障がい者採用への取り組み

CROSS-TALK#02

MEMBER

写真左から
  • 宮﨑 愛

    人事・コーポレート本部 人事センター
    人事部 採用グループ所属
    2023年キャリア入社

    生まれつき聴覚障がいを持つ。2023年リコージャパンに入社し、現在は障がい者雇用の採用担当者として働いている。

  • 西澤 陽一郎

    人事・コーポレート本部 人事センター
    人事部 採用グループ所属
    2020年キャリア入社

    約18年間福祉機器会社に勤め、2020年にリコージャパンに障がい者採用枠で入社。現在は障がい者雇用の採用担当者として働いている。

当事者だからこそ理解できることがある。
障がいを持ちながら働くことに対する不安を払拭したい。

  • インタ
    ビュアー

    西澤さんご自身も障がいをお持ちの中、人事を担当するうえで心がけていることはありますか?

  • 西澤

    おっしゃる通り、私自身25歳のときに起きた事故によって下肢に障がいを持っており、2024年現在は介助犬と一緒に働いています。前職で働いていたときは、私の障がいや介助犬に対する理解が得られない出来事が多くありました。

    リコージャパンに入社した当時も「自分はこの会社に必要な人材として活躍できるだろうか」という不安を抱いていたことを覚えています。

    だからこそ、当社に応募してきてくれた方々の入社前の心配事をなるべく減らしたいと思うようになりました。

  • インタ
    ビュアー

    入社前の応募者の不安を払拭すべく、具体的にどのような対策を行ったのでしょうか?

  • 西澤

    特に障がい者採用においては、「自分の事情を理解してもらえている」という感覚が応募者の安心感に繋がると考えています。 そのため、書類選考から一次面接、二次面接、入社まで全ての手続きに一貫して携わり、メールや電話でコミュニケーションを取りながら信頼関係を築くよう努めています。 また、入社前だけでなく入社1ヶ月後や6ヶ月後など、会社生活や業務に慣れたタイミングで我々採用担当者と面談を実施する仕組みも導入しました。

  • インタ
    ビュアー

    なぜ面談を取り入れたのでしょうか?

  • 西澤

    当社は日本全国に数多くの職場があり、障がい者雇用に対する理解度にはまだまだバラつきがあることも事実です。職場で言いにくい悩みも第三者になら話せることがあると思います。 また、面談の結果を上司にフィードバックすることで、一人ひとりが働きやすい環境を作ることに貢献できればと考えています。

  • インタ
    ビュアー

    素敵な取り組みですね!細やかなコミュニケーションや面談の結果、障がい者雇用率に変化はありましたか?

  • 西澤

    そうですね。 当社では身体障がいや知的障がい、精神障がいなどさまざまな障がいを持った方々が活躍しています。 2023年度時点で法定雇用率は達成していますが、今後の雇用率引き上げも見据えて、引き続き積極的に障がい者の方を採用していきたいと考えています。

個人の特性を尊重した人員配置を。
どんな方でもチャレンジできるよう、サポートします。

  • インタ
    ビュアー

    リコージャパンでは、「さまざまな障がいを持つ方が活躍している」というお話がありました。それはなぜでしょうか?

  • 西澤

    大前提として当社は、障がい、性別、年齢関係なく全ての方に活躍してほしいというスタンスを取っています。 そのため、「障がい者だからこのポジションでこの仕事をしてもらう」という形での採用は行っていません。

    応募者一人ひとりのキャリアや障がいの特性を十分に理解したうえで、最適なポジションをご提示します。 その点では、どんな方でも働きやすい土壌があると言えます。 とはいえ、個々の特性や個性には違いがあるため「どの部署で、どんな業務であれば活躍できるだろうか?」と常に考えながら選考しています。

  • インタ
    ビュアー

    なるほど。最近入社された宮﨑さんにはどのようなサポートを行ったのでしょうか?

  • 西澤

    宮﨑さんに業務を教えるにあたってどうしても私と関わる時間が多くなるのですが、私だけではなく組織のメンバーにも宮﨑さんの理解を深めてほしいと思いました。 そこで、組織のメンバーと宮﨑さん、それぞれに自分のプロフィールや好きなことを紙に書いてもらい、互いに自己紹介する時間を設けました。

    また、宮﨑さんが入社する前に、同じ建屋で勤務する社員全員に「宮﨑さんは耳が聴こえない障がいをお持ちなので、後ろから声を掛けても反応できません」といった情報共有をすることで、宮﨑さんがなるべく働きやすい環境を整えるよう心がけました。

  • インタ
    ビュアー

    そのような個々に合わせた勤務体制が整っていると、安心して働けますね。

障がいを「他人ごと」ではなく「自分ごと」として考える。 一人ひとりに寄り添い、向き合い、受け入れる土壌がここにある。

  • 西澤

    宮﨑さん、リコージャパンで働いてみての所感を教えていただけますか?

  • 宮﨑

    当社は障がい者に対するフォロー体制が十分に整っていると思います。 西澤さんを中心に定期的に面談で質問や相談事があるか聞いてくれたり、周りのメンバーも日頃から「困っていることはない?」と声を掛けてくれたりしてくれるので安心して働けています。 業務中、難しい言葉が出てきて理解できないときはPekoe(ペコ)を使ったり、パソコンで文章を打ち込んで説明してくれたりするので、スムーズにコミュニケーションできて大変ありがたいです。

  • 西澤

    そう言っていただけると嬉しいです。 皆さんからの言葉が私自身のモチベーションにもつながっています。 例えば、「連絡もらえて嬉しいです」「実はこんなことに悩んでいて……」と、打ち明けてもらえると、皆さんから信頼してもらえていると実感が持てます。

  • インタ
    ビュアー

    先ほどお話に出てきたPekoeについて教えていただけますか?

  • 宮﨑

    Pekoeは株式会社リコーが開発した「聴覚障がい者向けコミュニケーションサービス」です。 前職で働いていた際にコロナ禍になり、一気にオンライン会議が増えました。私は幼い頃から口話で会話していたのですが、口の動きが見えないため、マスクを着用している相手が何を話しているのかまったくわからず困る場面も多くて……。 ですが、Pekoeは会議の内容をリアルタイムで、しかも高精度で文字化してくれるので、皆さんと同じタイミングで話の内容を理解できるようになりました。 転職活動時は他社も応募していたのですが、耳が聞こえないという理由で書類選考の時点で落とされることもありました。

    でも当社は受け入れてくれた。面接の際もスムーズに会話できるようにプロジェクターや筆談の準備、Pekoeを用意していただいて、応募者に対する配慮が嬉しかったです。

  • 西澤

    宮﨑さんの履歴書に「耳が聞こえませんが、口話ができます」と書かれていたのですが、どの程度かわからず、あらゆることを想定して準備をしました。 しかし、実際にお会いしてみたら本当にスムーズにコミュニケーションが取れてとても驚きました。 宮﨑さんから「耳が聞こえない」という理由で書類選考に通らなかったというお話がありましたが、実際に会ってみないと分からないことがあると痛感しました。 私たちはつい先入観を抱いてしまいがちですが、まずは相手に寄り添い、受け入れることを大切にしていきたいです。

  • 宮﨑

    西澤さんや他のメンバーには本当に親身に寄り添っていただいたので、私らしくいきいきと働けていると実感しています。私も障がいを持つ方に安心して入社してもらえるような採用担当者になりたいと思います。

  • 西澤

    正直なところ、障がいを「自分ごと」として考えるのはなかなか難しいと思います。 障がい者の方と働く方々には「もし自分が障がいを持って生活するとなったら、今と同じ環境で同じように働き続けられるのか」という視点を持ってコミュニケーションを取ってもらえると大変心強いです。 少しずつ障がいを自分ごととして捉える人が増えていくことで、社会全体の障がいに対する偏見や障壁がなくなり、今以上に誰もが働きやすい社会に変わっていくことを願っています。

※本ページの内容は2024年3月末現在の情報です。
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