山口県の東南部・周南市で地域に根ざした医療サービスを提供している医療法人彦星会ふなつ眼科様。2018年2月、同市内での移転を機に、IWBを2台ご導入。電子カルテ(株式会社ビーライン製)の情報をIWB上でタッチ操作しながら、大きく映して診察を進めることで、患者様に対する説明が格段にわかりやすく納得いただける診察を実現。満足度の向上につながっています。また、診察で説明した内容をそのまま電子カルテに記録することで、診察後の業務でも大きな改善効果が生まれています。
【導入前の課題】
【導入後の効果】
医療の現場では今、ICT(情報通信技術)の積極的な活用が進んでいます。ふなつ眼科様ではどのような効果を期待されてIWBを導入されたのでしょうか。院長の舩津浩彦様に伺いました。
「当院は1997年に開業しましたが、施設の老朽化に伴い、2018年2月に同じ周南市内に新築移転しました。新しい病院を建てるにあたり、大型モニターなどの新しい情報機器を導入して、もっとビジュアルで『魅せる』診察ができないかと考えました。アイデアのベースとなったのは、SF映画に出てくるタッチ操作できる3Dディスプレイのような世界です。移転の際に病院内のITインフラ構築について相談していたリコージャパンに、先のアイデアが実現できないかをお話ししたところ、『大画面でタッチ操作ができるIWBならば実現できるかもしれません』と回答をいただきました。
しかし、ソフトウェアとなる電子カルテシステムとの連携に課題がありました。その部分は電子カルテベンダーである、株式会社ビーラインにご協力いただき、システムをカスタマイズにより解決。こうして、IWBと電子カルテシステムの組合せで、電子カルテの画面をIWBに大きく映してタッチ操作で画像や検査データが動かせる先進的な診察環境が完成しました。さらにIWBに書いたデータはそのまま電子カルテにデータ保存(PDF)、もちろん印刷も可能です。現在は診察室にIWBを2台設置し、患者様への検査結果をお伝えしたり、治療や手術の方法説明に活用しています。」
IWBと電子カルテが連携した新しいシステムの導入により、診察の場面では具体的にどのような変化があったのでしょうか。
「このシステムを導入したことで、口頭だけでは伝わりづらい診察内容をビジュアル化して、患者様にわかりやすく説明することが可能になりました。眼科では非常に多くの検査データがあり、多くの画像を扱います。それらのデータを左右の眼で比較したり、検査経過として比較しながら患者様に説明していきます。これまではパソコンのモニター1台で画像データを1枚だけ表示させて、『次の画像を出しますから、今の内容を覚えておいてくださいね』と言いながら口頭で説明していました。そのため、患者様が診察で説明した内容を十分理解できていないと感じることもありました。
今では、IWBでは大きな画面に写真や図を並べて表示させ、拡大したり、位置を入れ替えたり、ときには画像の上に書込みをしながら、より患者様へ丁寧でわかりやすい説明が可能となりました。また、IWBはどの角度から見ても視認性が高いため、患者様とご家族の方へ一緒に説明する場合でも、位置を気にすることなくお話することができます。その結果、患者様へわかりやすく納得いただける診察が実現でき、満足度の向上につながっています。
近年、インフォームドコンセント*の重要性が増しており、医師は患者様や、その家族の方に、これから行う治療内容を納得いただくよう説明することが求められています。医師は熱心に治験内容を説明するとともに、わかりやすく理解できるように説明することも重要です。今回導入したシステムはこうした手助けをしてくれる重要なツールだと思います。」
医療機器の高度化・多様化が進み、質の高い検査データが提供されるようになっている一方で、課題とされているのが診察情報の管理の在り方。IWBは診療内容の記録という点でも大きな変化をもたらしています。
「IWBの導入によるもうひとつのメリットは、診察内容を電子カルテにそのまま記録できることです。これまでは、診察で一度説明した治療方法でも、時間が経って再診の際、患者様の記憶が曖昧になって前回説明した治療内容を忘れてしまっていたり、治療計画どおりに納得して行動いただけないケースも見受けれました。病院としても、診察の中でどのデータを使って、どういう図を書いて患者様に説明したかなど正確な記録は残せませんでした。
今回導入したシステムはIWBで書いた内容が、そのまま電子カルテにデータとして保存できるため、画面上に書き込んだ図や文字も含めて、丸ごと電子カルテ内に記録できます。次の診察時に前回説明した内容を臨場感をもって再表示できますし、患者様も治療内容を納得しやすくなっていると思います。患者様にとっても治療の経過が明確になりますし、安心して治療を続けていただけますね。
さらに、前回の診察に同席されていなかったご家族がいらっしゃるような場面でも、診察過程をクリアにできますね。このようにIWBを使うようになって、診察内容が正確な記録として保存され、さらに簡単に運用できることで、患者様とよりスムーズなコミュニケーションが取れるようになりました。」
「現在は大きな病院だけでなく、小・中規模のクリニックにも次々と新しい医療機器や通信機器が入ってきており、質の高い検査データが提供できるようになってきています。ただ、それらのデータを患者様にどう説明するか『魅せ方』にこだわっている先生は、まだ多くないのではないでしょうか。当院で使用しているシステムも、まだまだ改善が必要だと思いますし、完璧ではありません。今後、こうしたシステムを眼科に限らず色々な先生に体験してもらい、『この魅せ方は面白い』と感じてもらって実際に現場で使ってもらうことができれば、もっと良いシステムになると思います。そうした現場の意見をビーラインさんとリコーさんとで汲み取り、さらに機能を洗練させていってほしいですね。
また、リコーには今後、さまざまな医療機器メーカーとタイアップして、小・中規模のクリニックが求めるITサービスを全国的に展開を期待しています。そこで得られた知見をもとに、当院にも新しい提案をしてもらえれば嬉しいですね。」
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