宮城県白石市教育委員会様は、「自ら考える、心豊かで、健康な子どもの育成」という教育目標のもと、「学び合い」の授業実現に向けてICTの活用を推進。市内の小・中学校に合わせて30台のリコー インタラクティブ ホワイトボードをご導入されました。算数の学力向上の研究校でもある白石市立白石第一小学校様では、算数をはじめ多くの授業でIWBを活用され、「学び合い」の授業を実践されています。
【IWB使用前の授業】
【IWB使用後の授業】
白石市教育委員会様の積極的なICT機器の導入を機に、ぜひ児童の授業に役立つものを、という狙いからIWBの活用に至った白石市立 白石第一小学校様。なぜIWBに着目されたのか、以前の授業の課題やIWB活用に至った経緯を、4年生担任教員の八巻先生に振り返っていただきました。
「私たちの学校では、宮城教育大学の復興支援センターとも協力して、子どもたちが考える力を伸ばすことに力を入れています。たとえば、算数では答えはひとつですが、その答えにたどり着くまでの道筋はたくさんあっていいんです。そのために、子どものノートを子どもたち同士で伝え合うような授業ができないかと模索していました。しかし、クラス全体で共有するためには、子どもたちが黒板に書き写したり、画用紙に大きく書いたものを黒板に貼ったりという手間と時間がかかっていました。授業の進行を考えると、時間の効率化が大きな課題としてありました。
また、黒板を使って教師が知識を伝達するだけの授業では、子どもたちは受け身になりがちです。45分間の授業を最後まで集中力を持って向かわせるためには何が必要か、自分の考えや友だちの考えが大きく映し出されることで学びへの関心を持続させられるのではないか、と考えていました」
先生と児童だけでなく、児童同士で考えを伝えあえる授業を目指していた八巻先生にとって、IWBはまさに探し求めていたツールだとおっしゃいます。その簡単な操作性に、使い方次第で限りなく広がる可能性を確信されたそうです。教師として、そしてICT活用のグループリーダーとしての明確なビジョンのもと、こうしてIWBを活用した授業が始動しました。
解き方を皆で考える「学び合い」の授業を行う上で、IWBはとても効果的であることを、八巻先生は実感されています。IWBを使った授業の進め方を説明していただきました。
「今日は100分の1の位までのかけ算を行いました。10分の1の位までのかけ算は既に勉強してありますが、100分の1は初めてです。まずは自力解決の時間を与えるのですが、子どもたちはこれまで学んだ知識を使って解こうと考えをめぐらせます。地道に足し算をしていく子もいれば、整数にして掛け算をした後で小数点を打ち直す子、この数字は0.01が100個集まったものだと考える子、さまざまな考え方がノートに記されます。私がそれをタブレットPCで撮影して、IWBに映し出します。
次に、ノートに書かれた考え方を本人または同じ考え方をした子どもに、電子ペンで自由に書き込ませながら説明してもらい、思考をもう一度たどらせます。説明を聞いている子どもたちは、自分の考えや友だちの考えが映し出されることで興味と関心をかき立てられ、集中力も高まります。そして、答えは同じでも違う考え方があることを知り、IWBの画面を分割して複数のノートを表示・比較して、クラス全員で共有します。
こうして考える訓練を積み重ね、考えて楽しい経験をした子どもたちは、学力テストなどで、たとえ正解にたどり着けなくても、白紙で提出することはなく、自分で考えた筆跡を残します。それは同じ不正解でも、何も書かない白紙のゼロとは大きな違いがあると思います」
IWBを使って自分で考え、皆で「学び合う」習慣づけができるようになって、その成果は学力テストでも点数に現れているといいます。さらに、テストでは汲み取れない表現力、説明する力も向上していると、八巻先生は続けます。
「ノートが映し出され、自分の考えを説明するときは、IWBの前で発言させます。教師の顔を伺うのではなく、友だちに向かって話をする、伝えようとすることは、これからの世の中でますます求められていく力です。これからの時代は、絶対的な解がひとつあって、そこに早くたどり着いた人が勝ちというものではありません。さまざまな国や文化があり、いろいろな考え方があって、それぞれが知恵を絞ってより良いものをみんなで創り上げていく、そういう時代だと思います。ですから、自分の考え方を持ち、それを説明でき、他の人の考え方も受け入れられる力が必要です。IWBのようなICT機器は、私たちの教育を上手くサポートしてくれる心強い道具だと感じています」
タブレットPCで撮影した児童のノートをIWBで投影。問題の解き方をみんなで考え、「学び合う」ことができます。
白石市立白石第一小学校様では、算数だけでなく、ほぼすべての教科でIWBを活用されています。4年生の社会では地図を映し出しながら宮城県の交通についての授業、6年生の社会ではデジタル教科書を使いながら税金の働きについての授業、6年生の外国語では動画と併せて音声機能を活かしたリスニングの授業を拝見させていただきました。また、低学年の国語では、ひらがなの書き順を学ぶ上でも大いに役立っているそうです。算数の後、理科の授業でIWBを活用された八巻先生に、広がる授業の可能性について語っていただきました。
「4年生の理科では冬の星座の授業を行いましたが、星座は教科書ではとても教えづらいんです。一つひとつの星の名前を言っても、子どもたちの目は下を向いていますから、どの星を指しているか理解しにくいのです。そこでデジタル教科書を導入しているのですが、IWBに映し出すと、みんなが同じ方向を見て、情報共有しながら話せる点がいいですね。星座の拡大縮小も自在ですし、子供たちに電子ペンで星と星を結ぶ線を引かせることもできます。その後で動画を見せて、学んだ知識をより深めることもできます」
IWBによる学び合いを、デジタル教科書の活用がいっそう高めてくれると八巻先生はおっしゃいます。
「子供たち一人ひとりが教科書を開いていると、目線は下になります。そうすると、「個の学び」になりがちです。目で教科書を追いながら、先生の話を耳で聞くだけの学習になります。私たちは、みんなで「学び合う」ことを大事にしていますので、IWBとデジタル教科書を組み合わせた授業に大きな可能性を感じています」
そうした授業の進め方をどのように工夫されたのでしょうか。ポイントは、先生同士の密な情報交換にあるといいます。
「先生同士で、授業でIWBをどのように使ったか、職員室に戻った時にフィードバックし合います。職員室もわからないことを皆で教え合える雰囲気ですから、お互いに情報交換しながら、全員が使えるようになっていきました。」
導入当初は、ICTに苦手意識を持つ先生もいらしたそうですが、実際に使って児童の役に立つことを実感されて、IWBの活用に積極的になられたといいます。いまでは、授業参観の懇親会、卒業式、入学式、研修会など、授業や行事を、IWBが力強く支えています。
白石市立 白石第一小学校様は、これからもIWBを活用しながら、クラス全員による「学び合い」の授業をいっそう推進されていきます。
先生同士が互いに情報交換しながら、様々な用途でIWBが活用されています。
白石市立 白石第一小学校様が掲げる「学び合い」の授業を実現し、さまざまな行事を支えるリコー インタラクティブ ホワイトボード。学校教育に浸透した魅力は何か、活用のポイントを八巻先生に上げていただきました。
白石市立 白石第一小学校様
沿革:創立明治6年。「自ら考える 心豊かで 健康な子ども」を教育目標に掲げ、学ぶことの楽しさや意義を実感できる児童の育成に臨む伝統校。
URL:shiroishi1-e.shiroishi-c.ed.jp
導入製品
機器構成:インタラクティブ ホワイトボード(電子黒板)
RICOH Interactive Whiteboard D5500
白石市立第一小学校様(3台)と市内の17の小中学校に合計30台
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本ページに掲載されている情報は、2016年3月現在のものです。
「インタラクティブ ホワイトボードとは」から、特長、各機能の紹介、課題別ソリューション、
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