赤外線サーモグラフィカメラとは？
赤外線サーモグラフィカメラは、物体が発する赤外線エネルギーを検知し、温度分布を画像として可視化する装置です。非接触で測定できるため、高温や危険な環境下でも安全に使用できます。温度のわずかな違いも識別できるため、設備の異常検知や省エネルギー対策に活用されます。建築物の断熱性能評価、電気設備の過熱点検、製造工程の品質管理、医療分野での体温測定や血流観察など、幅広い用途に対応します。導入により、作業の効率化やコスト削減、安全性向上といったメリットが期待できます。
赤外線サーモグラフィカメラはなぜ必要？
赤外線サーモグラフィカメラは、目に見えない温度差を可視化し、異常の早期発見や効率的な診断を可能にするため、さまざまな分野で必要とされています。例えば、電気設備の異常発熱は、火災や設備故障の原因となりますが、目視では検出が難しいため、温度を画像化できる本装置が有効です。また、建築物の断熱性能の評価や、水漏れ・劣化の診断にも活用され、エネルギー効率の向上や維持管理コストの削減に貢献します。製造業では、製品品質の管理や異常検知、医療分野では体温や血流の観察に使用されるなど、安全性向上やコスト削減の観点から導入が進んでいます。
赤外線サーモグラフィカメラ導入のメリット・効果
赤外線サーモグラフィカメラの導入により、安全性向上や異常の早期発見などのメリットを享受できます。以下に主要なメリットを4つ挙げ、それぞれ解説します。
非接触で安全に温度測定が可能
赤外線サーモグラフィカメラは、物体に触れることなく温度を測定できるため、高温の設備や危険な環境でも安全に使用できます。これにより、作業者の負担を軽減し、事故のリスクを最小限に抑えながら効率的な点検が可能になります。
異常の早期発見によるトラブル防止
目視では確認しづらい温度異常をリアルタイムで検知できるため、設備の故障や火災のリスクを低減できます。特に電気設備や機械装置の保守点検において、問題が深刻化する前に対策を講じることができ、ダウンタイムの削減や修理コストの抑制につながります。
効率的な点検・診断で作業時間を短縮
従来の温度測定手法では、点検対象に一つずつ接触して測定する必要があり、時間と手間がかかります。赤外線サーモグラフィカメラを導入することで、広範囲の温度分布を一度に把握でき、迅速な診断が可能になります。これにより、作業の効率化が図れます。
エネルギー管理とコスト削減に貢献
建築物の断熱性能評価や製造工程の監視に活用することで、無駄なエネルギー消費を特定し、効率的な運用が可能になります。これにより、エネルギーコストの削減や環境負荷の軽減が期待できます。企業の省エネ対策や持続可能な経営にも寄与します。
赤外線サーモグラフィカメラ導入によるベネフィット
赤外線サーモグラフィカメラを導入することで、企業は安全性の向上やコスト削減といった具体的な利益を得られます。例えば、電気設備の異常発熱を事前に検知することで、突発的な機器トラブルを回避し、修理費や生産停止による損失を最小限に抑えることが可能になります。また、建築物の断熱性能を可視化することで、省エネルギー対策を強化し、光熱費の削減につなげられます。さらに、非接触での測定により、危険な環境でも作業者の負担を軽減し、業務の効率化が進みます。結果として、企業のリスク管理が強化され、より安定した業務運営が実現できる点が大きなベネフィットとなります。
赤外線サーモグラフィカメラの機能
赤外線サーモグラフィカメラの主な機能をご紹介します。
温度分布の可視化
赤外線サーモグラフィカメラは、物体が発する赤外線を検知し、温度分布を色分けして画像として表示します。これにより、目に見えない温度の違いを直感的に把握でき、異常の特定が容易になります。
非接触温度測定
対象物に触れることなく温度を測定できるため、高温や危険な環境でも安全に作業できます。測定範囲が広く、リアルタイムでデータを取得できるため、迅速な診断が可能です。
温度異常の自動検知
設定した温度範囲を超えた異常箇所を自動で識別し、アラートを発する機能を備えたモデルもあります。これにより、設備点検や品質管理の効率が向上し、異常の見落としを防ぎます。
画像・動画の記録と解析
静止画や動画として測定結果を保存でき、後から詳細な分析が可能です。測定データを記録することで、異常の進行状況を長期的に監視し、トラブルの予兆を把握することができます。
多彩な測定モード
スポット測定やエリア測定、ラインプロファイル測定など、多様な測定モードに対応した機種もあります。用途に応じた測定手法を選択できるため、さまざまな業種やシーンで活用可能です。
これらの機能により、赤外線サーモグラフィカメラは、目に見えない熱を視覚化することで、目に見えない問題箇所の早期発見が可能です。
赤外線サーモグラフィカメラの利用シーン
赤外線サーモグラフィカメラは用途に応じた効果を発揮します。以下に主な利用シーンをご紹介します。
設備点検・保守管理
配電盤やソーラーパネルなど、工場やビルの電気設備、機械装置の異常発熱を検知し、火災や故障のリスクを低減します。特に高圧設備や回転機械の異常を非接触で診断できるため、安全性が向上し、計画的なメンテナンスが可能になります。
建築・住宅診断
建物の断熱性能評価や雨漏り・水漏れの調査に活用されます。外壁や屋根の温度分布を可視化することで、断熱材の劣化や施工不良を特定し、省エネルギー対策や修繕計画の立案に役立ちます。
製造業の品質管理
製造ラインにおける製品の温度管理や、溶接・成型工程の異常検知に利用されます。加熱・冷却工程の温度ムラを確認することで、製品の品質安定化を図り、不良品の発生を抑制します。
教育・研究分野
教育・研究の現場では、時系列で2次元の温度データを取得・解析する機能が重宝されています。工学分野では、材料の熱特性評価や流体の温度変化の測定に、生物学では動物の体表面温度の観察や環境適応の研究に用いられます。また、火山活動や森林火災といった自然災害の監視にも役立ち、継続的なデータ取得によりリスクの予測や防災対策の精度向上に貢献します。
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"はたらく"に歓びを
“はたらく”に寄り添い変革を起こしつづけることで、人ならではの創造力の発揮を支え、持続可能な未来の社会をつくります。
遡ること1977年、リコーが提唱したOA（オフィスオートメーション）。そこには「機械にできることは機械に任せ、人はより創造的な仕事をするべきだ」という想いが込められていました。人間にしかできない創造的な仕事を通して、生み出される付加価値を増幅することに、はたらく歓びがあるのだという考え方です。
リコーの使命は、“はたらく”に寄り添い、変革を起こし続けること。 その先に見据える未来は、人ならではの創造力が発揮され、働きがいと経済成長が両立する持続可能な社会。
そんな想いが、2023年に新たに制定した使命と目指す姿「“はたらく”に歓びを」に込められています。
