IP無線の メリット・デメリットとは?

今、注目を集める「IP無線」。インターネット回線を利用して高い音声品質で無線機のように複数人でのコミュニケーションを可能にすることから、導入、利用が進んでいます。IP無線を導入する際には、メリットとデメリットを両方正しく理解することが大切です。

IP無線のメリット

まずは IP無線のメリットから解説します。

エリア問わず通信できる

IP無線はインターネット回線を利用し、パケットデータによって送受信を行うことから、インターネット回線がつながる場所であれば、屋内外どこでも通信を行うことができます。

高い音質で通話ができる

IP無線によっては、従来の無線機よりも高い音質で聞き取りやすく、スムーズな通話を実現します。

グループ通信、個別通信の両方が可能

1対1の通話はもちろんのこと、従来の無線機と同様に、複数人でのグループ通信が可能であり、一斉に通話ができる点から、無線機の代替として導入することができます。

資格取得や免許申請が不要

従来の無線機は資格取得や免許申請が必要なケースがありましたが、IP無線の場合、利用に資格取得も免許申請も不要であり、手軽かつスピーディーに導入できます。

料金は月額固定制もある

一般的にIP無線は、月額で利用料を支払う形式であるため、月額固定制であれば特に通信料を気にせずに使用できる点や、通信料を抑えることができる点がメリットです。

セキュリティが保たれる

IP無線は、従来の無線のように混線がなく、盗聴される恐れもありません。インターネット通信の標準的なセキュリティが確保されていれば、セキュリティを保った中で通信が可能です。

IP無線のデメリット

一方で、IP無線にはデメリットも考えられます。

毎月のコストがかかる

IP無線は、従来の無線機と比べて、インターネット回線を利用することから、毎月通信料金や利用料金がかかるという点があります。つまりランニングコストがかかるということです。

まれに通信障害が起こる可能性がある

一般的にインターネット回線は、何らかの原因で、通信障害を起こすことがあります。また、災害時に利用できなくなるケースもゼロではありません。

山岳地帯など一部のエリアでは通信できない

IP無線は、携帯キャリアのデータ通信網を利用しているため、契約している携帯キャリアの通信がつながらない山岳地帯等の一部エリアでは、IP無線についても同様に利用できない可能性があります。

IP無線機のメリット・デメリットを踏まえた他無線機との違い

IP無線は、前述のとおりメリットとデメリットの両方がありますが、
これらを踏まえ、IP無線機は他の無線機と比べてどのような違いがあるのかを確認しておきましょう。

通信エリアの違い

IP無線機と他の無線機と比べたときに、通信エリアが大きく異なります。IP無線機は携帯電話がつながるところ全域をカバーしており、山岳地帯などの一部のエリアを除けば、ほぼ日本全国でつながります。他の無線機はおおむね1~2km程度の圏内であるため、限られています。

通話品質の違い

通話や音声の品質についても異なります。 他無線機は、基本的に相手との距離が遠くなるほど電波が不安定になり、音声品質が低下します。具体的には、ノイズが入ったり、途切れたりします。一方、IP無線機はどれだけ離れていても音質に影響がありません。

また、他の無線機の中には、通信距離や障害物の影響を受けるものもあります。例えば相手との間に障害物の多い地下などでは、他の無線機は通話品質が下がる傾向があります。IP無線機は基本的に障害物の影響は受けません。なぜなら、データ通信のための基地局が整備されているからです。

一方、IP無線機はインターネット回線を利用しているため、通信障害が起きれば、その影響を受けることになります。

セキュリティ面の違い

無線機のセキュリティリスクとして大きいのが、混線による思わぬ情報漏洩や第三者による意図的な傍受による情報盗取です。他の無線機は同一の周波数や、隣接する周波数の電波同士が互いにぶつかい合い、電波が入り混じることがあるため、通話内容が互いに漏れてしまうことがあります。また悪意を持った第三者が、使用している周波数に合わせることで盗み聞くリスクがあります。

一方、IP無線は電波ではなくデータ通信網を利用しているため、混線が起き得ません。また情報漏洩のリスクはありますが、暗号化処理されているので通常はそれほど大きなリスクはありません。

免許関連の違い

他の無線機は、業務利用する場合に免許の取得や登録申請の義務がある場合が多くあります。法律に違反すると罰則を受けることになります。一方、IP無線機は免許も登録も不要であるという違いがあります。

料金制の違い

IP無線機は、本体代と共に月額の通信料がかかります。他の無線機は、一般的に通信料がかかりません。ただし、IP無線機ではなく手持ちのスマホにアプリをインストールして使うスマホIP無線アプリであれば本体代は不要ですが、アプリの月額利用料金とスマホの通信料を支払う形になります。

IP無線のデメリットを埋める方法

先述のIP無線のデメリットは、考え方・とらえ方を変えたり、工夫をしたりすることで、十分に埋めることができます。

コスト面の対策

月額のランニングコストについては、まず料金プランが自社に最適かどうかを見極めることが重要です。例えば従量課金方式の場合は利用料を抑えたいときには不向きといえます。月額固定制のサービスを選ぶことで、デメリットにならないこともあります。
また、従来の無線機利用の場合、資格取得や免許申請、登録の届出の際に手数料などのコストがかかることがありますが、IP無線の場合、それが一切かかりません。

通信障害の対策

IP無線機はメールやインターネットと同じパケット通信を利用していることから、電話回線やトランシーバーと比較すると通信障害の影響を受ける可能性は低いといえます。

通信エリアの対策

IP無線を利用する地域、屋内屋外など、どの場所で利用するのかということを事前に明らかにし、電波状況を確認した上で導入するのをおすすめします。

まとめ

IP無線のメリットとデメリット、そして他無線機との違いやデメリットを埋める方法をご紹介してきました。
IP無線はメリットが充実していることから、導入はおすすめです。一方で、デメリットもありますが、それぞれ対策を立てれば十分対応可能です。

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