近年、オンラインセミナーが増加しましたが、そこから一つの流れとして、ハイブリッドセミナーの開催も増えています。
そこで今回は、ハイブリッドセミナーの概要からハイブリッド型のメリットとデメリット、ハイブリッドセミナー開催に必要な準備まで解説します。
ハイブリッドセミナーとは、会場などで開催される対面型のセミナーと、Web会議システムなどを利用してオンライン上で行うセミナーを同時に開催するセミナーのことです。
対面型とオンラインの両方でセミナーを行うことで、会場に訪れる参加者とオンライン参加者の両方を募ることができます。
そもそもセミナーには、大きく分けて次の3つがあります。
・オフライン型
オフライン型とは、従来からある対面型セミナーです。主催者と参加者が同じ会場に居合わせて直接、相対してセミナーを開催する形式です。
オフライン型セミナーでは、講義形式の情報提供だけでなく、参加者同士のディスカッションやワーク、セッションなどが行われることがあります。
・オンライン型
オンライン型とは、ZoomなどのWeb会議システムを使用したオンライン型セミナーを指します。ウェビナーと呼ばれることもあります。主催者がオンラインを通じてセミナーを配信し、参加者がそれぞれ遠隔地から閲覧する形態です。
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・ハイブリッド型
ハイブリッド型は、オフライン型とオンライン型のセミナーを同時開催する方法です。
参加者は、会場に赴くか、パソコンやモバイルデバイスで配信を視聴するのどちらかの方法を選んでセミナーに参加します。
ハイブリッド型が採用されるイベント例として、カンファレンスやセミナー、展示会・フェア、ワークショップ、パーティ、社員研修、会社説明会、商品発表会など多様なものが考えられます。
ハイブリッド型セミナーが開催されるようになった背景には、新型コロナウイルス感染症の流行によって、オンラインセミナーが身近なものになってきたところで、新たに課題が生まれたことが挙げられます。
オンラインセミナーでは、非対面形式で感染対策にはなりますが、参加者と直接の交流を図ることが難しい点や、開催社側にとっては顧客獲得につながりにくい点が課題として挙げられます。
そこで、オフラインセミナーとオンラインセミナーの良いところをうまく活用するハイブリッド型によって課題解決しようとする企業が増えてきたという経緯があります。
ハイブリッドセミナーを行うことは、従来のオフラインセミナーとオンラインセミナーと比べて、どのようなメリットとデメリットがあるのか、確認していきましょう。
・参加ハードルが低く柔軟性が高い
参加者にとって、オフライン参加とオンライン参加を選択できるため、参加しやすいという点があります。またオンラインであれば、一部だけ参加することも可能であるなど、柔軟性も生まれます。
・意見の収集がしやすい
開催側にとっては、オフラインセミナーだけを開催するよりも、オンラインセミナーも合わせて実施することで、Web会議システムやオンラインセミナー開催プラットフォームのコメント機能やアンケート機能を使用できます。そのため、参加者の意見の収集や管理が容易になります。
・動画コンテンツ利用やデータの取得が可能
オンラインセミナーを開催することで、オフラインだけでは行いにくかったアーカイブを残すということが可能になります。後に動画コンテンツとして再活用できます。
・オフラインを取り入れることで直接交流も可能
オフラインセミナーを取り入れることで、オンラインのデメリットである参加者と直接交流を図ることができない点をカバーすることができます。
・開催の工数や準備が増える
ハイブリッドセミナーは、会場にオンラインセミナー用のカメラや機材を設置し、会場でセミナーを開催している様子をカメラで撮影しながら、その映像をオンライン配信するというやり方で開催されるのが一般的です。
そのため、オフラインとオンラインの両方の工数と準備が必要になります。例えば、会場の設営や開催準備に加えて、オンラインでの映像配信や管理など両方の対応が求められます。
・配信環境を整える必要がある
ハイブリッド型の場合、会場とオンラインをインターネットでつなぐ必要があります。そのため、ただ会場でイベントを実施するだけでなく、配信環境も整えておく必要があります。イベント会場によってはWi-Fi環境が用意されていないというケースもあるため、注意が必要になります。
・技術的な知識とスキルが求められる
ハイブリッド型は、オフラインとオンライン両方の技術的な知識とスキルが求められます。どちらか一方の経験だけでは、開催に戸惑いが増えるでしょう。
・コスト面が増加する
オフラインとオンライン両方を実施するということは、当然、工数だけでなくコスト面の増加も考慮しなければなりません。会場の利用費用や人件費、配信プラットフォームやカメラ、機材などの費用など幅広いコストが考えられます。
ハイブリッドセミナーで必要な準備をご紹介します。
オフラインとオンラインの両方を開催するため、どちらをメインとするのか、それともどちらも同等にとらえるのかなど、比重を決める必要があります。
例えば、会場実施をメインにしてオンライン配信はサブ的にとらえる場合は「オフライン:オンライン=8:2」くらいの比重となります。反対に、会場参加は少数に限定し、オンライン配信をメインとする「オフライン:オンライン=2:8」もあり得ます。
比重は参加者のニーズや、イベント形式に合わせて決定しましょう。特に展示会などで商材が大型のものや、実際に触ってみないとわからないもの、食材や料理などリアルでしか体験できないものに関しては、オフラインの会場の比重が高くなります。
オフライン開催する会場を選定します。このとき、注意したいのは、会場の収容人数や、当日の会場の機材・設備を確認する必要がある点です。
会場を選ぶ上では、駅からの距離・スクリーン・音響・照明・予算などを検討します。
配信用カメラの品質やインターネットの通信環境についても検討が必要です。
ハイブリッドセミナーでは、最低でもノートパソコン、カメラ、モニター・プロジェクターの機材が必要です。
また、次の機材をそろえると、よりハイクオリティな配信を行うことができるでしょう。
・マイク
・ミキサー
・オーディオインターフェイス(マイクなどとパソコンをつなぐ機器)
・カメラ
・キャプチャーボード(カメラの映像をパソコンに取り込む機器)
・スイッチャー(複数台カメラの切り替えなどを行う機器)
・照明
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今後、ハイブリッド型のセミナーは定着していくと考えられます。ぜひ今回ご紹介した内容をヒントに、ハイブリッドセミナーを成功させてください。
ハイブリッドセミナーの実施には、オンライン・オフライン両方の準備が求められるため、準備工程や、配信機材やセミナー実施後のアフターフォローなどさまざまな業務があり、煩雑化します。
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