PROJECT STORY
きっかけは知名町庁舎移転の話
国の交付金を活用し庁舎内の文書管理についてリコージャパンが知名町総務課と協議を重ねていた2020年春、新庁舎建設のご担当者様との会話の中で「新庁舎の機能的なレイアウトをどう進めたらよいか困っているので、支援いただけないか」とご相談を受けました。
そこで企画振興課 課長補佐の永野様を訪ね、新庁舎建設計画の内容とお困りごとをお聞きすると、専門知識を持った人材はいないし、人手も足りず大変困っているとのことでした。
リコージャパンがご支援した他自治体での庁舎移転事例やその他お役立ち領域を広くご紹介したところ、リコーグループの環境事業への取り組みに着目されました。何故なら、沖永良部島に限らず、離島は台風などの自然災害も多く、電気等の社会インフラを自立・自走できるように、新庁舎は「離島初の環境配慮型庁舎にしたい」との想いを町長がお持ちだったからです。
新庁舎は環境配慮型に
課題
議論を重ねた結果、新庁舎の建設に向けて課題は大きく3つありました。
①災害に強い新庁舎を目指したい
離島は地球温暖化に起因する自然災害が顕著なことから、エネルギーの自給自足が出来る庁舎
②人手不足
庁舎建設や移転のような事業について、新たに人員を配置する余裕がないこと
③信頼できるパートナーが必要
専門的な知識を有しつつも、知見の共有や率直な対応ができる相手が必要であったこと
解決
リコージャパンはこれらの課題解決案を含むご提案を行い、2つの業務を受託しました。
- 再生可能エネルギー計画づくり調査策定業務
- 新庁舎設計に伴うZEB*1 化コンサルティング業務
ご提案で喜ばれたことは、協業パートナーとの連携で補助金獲得支援、FS*2 調査から計画策定らをサポートできる実務だけでなく、コロナ禍でもリアル/リモートコミュニケーションが適宜可能な安心感、これまでの包括連携協定の実績やRE100*3、ZEB事業所等の実践事例による信頼感がありました。
- *1ZEB:
Net Zero Energy Building 年間で消費する建築物のエネルギー量が大幅に削減されている建築物。
省エネ基準に対してZEB(100%以上減)、Nearly ZEB(75%以上減)、ZEB Ready(50%以上減)がある。 - *2FS調査:
Feasibility Study 可能性についての事前調査 - *3RE100:
事業運営に必要な電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げる企業が加盟する国際的なイニシアチブ。リコーは、2030年までに少なくとも電力の30%を再生可能エネルギーに切替え、2050年までに100%を目指す。
離島モデルの仲間づくりから先行モデル地域へ
環境配慮型新庁舎の建設に向け議論を重ねる中、環境省から新たに大型事業が発出されました。(脱炭素先行地域)
ただし採択されるには、新庁舎ZEB化の話だけでなく広範囲な事業に取り組む必要がありました。
さらに「知名町単独よりも、島全体で離島モデルを目指した方が採択されやすい」と、隣町の和泊町にも共同で事業に取り組むことをご提案しました。
サステナブル経営推進機構様のご尽力もあり、和泊町・前(すすめ)町長とも合意することができました。
主提案者を知名町、共同提案者を和泊町、サステナブル経営推進機構、リコージャパンという体制で応募。
2022年4月26日、本応募は離島モデルとして「第1回脱炭素先行地域」に見事採択されました。
リコージャパンは共同提案者としてこの事業を3者と共に進めてまいります。
●チャレンジ項目
脱炭素化に向けた離島モデルの構築
- 新庁舎および公共施設のZEB化
- マイクログリッドの構築
- EVの促進
- 生ごみの資源化など
写真左から
一般社団法人サステナブル経営推進機構 壁谷 武久 様、和泊町 前 登志朗 様、
知名町 今井 力夫 様、リコージャパン自治体事業部 髙橋 卓也