お客様導入事例 NTT東日本関東病院 様 RICOH Interactive Whiteboardで業務連絡の手間をタスクシフト。医師や看護師が患者さんのケアに集中できる環境を構築 

目次

1.概要

NTT東日本関東病院様は、設立当初から最先端のICT活用を積極的に推進されており、その中でも消化管内科を入院主科とするスマートホスピタル病棟は、医療DXを体現する病棟となっています。
このスマートホスピタル病棟では、10階の病棟と1階の内視鏡室をつなぐツールとして、RICOH Interactive Whiteboard(以下RICOH IWB)が活用されています。患者さんを内視鏡室へ送迎するタイミングなど、これまで電話や看護師の経験則に頼っていた細かな連携を、RICOH IWBで見える化。病棟と内視鏡室の双方から最新の状況を書き込んでいくことで、患者さんの状態や検査・治療の進捗をひと目で確認できる体制を構築されています。
RICOH IWBによるタスクシフトで、業務連絡の手間を大幅に削減。医師や看護師が本来の専門性を発揮し、患者さんのケアに今まで以上に集中できる環境を構築されています。

2.課題と効果

課題

  • 場所が離れている内視鏡室・病棟間の
    情報共有を効率化したい
  • 患者状況の把握が困難
    (頻繁な電話連絡による状況確認)
  • 検査の進捗状況が見えない為
    出棟要請から出棟までに時間を要する
  • 電話で把握しきれない情報は
    看護師の経験則で補う

効果

  • RICOH IWBを用いて
    リアルタイムに双方向で情報連携
  • 前処置/検査状況の可視化により電話件数を削減
    患者さんに寄り添う時間を多く確保
  • 検査状況の可視化により事前準備が可能
    出棟までの時間削減
  • 経験則に頼っていた細かなやり取りが
    視覚化され、業務が平準化

3.選定のポイント

  • セキュリティレベルの高い電子カルテと同じイントラネット上で運用できる。
  • イントラネットでもインターネットでも運用でき汎用性が高い。
  • 操作がシンプルで分かりやすい。

4.導入の背景

DXを体現する病棟として、最先端のICTで理想を追求したのが、スマートホスピタル病棟です。

RICOH IWBを活用いただいているスマートホスピタル病棟について、DX戦略担当 小嶋様に伺いました。

小嶋様「NTT東日本を母体とする当院では、基本方針に『ITの医療への活用と社会への還元』と掲げるとおり、設立当初からICT活用を積極的に推進しています。ただ、現在の病院棟の竣工から約20年が経ち診療範囲も機能も当時から拡大し続ける中、小規模な工事の積み重ねではどうしても限界が出てきていました。そこで、建物全体を改めて見直し、病棟再編に向けて最初に着手したのが、これまで事務室となっていた10階A病棟を、スマートホスピタル病棟として再開させるプロジェクトです。
スマートホスピタル病棟は、従前の仕組みやシステムに捉われることなく、最先端の技術で理想を追求した全く新しい病棟となります。患者さんのため、病院で働く全ての人のため、医師、看護師、事務職による病棟再編タスクフォースメンバーが何度も議論を重ねて、消化管内科を主科とするスマートホスピタル病棟を立ち上げました。」

小嶋 祐人 様

東日本電信電話株式会社

関東病院 運営企画部 DX戦略担当
DX推進部門 DX推進担当 兼務

診療情報管理士 医療情報技師
小嶋 祐人 様

従来の病棟では、頻繁な電話が業務の負担になることも。
よりスムーズに情報共有ができる方法を探していました。

スマートホスピタル病棟の立ち上げにあたり、RICOH IWB に興味を持たれたのはなぜでしょうか。
看護師の石川様は、RICOH IWB 導入の背景をこう振り返ります。

石川様「病棟は10階にある一方、内視鏡室は1階にあり、1日に15人前後の患者さんが病棟・内視鏡室間を行き来されます。患者さんの治療リストを作り順番に内視鏡室へご案内するのですが、検査・治療の前には下剤で腸を綺麗にする前処置が必要で、前処置の状況によっては予定通り進まないことが多々あります。そのため、紙のリストを使った従来の方法では、患者さんの送迎の連絡や順番変更の度に、PHCでのやり取りが不可欠となっていました。

電話は便利なのですが、業務の手を止めて電話に出たり、電話がつながらなかったり、電話で聞いた内容を他の看護師に伝えたり……と、場合によっては情報共有にかえって手間がかかってしまいます。電話でカバーしきれず、看護師の経験則で補っていた部分もありました。」

※Personal Hospital Communication System:弱い電波を用い、医療機器などへの影響のないことが確認されている携帯電話

石川 友史 様

東日本電信電話株式会社

関東病院 看護部 看護主任
石川 友史 様

小嶋様「こうした現場の課題を聞き、口頭や看護師の経験則でやり取りしている内容を、目で見える形にしたらどうか、と考えたのがRICOH IWBに興味をもったきっかけです。
電子黒板の中でもRICOH IWBを選んだのは、インターネットだけでなく、クローズドのイントラネットに対応しているからです。病棟・内視鏡室間のように高度なセキュリティが求められる場ではイントラネットを、それ以外の場ではインターネットを、というようにシーンに合わせて選べる自由度に魅力を感じました。」

5.導入の効果

電話や経験則に頼っていた細かな連携を、RICOH IWBで見える化。
業務全体が効率化され、患者さんに寄り添う時間をより多く確保できるようになりました。

2022年10月、スマートホスピタル病棟の運用開始と同時に、RICOH IWBによる病棟・内視鏡室間の連携もスタートしました。どのように活用されているのでしょうか。

石川様「病棟と内視鏡室にRICOH IWBを置いて患者さんの治療リストを表示し、双方から情報更新をしています。病棟の看護師が患者さんの前処置状況を、赤(前処置未完了)→黄色→青(前処置完了、内視鏡室へご案内)の順に色分けして更新し、内視鏡室では、検査・治療の予定終了時刻を適宜更新。RICOH IWBに書き込んだら、右上に更新時間を書き込むオペレーションにしています。
RICOH IWBは、紙と同じ感覚で書き込めて、手書きの文字をそのまま共有できるという、シンプルさがいいですね。現場が戸惑うこともなく、すぐに業務に不可欠なツールとして浸透していきました。」

病棟のナースステーションと内視鏡室
RICOH IWB

病棟のナースステーション(写真左)と、内視鏡室(写真右)にRICOH IWBを設置し、双方から手書きで情報更新

RICOH IWBの活用により、業務はどのように変わりましたか?

石川様「これまで、口頭や看護師の経験則に頼っていた細かなやり取りまで、RICOH IWBで視覚化された結果、業務全体が効率化されています。最新の状況を“みんなで目で見て確認”できるようになったことが、看護師間の連携促進や、より正確な情報共有、さらに、業務の平準化にもつながっています。」

一番効果を感じるのは、どんなことでしょうか。

石川様「看護師として、私たちにしかできない仕事、患者さんのケアに今まで以上に集中できるようになったことが一番嬉しい効果ですね。例えば、検査・治療の終了予定時刻が、電話でやり取りしなくても画面を見ればすぐに分かるので、検査終了までに他の患者さんのケアを行うといったタイムマネジメントが容易になり、患者さんに寄り添う時間をより多く確保できるようになりました。
こうした取り組みが評価され、公益社団法人日本看護協会の『看護業務の効率化先進事例アワード2023』において、奨励賞をいただくことができました。」

RICOH IWBをきっかけに、病院全体でDXの気運が高まっています。

小嶋様は、RICOH IWB導入後、DXが進めやすくなったと感じられているそうです。

小嶋様「DXは、DXを推進する専任担当者だけでなく、現場の医師や看護師とともに推進していくものだと考えています。ただ『DX推進』と言っても何をどうすれば良いのか、皆さんにイメージしてもらいにくいことが悩みでした。今回、RICOH IWBというシンプルだけれどもインパクトは大きな好事例が生まれたことで、医師や看護師から『こんなDXもできるのでは?』といった相談を、気軽にしてもらえるようになりました。RICOH IWBが私たちDX戦略担当を始めとする関東病院DXチームの名刺代わりとなって、現場との距離がぐっと近づいたように感じています。」

他病棟でもDXの気運が高まり、新たにRICOH IWBを導入された例があるそうですね。

小嶋様「はい。患者サポートセンターの看護師から『私の部門にもぜひRICOH IWBを置いてほしい』との要望があり、早速導入しました。患者サポートセンターは、入院が決まった患者さんに入院中の生活などについてご説明する部門です。ブースが9つあり、看護師、麻酔科医、薬剤師、栄養士などが順番にご説明に伺うのですが、今どのブースで誰が説明しているのか、これまでは電話をするかブースの受付まで見に行かないと分かりませんでした。そこで、ブースの受付と看護師がいる事務所にRICOH IWBを設置。事務所からでも各ブースの使用状況が確認できるようにすることで、看護師の負担軽減とブースの効率的な運用を実現しています。」

事務所

事務所

ブース入口の受付

ブース入口の受付

今後のRICOH IWBの活用についてお聞かせください。

小嶋様「血管造影室・病棟間、透析室・病棟間、あるいは薬剤師間の連携にも活用していきたいですし、石川からは、病棟と内視鏡室をつないだ勉強会にも使えるのではないか、というアイデアをもらっています。
石川を始め、当病院の医師や看護師たちはDX推進にとても協力的で、率先して推進していく姿勢にいつも助けられています。今後も現場と協力しながらDXでタスクシフトを進め、医師や看護師が本来の専門性を最大限発揮し、より質の高い医療サービスの提供につなげていける環境を構築していけたらと思っています。」

写真左:小嶋 祐人 様 写真右:石川 友史 様

(写真左)
東日本電信電話株式会社
関東病院 運営企画部 DX戦略担当 DX推進部門 DX推進担当兼務 診療情報管理士 医療情報技師 小嶋 祐人 様

(写真右)
東日本電信電話株式会社
関東病院 看護部 看護主任 石川 友史 様

6.お客様プロフィールと導入ソリューション

お客様情報

企業情報

お客様名称

NTT東日本関東病院 様

NTT東日本関東病院 様

URL

https://www.nmct.ntt-east.co.jp

所在地

東京都品川区東五反田5丁目9番22号

事業内容

東日本電信電話株式会社の企業立病院
許可病床:594床
外来患者:1,504人/日(2022年4月~2023年3月)
入院患者:395人/日(2022年4月~2023年3月)

常勤職員数

医師:201名
研修医:24名
看護師:755名
薬剤師:41名
技師:228名
(2023年4月1日現在)

導入製品

RICOH Interactive Whiteboard

■製品構成:
RICOH Interactive Whiteboard

※本ページに掲載されている情報は、2024年1月現在のものです。

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