企業や自治体が行うべきBCP(事業継続計画)対策の中でも、特に重要なのが通信手段の確保です。
BCP対策において、効果的なコミュニケーション環境の構築は、中核となる事業の継続や早期復旧を可能とするために非常に重要です。
特に、災害時などの非常時に強いIP無線は、BCP対策において非常に有効な通信手段となります。
企業や自治体が行うBCP対策において、社内コミュニケーションは非常に重要な要素です。特に震災や自然災害の直後には、社員の安否確認や設備の被害状況の正確な把握が求められます。これらの情報を迅速かつ正確に収集することで、次なる判断を迅速に下すことが可能となります。
また、復旧作業が進行するフェーズにおいても、遠隔地とのコミュニケーションは早期復旧の鍵を握ります。このため、BCP対策における通信手段の選定は極めて重要です。例えば、IP無線を活用することで、災害時でも安定した通信環境を確保することができます。IP無線はインターネットを介して通信するため、従来の無線通信に比べて広範囲での使用が可能であり、災害時の通信手段として非常に有効です。
さらに、コミュニケーションツールや情報共有ツールの選定もBCP対策の一環として欠かせません。各種ツールの目的を明確にし、平時と変わらないセキュリティレベルを保つことができるツールを選ぶことが重要です。例えば、クラウドベースのコミュニケーションツールやエンドツーエンドの暗号化が施されたツールを採用することで、情報の安全性を確保することができます。
では、災害時には、どのようなコミュニケーション手段があるのでしょうか。主に考えられる手段をご紹介します。
固定電話は、電柱・ケーブル被害、通信規制により使用できなくなる可能性が高い中、次なる手段は携帯電話です。しかし、携帯電話も音声通話の通信規制がされ、通話はほとんど不可能になるといわれています。メールは遅延が予想されます。
PHSは、2021年1月末でサービス提供が終了しました。企業や施設では構内PHSを継続利用しているケースもありますが、災害時には設備の破損も考えられるため、BCP対策の手段としては、もはや頼ることができないでしょう。
近年は耐震対策やサーバの分散化等が進んでおり、災害時にもインターネットはおおむね利用の継続が可能といわれています。メール、社内チャット、社内SNS、インターネット通話、テレビ電話などの利用の可能性があります。
IP無線は、3G、4G、5G、Wi-Fi等のインターネット回線を使用して、声や音をパケットデータに変換して通信するシステムです。スマートフォンにインストールして利用するIP無線もあり、スマートフォンがつながる場所ならどこでも通信ができるので、従来の無線機より広範囲で通信が可能になります。災害時にも継続利用の可能性が広がっているといわれていることから、BCP対策としても期待が高まっています。
IP無線は、災害時コミュニケーションに最適なツールと言えます。
さらに詳しく、IP無線のBCP対策のコミュニケーション手段としてのメリットを確認しておきましょう。
従来の携帯電話では着信を受けても受信ボタンを押さなければ通話ができません。一方、IP無線は、グループ内における同報送信が可能なものが一般的で、受信者はボタンを押さずとも音声が聞こえるので、災害時のさまざまなシチュエーションでもコミュニケーションを取ることができます。
例えば、大震災が起きたときに、がれきの下敷きになっている従業員がズボンのポケット内の携帯電話が鳴っても受信ボタンを押すことができないといった事態が起き得ます。一方、IP無線であれば、着信を受けたときにボタンを押さなくても通話が始まり、音声が聞こえます。そして従業員は状況を伝えて、助けを求めることができ、会社側は従業員の安否確認と適切な対処が可能になります。
さらにIP無線の中でも電源オフの状態でも強制起動が可能なものであれば、オフラインのメンバーへの連絡もできます。このことから、IP無線は災害時の初動対応や、安否確認に適しているといえます。
IP無線は、スマートフォンと同じインターネット通信を利用するので、電話回線のように発信制限がかかる可能性が低いです。そのため、災害時でも安定した通信ができます。
IP無線は、通信エリアが従来の無線機よりも広くなります。IP無線は携帯電話で利用するインターネット回線を用いるため、携帯電話がつながるエリアであればつながります。一方、従来の無線機は、1km~2km以内の範囲に限定するものもあるため、非常に範囲が狭くなってしまい、緊急時の伝達には不向きです。
IP無線は、特にアプリには多くの通話以外の機能が備わっています。例えば、文字起こし機能では、音声通話をしながら話している言葉がチャット上に自動的に文字起こしされて記録される機能です。災害時にはほとんどのやりとりが重要な情報を含んでいると考えられるため、文字起こし機能があればたとえ聞き漏らしてしまったり、忘れてしまったりしても内容が保存されるので、重要な情報を逃すリスクが少なくなります。
また、リアルタイムで映像配信ができる機能が備わっているアプリなら、各拠点の現場の被害の現状を映像でリアルに伝えることができるため、会社は適切な対処を取りやすくなります。
GPS機能を用いた位置表示機能が備わっていることもあります。一般的に、スマホには衛星測位システムのGPS機能が備わっており、スマホを携帯する人物の場所を特定できます。このGPS機能による位置情報を利用した機能がIP無線機やアプリに搭載されています。
この機能があれば、災害時には、スマホの電源が入っていれば所持者の位置情報を取得できます。例えば、災害時に本社から各地に点在している従業員の居場所を特定する際には、わざわざ通話しなくとも、GPS機能で場所を特定することでも安否確認が可能です。
このような理由から、IP無線は災害時に強いBCP対策に適した通信手段といえます。もちろん、これらのメリットは、IP無線を普段の業務から使用していれば、従業員が操作に慣れていることから、災害時に大きな手助けとなり得るでしょう。また従業員全員が携帯していれば、それがBCP対策となると考えられます。
BCP対策におけるコミュニケーションの重要性と、災害時などに強いIP無線についてご紹介してきました。
IP無線の導入を平時のうちに行っておくことで、事業継続、早期復旧の確実な準備となるのではないでしょうか。
現場コミュニケーションの改善には現場ならではのニーズへの対応が大きなポイントになります。
従来の電話やトランシーバーの課題、音声グループコミュニケーションの機能や導入効果など現場コミュニケーションの改善に役立つ情報をわかりやすくまとめました。
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