2022.03.29
今、注目を集める「IP無線」。インターネット回線を利用して高い音声品質で無線機のように複数人でのコミュニケーションを可能にすることから、導入、利用が進んでいます。IP無線を導入する際には、メリットとデメリットを両方正しく理解することが大切です。
IP無線はインターネット回線を利用し、パケットデータによって送受信を行うことから、インターネット回線がつながる場所であれば、屋内外どこでも通信を行うことができます。
IP無線によっては、従来の無線機よりも高い音質で聞き取りやすく、スムーズな通話を実現します。
1対1の通話はもちろんのこと、従来の無線機と同様に、複数人でのグループ通信が可能であり、一斉に通話ができる点から、無線機の代替として導入することができます。
従来の無線機は資格取得や免許申請が必要なケースがありましたが、IP無線の場合、利用に資格取得も免許申請も不要であり、手軽かつスピーディーに導入できます。
一般的にIP無線は、月額で利用料を支払う形式であるため、月額固定制であれば特に通信料を気にせずに使用できる点や、通信料を抑えることができる点がメリットです。
IP無線は、従来の無線のように混線がなく、盗聴される恐れもありません。インターネット通信の標準的なセキュリティが確保されていれば、セキュリティを保った中で通信が可能です。
一方で、IP無線にはデメリットも考えられます。
IP無線は、従来の無線機と比べて、インターネット回線を利用することから、毎月通信料金や利用料金がかかるという点があります。つまりランニングコストがかかるということです。
一般的にインターネット回線は、何らかの原因で、通信障害を起こすことがあります。また、災害時に利用できなくなるケースもゼロではありません。
IP無線は、携帯キャリアのデータ通信網を利用しているため、契約している携帯キャリアの通信がつながらない山岳地帯等の一部エリアでは、IP無線についても同様に利用できない可能性があります。
先述のIP無線のデメリットは、考え方・とらえ方を変えたり、工夫をしたりすることで、十分に埋めることができます。
月額のランニングコストについては、まず料金プランが自社に最適かどうかを見極めることが重要です。例えば従量課金方式の場合は利用料を抑えたいときには不向きといえます。月額固定制のサービスを選ぶことで、デメリットにならないこともあります。
また、従来の無線機利用の場合、資格取得や免許申請、登録の届出の際に手数料などのコストがかかることがありますが、IP無線の場合、それが一切かかりません。
IP無線機はメールやインターネットと同じパケット通信を利用していることから、電話回線やトランシーバーと比較すると通信障害の影響を受ける可能性は低いといえます。
IP無線を利用する地域、屋内屋外など、どの場所で利用するのかということを事前に明らかにし、電波状況を確認した上で導入するのをおすすめします。
IP無線のメリットとデメリット、そしてデメリットを埋める方法をご紹介してきました。IP無線はメリットが充実していることから、導入はおすすめです。一方で、デメリットもありますが、それぞれ対策を立てれば十分対応可能です。