課題 1
月末月初の受領請求書の経理業務負荷を軽減し、担当者のミスに対するプレッシャーを低減し、残業をなくすこと。
解決 1
(RICOH Cloud OCR for 請求書を使い)手作業による金額入力と入力金額の確認業務が、システムの表示する金額確認と修正だけの業務になり、間違いやミスの発見に集中できプレッシャーから解放された。
課題 2
受領請求書の経理業務をリモートで行えるようにし、担当者のワークライフバランスをとること。
解決 2
(RICOH Cloud OCR for 請求書を使い)クラウドなので受領請求書の経理業務がリモートで実現できるようになった。
課題 3
法対応に必要な業務をなるべく「0」にすることで、経理担当者の業務をこれ以上増やさないこと。
解決 3
(RICOH Cloud OCR for 請求書とRICOH 証憑電子保存サービスの併用で)操作がカンタンなので経理部門以外の従業員にも法対応を行わせることができるため、経理部門の業務負担を増やさずに法対応できた。
クラウド見積・請求・入金管理ソフト MakeLeapsの開発、運営、販売を行っているメイクリープス株式会社。「元々、MakeLeapsは社内の請求業務システムとしてスタートしたものです」と語るのは、同社代表取締役社長の児玉 哲氏。「前身の会社ではITコンサルティングを行っていました。顧客が増える一方で、当時は今以上に人数が少なく、少人数で業務を回していく必要があり、請求書の発行や入金管理を効率化するために開発したのがMakeLeapsでした」と語ります。その後、MakeLeapsはクラウドサービス化され、同社はMakeLeapsを専業とする企業へ変わりましたが、バックオフィスの体制には変化がなかったといいます。「社員は30名ほどとなりましたが、バックオフィス業務を担当するのは3名。それも経理業務のみならず、人事、労務も兼務しています。経営の立場から言えば、直接的な利益の創出にはつながりにくいバックオフィス業務に対して人を増やすというのは難しい判断です」といいます。
経理業務を統括する最高財務責任者の田沼裕介氏は「人員が限られつつも、間違いがあってはいけないというのもバックオフィス、特に経理業務の特徴です。したがって、生産性を上げつつ、いかにミスを防ぐかという点が課題としてありました」と語ります。
以前より、顧客に対してはMakeLeapsを使って請求書の作成や発送を電子化・効率化していた同社ですが、支払先となる開発パートナーやベンダーからは請求書を紙で受け取ることがほとんどでした。「毎月、約40社から150枚ほどの請求書が紙で届いていました。当時は意外とITベンダーでも紙で請求書を発行する会社は珍しくありませんでした」(田沼氏)。
実際に業務を行う同社経理担当の伊藤綾香氏は「紙での処理にも慣れていましたし、チェックなどは紙のほうがやりやすいこともあり、あまり問題意識はありませんでした。逆にPDFでもらった請求書も、紙で印刷していたぐらいでしたので」と語ります。
ところが、状況が変わったのはコロナ禍により、テレワーク勤務に移行したときでした。伊藤氏は「多くの業務が在宅でできた中、どうしてもテレワークで対応できなかったのが会社に届く請求書の処理でした。開封して内容を確認する作業があるので、仕方なく月末には出社して処理をするようになりました」と語ります。その後、取引先からくる請求書はほぼ全てメールで送られてくるようになりましたが、「チェックのために家で請求書をプリントアウトするわけにもいかず、やはり月末に出社して、すべて出力し、目検でチェックしていました」(伊藤氏)
この状況に田沼氏は問題意識を持ちました。「月1回でも出社が必要な状況だということもさることながら、請求書処理業務では、ネットバンキングへの送金指示の準備もあります。支払いデータ作成のために請求書の内容を手入力し、ミスがないようにそのデータをダブルチェックする体制となっており、処理が集中する月末は残業せざるを得ない状況でした」(田沼氏)。
テレワーク、さらには請求書処理そのものの業務負荷解消のため、同社にて対応方法の検討がスタートしました 。田沼氏は「バックオフィス業務は何よりも正確性と効率性の両立が重要です。業務の効率化は重要ですが、その一方で支払にミスがあってはいけません。事業が拡大し、請求書の処理枚数も増える中「人員を増やさずいかに会社を支えるか」という観点から、システムの導入を検討しました」と語る。
最終的には「RICOH Cloud OCR for 請求書」(以下、Cloud OCR for 請求書)の導入を決定します。「紙やPDFで送られてくる請求書を効率的かつ正確に処理するにはOCR化がベストと考えました。そのうえでテレワーク対応や、コロナ禍における事業継続の観点からは、働く場所の制約を受けないクラウドサービスが望ましいですし、タッチパネルから直接アップロードができるなど、社内で使っているリコーの複合機との親和性の高さもありCloud OCR for 請求書を選定しました」(田沼氏)。
実業務を担当する伊藤氏は業務効率が大幅に向上したといいます。「これまで、1枚1枚手入力していたものが、PDFを一括アップロードするだけであとはAI-OCRに任せるだけでデータ化されます。チェックもOCR処理に間違いがないか確認するだけになり、かなり楽になりました」。他の業務も兼任する伊藤氏は「これまで、他の業務もやりながらだったので、請求書処理業務は、実質月末の2営業日は必要でした。しかし、Cloud OCR for 請求書を使い始めてからはだいたい2~3時間で済むようになり、残業も全くする必要がなくなりました」といいます。Cloud OCR for 請求書は精度の向上に大きく貢献しており、「新規取引先やスポットの取引による請求書が来たときは、たまに項目認識ミスが発生することもありますが、一度修正すればそれを学習してくれるので、次回からは間違えなくなります。定期的に来る請求書に関しては、ミスはありません。従来の手入力による人的ミスを解消することができたのはありがたいですね」。
支払いにあたっては、請求書から起こした金額に基づき、ネットバンキング用のデータを作成します。田沼氏は「これまでは手入力していたオンラインバンキング用の支払いデータと請求書を突き合わせてダブルチェックを行っていました」。従来であればこの過程で金額ミスなどに気付くこともあったといいます。「しかしCloud OCR for 請求書導入後は、手入力による入力ミスを考慮しなくてよくなったので、OCR変換後のデータを確認するだけになり、ダブルチェックする方も楽になりました」(田沼氏)。
時折送られてくる紙の請求書処理を行うための出社も解消できたといいます。「今では、請求書のほとんどがデータで来ますが、ごくたまに紙で来ることがあります。しかしこれも出社している他の部門の人などにスキャンしてもらえば良くなったので、もう紙の請求書が来ても出社する必要はなくなりました」(伊藤氏)
もう一つの出社の理由となっていた「紙での目検」という点でも課題が解決できたといいます。「Cloud OCR for 請求書では、左側にOCR変換後の結果、右側に元の画像が表示されるので、画面上での目検がとてもやりやすくなっています。そのため、難しいと思っていたチェック時のペーパーレス化が実現でき、在宅でもできるようになりました」(伊藤氏)。
画面デザインについて伊藤氏は「画面も必要なものだけがメニューに並んでいて、迷わず自然に使うことができます。またわからない点があってもサポートに問い合わせればすぐに対応してもらえるので、助かりました」と語ります。
「何より、時間との戦いというプレッシャーと、入力ミスをしてはならないという責任感の重さというストレスから開放されたことが大きいです」(伊藤氏)。
「RICOH Cloud OCR for 請求書」導入検討ガイド
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RICOH Cloud OCR for 請求書の特長、機能、価格をわかりやすくまとめた “「RICOH Cloud OCR for 請求書」導入検討ガイド” をご用意いたしました。ぜひご一読ください!
Cloud OCR for 請求書に引き続き、同社ではRICOH 証憑電子保存サービス(以下、証憑電子保存サービス)を導入しました。
その背景として田沼氏は「改正電子帳簿保存法への対応に当たり、自社発行の取引書類はMakeLeapsで、受領した請求書はCloud OCR for 請求書で対応できていましたが、営業部門などで受領する見積書や注文書、発注書などの書類に関しては改正電子帳簿保存法の要件に従って保存する仕組みがありませんでした。これらの書類を経理で保存・管理する必要もあったので、システム導入を決めました」。
証憑電子保存サービスを選定した理由として田沼氏は「Cloud OCR for 請求書とユーザーインターフェイスが似ていて、操作に慣れやすい点、そして、近くMakeLeapsと連携してMakeLeaps上で作成した書類を保存できる機能が付加される予定(2022年7月にリリース済)があり、各書類を統合して管理できることから導入を決めました」といいます。
●RICOH 証憑電子保存サービス・RICOH Cloud OCR for 請求書で提供している電子帳簿保存法電子取引の主な要件への対応
改ざんされていない事を証明できる
訂正又は削除を行った事実及び内容を確認することができること 等
必要な情報を探して確認できる
「取引年月日」「取引金額」「取引先」の3項目による検索ができること 等
法定期間の長期保存
証憑は確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存しなければならない
現在、同社では月に200件ほどの書類を証憑電子保存サービスに入力しているといいます。伊藤氏は「Cloud OCR for 請求書と同じように、ドラッグ・アンド・ドロップするだけで書類をアップロードでき、あとは検索項目を入力するだけなので操作は簡単です。また、営業部門の担当者には各自で書類をアップロードしてもらっているので特に負担増もなくありがたく思います」と語ります。
田沼氏は「繁忙期には社内の業務負荷軽減のために入力代行サービスを活用しています。このようなBPOサービス*をうまく活用できるのもメリットだと考えています」といいます。
「電子データの保存は、法改正で新しくできた業務で、取り組むまでは正直不安でした。しかし、証憑電子保存サービスを使うことで、ルールに従って作業すれば法律の要件に従って保存ができますし、作業自体も簡単なので、取り組み前の不安は払拭され、ストレスなく作業できています」(伊藤氏)。
*ビジネス・プロセス・アウトソーシング・サービス
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電子帳簿保存法は今後も法律の改正が予想されますが、それに対して田沼氏は「クラウドサービスならではの良さに、継続的なバージョンアップが期待できるという点が挙げられます。特に電子帳簿保存法は今後も改正される可能性がありますが、都度都度、定められた要件への対応を行ってもらえると思うので、安心して使っていくことができると思います」と語ります。
伊藤氏は「正直、今回のソリューションを導入するまで、取引書類保存のペーパーレス化はできても、チェック時のペーパーレス化は、いわゆる“紙慣れ”で難しいと考えていました。しかし、Cloud OCR for 請求書のように画面デザインなどの工夫で紙なしでもできるようになるんだと体感することができました。もちろんすぐには難しいと思いますが、ステップ・バイ・ステップで進めていけば、ペーパーレス化は実現できると思います」と語ります。児玉氏は「紙には紙の良さがあります。したがって無理にすべてをペーパーレス化する必要はないと思っています。ペーパーレス化できるものと、紙として残すものをしっかり切り分けて進めていけばいいと考えています」
最後に児玉氏は「バックオフィス業務はどちらかといえば変化を好まない業務でしたが、このコロナ禍で変わらざるを得なくなりました。直接お金を生まない業務だからこそ、ITを活用して業務効率化を進めることが重要だと考えています」と語りました。
■名称:メイクリープス株式会社
■本社所在地:東京都目黒区中目黒3-1-5 YK中目黒ビル2F
■設立:2014年7月9日
■従業員数:30名
■事業内容:クラウド見積・請求・入金管理ソフト MakeLeapsの開発、運用、販売