東京。これに、吉田システムの佐々木博文氏と福士英夫氏も八戸からはるばる同行している。佐々木・福士の両氏と松本氏は、日頃からベンダーと顧客の枠を超えてシステム化について議論を交わす間柄。今回の帳票印刷システムでも、当初から一緒に検討を行ってきた。

「セミナーに参加してからはトントン拍子に導入まで進みました。Mapping Suiteが要件のすべてを満たしていたのはもちろん、高機能な帳票設計からさまざまなプリンタへの出力、FAXやメールの送信機能など東北容器様の今後の展開にも対応し得る統合機能を備えているのが魅力でした。トータルコストも下がると試算しました」(佐々木氏)

セミナーから2カ月後の9月に、吉田システムのIBM iへMapping Suiteをインストールしテストを開始。それまで3時間以上かかっていた2000件の印刷が20分で完了することが確認できた。そして2010年1月には本番移行できる体制を整えたが、社内的な事情により、3月20日にサービスインしている。

「現在は2000件の印刷に約1時間半かかっていますが、印刷を終えた段階で請求書と控えが仕分けられているので、作業は午前中に終了してしまいます。当初の狙い通り、大幅な省力化と効率化が実現できています」と松本氏は評価する。

請求書発行の通信記録の管理で、同社はユニークなMappingSuiteの使い方をしている。MappingSuiteのQRコード設定機能を利用して、請求書発行日と得意先コードをコード化して請求書に印刷し、それを発送直前にリーダーで読み取って管理しているのだ。「これまでは手書きで記録を付けていました。しかし、月に2000件ともなると煩雑で十分な管理が行えません。リーダーで読み取ったQRコードデータをExcelに落とし込み、マスターと照合して管理しています」(松本氏)。

福士 英夫 氏
株式会社吉田システム
第一営業部営業第2課
福士 英夫 氏

現在は、手書伝票のシステム化に取り組み中である。営業担当者は顧客宛てに、月に何通も見積書や納品書などを発行する。これをシステム化し、顧客名や商品名をマスターから引っ張ってきて数値や金額を入力すれば、即座に伝票が印刷される仕組みを構築中だ。

またこれとは別に、Mapping Suiteへの切り換え後に、営業・事務担当者用の請求書照会システムを導入した。IBM iのIFS上に120名の担当者別フォルダを作り、そこへ請求書が自動的に蓄積されるようにした。フォルダはユーザーごとに権限管理されているため、自分のフォルダしか参照できない仕組みである。「Mapping Suiteを使い始めて、帳票だけでなくさまざまな広がりが出てきています。次は、発注注文書の変更を予定していますが、業務を見据えてプリンティング全体の効率化を進めていきたいと考えています」と福士氏は語っている。

図表:東北容器工業様システム概要図
図表:東北容器工業様システム概要図

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お客様のご紹介

お客様名: 東北容器工業株式会社
設立: 1948年
本社: 青森県八戸市
資本金: 9500万円
売上高: 102億9000万円(2010年3月期)
従業員数: 191名
URL: http://www.yoki.co.jp/
  • 本記事は、i Magazine15号に掲載されたものです。
    (c)i Magazine 2010