2024年電波法改正に伴うアナログ簡易無線機の動向と代替えに
最適なIP無線アプリとは

電波は、携帯・テレビ・ラジオ、無線等、様々な用途で使われていますが、350MHz及び400MHz帯のアナログ方式の周波数は、令和6年(2024年)12月1日以降は使用できなくなります。それにあたり、どのような機器に代替すべきか、検討している方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、代替の手段としてメリットの多いIP無線アプリの特長や活用例、おすすめの製品をご紹介します。

2024年12月1日以降、アナログ簡易無線機等が使用不可に

近年、簡易無線のデジタル化が進む中、電波法関連法令「無線設備規則の改正」に伴い、アナログの 300MHz帯と 400MHz帯の周波数を使用した簡易無線等は令和 6年(2024年) 12月 1日以降、使用できなくなることから、速やかにデジタル方式の簡易無線等への移行を行う必要があります。

総務省の告示により、すでに平成 20年(2008年) 8月の周波数割当計画の変更で、新たにデジタル方式の簡易無線局の周波数の割当てが行われ、アナログ簡易無線局の周波数の使用期限は令和 4年(2022年) 11月 30日までとされてきました。

しかし、新型コロナウイルス感染症による社会経済への影響などから、各社や組織におけるデジタル方式の簡易無線等への移行に遅れが生じることが想定されるため、アナログ簡易無線等の使用期限が 2年延長されました。 2022年(令和 4年) 12月 1日以降は簡易無線機は使えなくなるとされてきましたが、 2024年(令和 6年) 12月 1日以降に延長されたのです。

対象となるのは、 300MHz帯と 400MHz帯のアナログ方式の簡易無線機と、旧スプリアス規格の無線機のうち新スプリアス規格に適合していない無線機です。いわゆるインカム・トランシーバーやワイヤレスガイド、ワイヤレスマイク、店内連絡用無線などのアナログ簡易無線機を従業員同士のコミュニケーションや情報共有に使用していた場合には、デジタル方式の何らかのツールに変更する必要があります。

正しく対応しないと、罰則があるので注意が必要です。電波法違反となれば、 1年以下の懲役または 100万円以下の罰金の対象となります。

アナログ簡易無線機の代わりとして注目されるIP無線アプリと導入メリット

アナログ簡易無線機を使用していた組織では、早々に代替手段を検討する必要がある中で、何が最適なのか検討しているケースも多いのではないでしょうか。
現在、携帯電話やスマートフォンの業務利用も進んでいますが、スマートフォンのIP無線アプリで簡易無線機の代替とする方法が注目されています。

そもそもIP無線アプリとは何かを確認しておきましょう。

IP無線アプリとは

IP無線アプリとは、IP無線を利用できるスマートフォンアプリのことです。IP無線とは、携帯電話通信事業者の回線を利用する無線通信システムを指します。携帯電話網を使ってデータ通信を行います。
IP無線は、専用端末でも利用はできますが、アプリタイプもあります。そのため、IP無線アプリに対応するスマートフォンがあれば、インストールすることで利用可能です。IP無線の利用には、免許の取得や申請は不要です。

IP無線アプリ導入のメリット

IP無線アプリを導入することにより、さまざまなメリットが得られます。主なメリットをご紹介します。

1.距離と人数の制限がない

IP無線アプリは、携帯電話網を使用するため、携帯電話網の通信が可能なエリア同士であれば、距離や人数の制限はありません。これまで近くの限られた範囲の相手としか通信できなかったケースも、IP無線アプリなら遠隔地のメンバー同士であっても通信でき、人数無制限かつ、一斉同時発信も可能です。

2.音声だけでなく映像やテキスト化など多機能

IP無線アプリは、音声だけでなく、ライブ映像の配信も可能です。また音声をテキスト化する機能を持つアプリもあるため、テキストでメンバーに伝達することも可能です。

3.免許申請・更新が不要

IP無線アプリは、利用に当たり、従来の無線機のような で、契約をしたら誰でもすぐ利用できます。基地局といった専用アンテナの設置等の手間もありません。

4.導入・管理が簡単

アナログの無線機からIP無線アプリに乗り換える場合、導入はスマートフォンにアプリをインストールするだけで完了します。また初期の導入だけでなく運用も楽に行えるのも、IP無線アプリのメリットです。IP無線アプリの中には、便利な管理機能が備わっているものもあり、アプリの一括設定やユーザーの利用状況などの確認が容易にできるものもあります。

5.現場のコミュニケーションのスピードアップと強化が実現

IP無線アプリは、従来のアナログ無線機のように、相手の言葉を待ってから話す必要がなく、ボタンを押すだけでリアルタイムに通話ができます。これにより、現場のコミュニケーションのスピードアップと強化につながり、生産性向上が期待できます。

IP無線・IP無線アプリの活用例

では、IP無線アプリはビジネスの現場でどのように活用できるのでしょうか。活用例をご紹介します。

イベント

イベント開催時には、大きな会場であれば特にスタッフ数が多くスタッフの配置も会場全体に散らばることになります。そのため、イベント会場では無線や携帯電話で連絡を取り合うことがありますが、電波が届かなかったり、グループ通話ができなかったりと利便性が劣ることもあります。

そこでIP無線を用いたIP無線アプリを導入することで、通信も問題なく、必要なときにスムーズに複数人同士で情報連携が取れるようになります。ワイヤレスマイクを用いることで利便性高く利用することができます。

運送業

IP無線は運転中の使用も可能です。外部スピーカーやイヤホンなどを用いて運転に支障のないようにしながら通話を行います。運送業の長距離トラックの運転手と、本部がIP無線アプリで情報伝達を行っている例もあります。安全な走行と業務の利便性が上がります。

医療・福祉施設

医療・福祉施設では、スタッフが施設内に点在し、移動もしながら互いに連携をとる必要があります。IP無線アプリであれば、連携が迅速に効率的に行えるのはもちろんのこと、手が離せないシーンでもハンズフリー通話や一斉送信機能などを用いることで、必要なタイミングで必要な情報伝達が可能になります。

例えば、ある介護施設では、入居者の体調や予定をすばやくIP無線アプリでスタッフ全員に発信することで、一か所に集まることなく必要な情報伝達ができています。

人の安全と安心が重視される医療・福祉の施設では、このような機能を持つIP無線アプリは適しています。またケガの処置が必要になった際に、看護師に素早く連絡してかけつけてもらうといったことも可能です。

BCP対策

BCP対策とは、企業が事業継続計画を立案して実施することを指します。具体的には自然災害や大火災、パンデミック、テロ攻撃といった緊急事態において、事業資産の損害を抑えながら、中核事業の継続および早期復旧を可能とするための活動全般です。

特に災害時には正確かつ迅速な情報伝達が求められますが、そのようなときに携帯電話網は混雑し、つながりにくくなります。地上の影響を受けない衛星電話という人工衛星を通じた通信を行う手段もありますが、かかる費用は高額になりがちです。BCP対策として「つながる」通信手段を用意しておくことは重要なことです。IP無線アプリなら、インターネット回線を用いるため、携帯電話網よりはつながりやすく、緊急時の連絡手段としてよく利用されています。

IP無線とアナログ無線の違い

IP無線とアナログ無線にはどのような違いがあるのでしょうか?
IP無線とアナログ無線の基本的な違いと、それぞれのメリット・デメリットについて詳しく解説します。

まず、アナログ無線は電波を使って音声を伝送する技術です。無線機同士が直接通信するため、電波が届く範囲内であれば即座に通信が可能です。しかし、その通信範囲は発信機の出力や周波数に依存し、障害物や地形によって影響を受けやすく、 また、アナログ信号はノイズや干渉に弱く、音質が劣化しやすいというデメリットもあります。

一方、IP無線はインターネットプロトコル(IP)を利用して音声をデジタルデータとして伝送する技術を活用するため、インターネットが接続できる場所であれば世界中どこでも通信が可能となります。通信距離に制限がないため、広範囲での利用が求められるシーンに非常に適しています。また、デジタル信号を使用するため、ノイズや干渉に強く、クリアな音質での通信が可能です。

ただし、IP無線にもデメリットがあります。インターネット接続が必須であるため、通信環境が整っていない場所では利用が難しくなります。また、通信の安定性や速度はインターネット回線の品質に依存します。そのため、非常時や災害時に回線が混雑する場合、通信が途絶えるリスクも考慮する必要があります。

総じて言えば、アナログ無線はシンプルで即時性が高い一方、通信範囲や音質に制約があります。一方、IP無線は広範囲で高品質な通信が可能ですが、インターネット接続に依存するため、使用環境によっては制約が生じることもあります。用途や環境に応じて、適切な通信手段を選ぶことが重要です。電波法改正を機に、IP無線の導入を検討する際には、これらの違いを理解しておくことが大切です。

IP無線アプリ「Buddycom(バディコム)」とは

IP無線アプリの中でも、特におすすめなのが「Buddycom(バディコム)」です。
Buddycomは、同時双方向の、現場向け音声グループコミュニケーションを実現できるIP無線アプリです。

一斉通話で現場コミュニケーションをスピードアップ

3G、4G、Wi-Fi TM といったインターネット通信を利用して、無線機やトランシーバーのように一斉通話が可能です。屋内・屋外を問わず、あらゆる現場でのコミュニケーションのスピード化が可能となります。

映像配信や強制起動による発信など幅広い活用が可能

音声での通信だけでなく、音声のテキスト化や翻訳機能、さらに映像配信、ライブキャスト配信が可能です。また、緊急時にはグループ内のアプリを強制起動してアラートを発信することも可能です。このように、現場の状況に合った幅広い活用用途があります。

操作・管理が簡単

簡単な操作で、大きく目立つボタンを押すだけで一斉通話ができるので、スマートフォンが苦手でも直感的に使え、誰でも難なく使い始められるのも大きな特長です。また、管理機能も充実しており、グループ内のユーザーの位置情報や行動履歴の確認や、アプリ機能や設定の一括管理等を簡単に行うことができます。

クリアで高品質な通話が可能

クリアで低遅延の音声品質で、1,000名以上のグループ通話に対応しています。安定した通信で業務コミュニケーションをスムーズにします。

すでに、Buddycomは建設、製造、運輸、サービス、宿泊・観光、店舗、小売、自治体、物流、医療(病院等)、福祉・介護などの現場で活用されており、成功事例も多くあります。

まとめ

電波法改正により、2024年12月以降はアナログ簡易無線機の使用ができなくなる中、代替手段として有効になるのが、IP無線アプリです。中でもおすすめなのは、多機能かつ導入も運用も簡単なBuddycomです。
リコージャパンでは、Buddycomの導入サービスをご提供しています。Buddycomについてご不明な点がありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

  • Buddycomは、株式会社サイエンスアーツの登録商標です。
  • Wi-Fi TM は、Wi-Fi Allianceの商標です。

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