2013年に創立50周年を迎えた九州産業大学付属九州高等学校様は、記念事業の一環として新校舎を建設。最新設備を整えた新しい2つの情報教室にリコーのプロジェクター(ハイエンドモデル)「IPSiO PJ WX6170N」を、また家庭科調理室などには、小型&軽量の超短焦点モデル「IPSiO PJ WX4130N」を導入した。動画やデジタル教材などを使用したわかりやすい授業をはじめ、文化祭の研究発表や地域の人々への語学講座など、様々なシーンでリコーのプロジェクターを活用されている。
1964年4月に開校した九州産業大学付属九州高等学校(以下、九州高校)様は、自ら考え、判断し、行動する、真に自立した人間を育成する「卓然自立」を建学の精神に掲げ、社会で活躍する数多くの卒業生を社会に送り出してきた。同校の特色の1つは、「文武両道」を実践していること。全国大会に出場する運動部や文化部は多く、2012年に開催されたロンドンオリンピックの「競泳女子200m平泳ぎ」で銀メダルを獲得した鈴木聡美さんは、同校の43期卒業生だ。
同校はアジアの玄関口・福岡県にあることから、韓国や中国の学校との交流も盛んに行っている。「韓国への修学旅行は40年前から続けており、ソウルでは姉妹校の世宗高校との交流会などを通じて、様々な伝統や習慣を学んでいます」と、校長の武田壽一氏は話す。
ICT(情報通信技術)を活用した教育も、同校の特色といえる。韓国・中国の学校とインターネットを活用した交流を計画、推進しているほか、生徒のプレゼンテーション能力の強化にも力を入れている。例えばデザイン科の生徒が授業の一環として、最寄り駅である「JR香椎駅」のショッピングセンター活性化策をPCで作成してプレゼンするなど、ICTを活用した地域貢献活動を行っている。
さらに、国内の修学旅行中に、生徒が旅行先の様子などをバスの車内からリアルタイムにブログで発信したり、パソコン愛好会の生徒が文化祭や体育祭の模様をインターネットで生中継したりしている。「学校行事の様子が手に取るようにわかり、保護者の方々に非常に好評です」(武田氏)と言う。
※ICTとは情報通信技術の略称です。
九州高校様は創立50周年記念事業として、2012年4月に新校舎と第2体育館を完成させた。同校のICT活用の姿勢は、これらの新校舎にも活かされている。たとえば、4階建ての新校舎の教室には、生徒たちが集中して学べる環境を整備。1階の2つの情報教室や家庭科調理室、理科実験室には、プロジェクターや動画配信用のセットトップボックス(STB)などを配置し、わかりやすい授業を進めている。
同校では以前から各教室で共用する携帯型のプロジェクターを用意し、授業や保護者への説明会などで利用してきた。しかし、課題もあったという。たとえば、「私が担当する英語の授業でプロジェクターを使用する場合、授業を始める前に生徒に机を並べ替えてもらったり、配線用ケーブルを用意してもらったりするなど、準備に手間と時間がかかっていました」と、教務部長を務める梶原美隆氏は打ち明ける。
また、授業でプロジェクターを使う時にはカーテンを閉め、使い終わればカーテンを開けるといった作業も必要だった。「手間がかかるので、プロジェクターを積極的に授業で利用しにくい状況でした。そこで新校舎では、こうした問題を解決する情報環境の整備を目指して、プロジェクターを選定することにしました」(梶原氏)。
こうした理由から九州高校様が新校舎に導入したのが、リコーのハイエンドモデル「IPSiO PJ WX6170N」である。出力光束(明るさ)が5,500lm(ルーメン)、解像度がWXGA(1,280×800ドット)のワイド画面で、講堂など広い場所でも使用できる明るさがあることが特長だ。
今回設置した2つの情報教室(A教室、B教室)は、いずれも40人ほどが入れる広さがある。両教室とも合計3台(前方の投写用に2台、後方の投写用に1台)の「IPSiO PJ WX6170N」を天吊りで設置している。「常設型なので特別な準備をすることなく、すぐに使えます。また、カーテンを閉めて暗くする必要がないため、生徒たちはプロジェクターに目をやりながら手元のノートを取ることができて好評です」と梶原氏は言う。
そして、新校舎の家庭科調理室と理科実験室には、小型・軽量の超短焦点モデル「IPSiO PJ WX4130N」を導入している。本体背面から投写面までわずか11.7cmの短距離で48型の至近投写が可能なことに加え、設置場所を取らないコンパクトサイズが特長だ。家庭科講師の鎮守亜珠香氏は、「授業内容に応じたビデオを投影し、見終わればすぐに講義に移れるのでとても便利です。プロジェクターとビデオ機器の接続も簡単に行えます」と、使い勝手の良さを評価する。
このPJ WX4130N導入前は、家庭科の授業でビデオを見る場合、生徒たちをプロジェクターのある視聴覚教室やPC教室に集めていた。20分くらいのビデオを見終わって、授業の途中で教室を移動するのは時間のムダになる。そのため、視聴覚教室で授業を続けざるを得なかったという。「現在の家庭科調理室では、投射用のスクリーンを教室の横に片付けるだけですぐに授業が再開できます。視聴覚教室を使っていた時と異なり、グループで実習用のテーブルを囲んで座れるので効率的に授業ができます」と、鎮守氏は超短焦点プロジェクターの導入効果を話してくれた。
九州高校様はこうした利便性を評価し、リコーの超短焦点プロジェクターを新たに2台導入。またプロジェクターとともに、約100台のタブレット端末(Android端末)を導入している。「今後はプロジェクターとタブレット端末を組み合わせ、2教室合同の授業などを行いたいですね」と梶原氏は期待する。
授業以外でも、リコーのプロジェクターは活用されている。たとえば、情報教室で開催される課外活動の「九州アジアクラブ」。同クラブでは、外国人講師による韓国語講座と中国語講座を毎週1回、放課後に受講料無料で実施している。生徒だけでなく、地域の人々も自由に参加でき、異文化の言語や文化、歴史を理解し、グローバルな視野を広げられる場となっているという。
また、文化祭では生徒が情報教室の3台のプロジェクターを利用して同時に様々な研究成果を発表するなど、「生徒たちも部屋の電気をつけるのと同じ感覚で、当たり前に使っています」(梶原氏)。
さらに、受験シーズン前には受験生の保護者や塾関係者向けに学校説明会を開催。2つの情報教室のプロジェクターとビデオカメラを用い、A教室で教師が説明している姿や資料を隣のB教室で投影したり、保護者の質問に答えたりするなど、双方向(インタラクティブ)の使い方が可能だという。
九州高校様は創立50周年記念事業として、メディアホール(仮称)も建設中だ。約600人収容の大ホールや図書館、ラウンジなどを備えた総合文化施設となる。校長の武田氏は、「情報を活用した教育は、いまや当たり前になっています。今後も最先端の設備をできるだけ整え、教師や生徒たちが情報を活用できる環境づくりを推進していきます」と強調する。
同校の教育目標は、「読書教育」「道徳教育」「芸術教育」の3つが大きな柱となる。市民的モラルの育成をめざし、読書によって広い知識と教養を身に付け、言葉の感覚を洗練し、芸術的創造性を伸ばすという教育である。こうした教育の実現に向けてICTを活用した授業を推進する九州高校様を、今後もリコーは積極的にサポートしていく。
リコーでは以前から、九州高校様の校内ネットワークを含めた情報化をサポートしてきました。新校舎のICT環境についても、ご要望に合わせた提案を行なっています。情報教室のプロジェクターは明るさを重視されていたので、高輝度のハイエンドモデル「IPSiO PJ WX6170N」を提案・設置させていただきました。
また、どの教室でも手軽にプロジェクターを利用したいとのご要望に対しては、コンパクトで持ち運びに便利な超短焦点モデル「IPSiO PJ WX4130N」を提案し、採用していただきました。IPSiO PJ WX4130Nは、高品質の映像と音声を同軸でデジタル接続できるHDMI端子を標準搭載しています。そのため、場所を選ばずにビデオ機器につないでハイビジョン映像を投影できると好評をいただいています。
リコーでは、ハイエンドタイプから超短焦点モデルまで幅広いプロジェクターをラインナップしています。さらに天吊りなどの設営を含め、お客様の様々なご要望にワンストップで対応できることが強みと自負しています。
お客様情報
九州産業大学付属 九州高等学校
■所在地:福岡市東区香椎駅東2-22-1
■創立:1964年4月 ■理事長:中村 治氏
■校長:武田 壽一氏 ■教職員数:116名
■生徒数:1550名(2013年1月現在)普通科、デザイン科の2学科。「卓然自立」の精神に基づく人間教育をめざし、生徒1人ひとりの学校生活をきめ細かくサポートする「Q-VISプロジェクト」や、読書の楽しみを生徒に知ってもらうために「読書」の科目を設定するなど、独自の取り組みを進めている。
■URL:http://www.kyushu-h.jp/
本ページに掲載されている情報は、2013年2月現在のものです。