【担当者必見】フリーアドレスを導入する5つのメリット|導入する手順やデメリットもわかりやすく解説

【担当者必見】フリーアドレスを導入する5つのメリット|導入する手順やデメリットもわかりやすく解説

フリーアドレスは、自分の席を持たない代わりに、いくつものメリットがあります。そこで本記事では、フリーアドレスを導入するメリットとその導入方法についてわかりやすく解説します。本記事を読むことで、フリーアドレスのメリットやデメリットを理解し、自社のオフィスや従業員にとって最適な働き方を見つけることができます。

目次

フリーアドレスが注目されている4つの背景

フリーアドレスが注目されている背景について説明します。

①ICT(情報通信技術)の急速な発展

近年のIT進歩は通信の範囲拡大とコスト低減をもたらし、ノートPCやタブレット、クラウドサービスの普及を加速させました。この結果、パソコンや情報の自由な移動が可能になり、特定の場所に縛られない働き方、つまりフリーアドレスの導入が増えています。

フリーアドレス制度は、個々人が最適な環境で働け、オフィス空間も最大限活用できるというメリットを提供し、労働環境の改善と企業資源の効率的活用を実現しています。

②フリーアドレス2.0への移行

フリーアドレス2.0は、一歩進んだ新しい働き方です。座席を自由に選べるだけでなく、オフィス内に機能別のエリアを設けて、それをスタッフが自由に利用します。

深い集中が必要なときはプライベートなブース、コミュニケーションが必要な時は会議室、リラックスしたい時は休憩スペースを選ぶことが可能です。

これにより、スタッフは仕事内容に応じて最適な環境を選択し、効率的に仕事を進め、創造性や意欲も高まります。これらはフリーアドレスのメリットで、組織全体の生産性と満足度を高めます。

③ハイブリッドワークやABWの導入

ハイブリッドワークは、オフィス、自宅、移動先など、さまざまな場所で作業する新しい労働スタイルです。一方、ABW(Activity Based Working)は、作業内容や目的に応じて労働場所や時間を選ぶアプローチを指します。

これらにより、スタッフの作業効率が向上し、オフィスの無駄な利用時間が減少します。全員が同時にオフィスに出社する必要がなくなるため、フリーアドレスの導入が容易です。

さらに、効率的な業務やコミュニケーションを支援するスペースを設けることで、オフィスの価値を引き上げます。これらのアプローチは全てフリーアドレスのメリットと直接関連しています。

④国内におけるリモートワークの普及

新型コロナウイルスの感染拡大以降、日本国内でもリモートワークの実施が加速しました。感染症予防の観点、通勤時間や費用の削減、家庭とのバランスの実現など、リモートワークには多くの利点があります。

しかしながら、人とのコミュニケーション不足や孤立感という課題も存在します。これらを補うために、リモートワークとオフィス勤務の組み合わせが重要です。

リモートワークの普及は、オフィスでの働き方を変え、フリーアドレスの導入を促進する動きを支援しています。これは、最適な環境での労働、生産性や満足度の向上につながります。

これらはフリーアドレスのメリットで、従業員が最適な環境で仕事することが可能となり、生産性や満足度が向上するという点につながるのです。

フリーアドレスを導入する5つのメリット

導入することで得られる5つのメリットについて紹介します。

①スペースを有効活用できる

フリーアドレスの採用により、全員が自由に席を選択でき、これによりオフィススペースを有効に利用することが可能です。具体的には、スタッフの数やニーズに合わせて、机や椅子の配置を柔軟に調整できます。

また、会議室や個別スペースも必要な時だけ使うことが可能で、未使用の机や椅子が邪魔になることもありません。このような方法は、オフィスの規模や形状を問わず、最良のレイアウトを検討するのに役立ちます。

これはオフィス運営のコスト削減にも貢献し、フリーアドレスが従業員の満足度や生産性の向上につながる要素の一つです。

②業務の効率化を図れる

フリーアドレス制度により、スタッフは業務内容や自身の状態に合わせて最適な場所で仕事することが可能です。これにより作業効率が高まることが期待されます。

たとえば、高い集中力が求められるタスク時には静かな場所を選び、会議の際にはコミュニケーションを促進する空間を利用します。情報通信技術の発展により、データや機器の移動が容易になり、どこでも作業ができます。

この柔軟性により、各スタッフは自身の働き方を選べ、業務の流れをスムーズにし、効率性や質を向上させることが可能となります。フリーアドレスの導入は、これらのメリットを評価することが重要です。

③組織変更にも柔軟に対応できる

フリーアドレス制度は、組織の変化に対する柔軟性を提供します。従業員が固定の座席を持たないことで、部門の移動、プロジェクトのシフト、新入社員の追加や退職者の対応といった事態が発生した際も迅速に対応可能です。

固定座席に対する依存が低いため、スタッフの異動に対する抵抗感も軽減し、組織全体の適応能力が強まります。
これによりオフィススペースの使用が効率的になります。

組織の変動に対して効率的に対応し、業務を円滑に進めるために、フリーアドレスは非常に効果的な手段です。

④コミュニケーションの活性化につながる

フリーアドレス導入により、スタッフの交流の場が広がり、対話が活発化します。作業場所の選択肢が増えることで、同じチームだけでなく、他部門の人々とも接触する機会が増えるからです。

上司や部下、同僚、新入社員との意見交換の場が増える機会になります。オフィスには、コミュニケーションを促すためのスペースや設備が配置されています。

カフェ風の空間やリラクゼーションスポットで気軽に話し合いをしたり、ホワイトボードやプロジェクターで思考を共有したりすることが可能です。これらは全て、スタッフ間の対話を促し、チームの一体感を強めることにつながります。

⑤オフィスの環境美化につながる

フリーアドレスの採用は、オフィスの美化に役立ちます。固定の席がないため、私物や書類でデスクが乱雑になることは少なく、結果としてオフィスは日々、きちんと整理整頓され、掃除しやすい状態を維持できるからです。

オフィス内には様々な色彩や形状のスペースや設備が配置され、美術品の展示や植物の配置によって空間に彩りが加えられます。

ライトや音響を使用して職場の雰囲気を演出することも可能です。これらの工夫により、職場環境は魅力的になり、スタッフのモチベーションを高めます。

フリーアドレスを導入する4つのデメリット

フリーアドレスは、オフィスの働き方を変える可能性がありますが、導入するためにはメリットだけでなくデメリットも理解しておく必要があります。

①集中しづらいと感じる場合もある

フリーアドレス制度の運用は、スタッフが作業に集中しにくい状況を引き起こす可能性があります。席を自由に選べますが、オフィスの音や周囲の人々の動き、話声に敏感になってしまい、気が散る要因となり得ます。

また、自分にとって落ち着ける場所が見つからない場合、仕事に集中することが困難になるかもしれません。静かなスペースが必要なときに、個室やブースが数に限りがあるため、すぐには利用できないこともあります。

このような状態は、スタッフの仕事への集中度やワーク・ライフ・バランスに影響を及ぼす可能性があり、注意が必要です。

②導入時にコストが発生する

フリーアドレス制度の導入初期には、オフィスのリモデリングや必要な設備の購入など、ある程度の費用がかかるという事実を認識しておくことが重要です。

新しい環境を整えるためには、壁や床の改修、家具の再配置、さらにはモバイルデバイスやクラウドサービスの採用など、多くの手順が必要となります。

また、スタッフにフリーアドレスの適切な使用方法やマナーを教えるためのトレーニングプログラムの開発と実施にも時間とコストが必要です。

これら全てが、一時的にオフィス運営の効率を低下させ、コストの増加をもたらす可能性があると理解しておくことが求められます。

③マネジメントの煩雑化を招くケースもある

フリーアドレスのシステムでは、スタッフが自由に座席を選択できる一方で、管理作業の複雑性が増す可能性があります。

具体的には、誰がどこで作業しているかを一目で把握するのが難しくなり、チーム内でのコミュニケーションや情報の共有が困難になるかもしれません。また、パフォーマンスの評価も簡単ではなく、直接的な指示やフィードバックを伝えるのも困難になります。

これらの要素が合わさることで、スタッフの管理やコーディネートがスムーズに進行しなくなる可能性があります。

④荷物の管理が必要になる

フリーアドレス制度では、各員が自分の持ち物の管理を求められます。これは、個々に固定した席がないため、業務関連の物品や個人の持ち物の保管場所が必要となるからです。

パソコンや業務で必要な文書などは、常に持ち歩くか、専用のロッカーに保管することが必要です。一方、自分の飲み物や軽食、その他の私物は、毎日の業務終了時には持ち帰るか処分する必要があります。

これにより、物の紛失や盗難のリスクが高まる可能性があり、それがスタッフのストレスや不安を増大させるかもしれません。

フリーアドレスを導入する際の手順は5ステップ

導入する際の手順について、わかりやすく解説します。

ステップ①導入の可否を検討する

フリーアドレスを導入するか否か、まずは自社のオフィス環境やチームの特性を深く理解し、必要性と可能性を慎重に考えます。

フリーアドレスにはプラス面とマイナス面が存在し、その導入するには、リソースや時間、さらにはスタッフの思考パターンやオフィスの文化の変革が必要となります。

フリーアドレス導入の目的や期待される成果を明確にし、スタッフや関係者からのフィードバックや希望を集約することが重要です。

もし、自社の現状にマッチしないと判断された場合は、導入を見送る、または部分的に導入するなどの選択肢を検討することになります。

ステップ②部署別・時間帯別の在席率を調べる

フリーアドレス導入前に、現在のオフィス利用状況の詳細な分析が重要です。部門ごと、時間帯ごとの出席率や出勤パターンを調査し、オフィススペースや設備の使用度を深く探るべきです。

この情報を基に、フリーアドレスを導入する際のデスク数、配置、機能、またスペースの量や種類を戦略的に決定できます。出席率が低い部門や時間帯は、フリーアドレスへの移行が比較的スムーズに行えるでしょう。

これらのデータは、フリーアドレスへの移行を円滑に進めるための重要な手がかりとなります。

ステップ③必要な備品を用意する

フリーアドレス導入に際しては、必要な備品や機器の整備が欠かせません。移動可能なノートPCやタブレットのようなモバイルデバイスの導入、業務データのクラウド化により、場所に縛られない労働環境をつくりだします。

また、オフィス空間は多機能性を追求するべきです。集中して仕事をしたい際に利用できる静かなスペースを設けることが重要です。

ディスカッションに適した広々としたミーティングエリアも必要となります。そして、休憩やリラクゼーションに使えるソファが配置された空間等も考慮に入れます。

それぞれの目的に合わせた場所を提供することが重要です。これにより、社員それぞれが自分らしい働き方ができ、業務の効率化や満足度向上につながります。

ステップ④運用ルールを整備する

フリーアドレスを適切に運用するためには、明確なガイドラインが必須です。場所の予約方法や利用可能な時間、物品の保管法など、具体的なルールを策定し、すべてのメンバーに周知することが大切です。

また、スタッフの出席状況や連絡先、情報共有方法も明らかにし、これにより運営の負荷を軽減します。

ルールは、スタッフ間のトラブルを未然に防ぐ役割を果たします。新メンバーの加入やルールの変更があった際は、速やかに全員に通知することで、運用をスムーズにすることが可能です。
これらの準備を通じて、フリーアドレスの効果的で快適な活用を実現し、効率的な職場環境を整備します。

ステップ⑤テスト運用を実施する

フリーアドレスの導入に先立ち、テストを一部のチームや時間帯で実施します。この試験運用を通じて、新システムの機能や発生する可能性のある問題を把握するためです。

具体的には、スタッフや関係者からの反応を観察し、改善すべき箇所や存在する課題を洗い出します。その結果を基にフリーアドレス導入の最終的な調整をし、必要な修正を加えます。

ただ、ここまでで終わりではありません。さらに、改良点の修正や課題の解決に努め、再度テストします。この反復的なテストにより、全員が快適に業務を遂行できる環境を整備します。

フリーアドレスのメリットでよくある3つの質問

フリーアドレスのメリットについて、よくある質問にお答えします。

質問①フリーアドレスの導入を成功させるコツは?

以下のようなポイントが重要です。

  • 全社員がフリーアドレス制度の目的と利点を理解していること
  • 適切なオフィス設備とIT機器の整備
  • マネージメント手法とコミュニケーションスタイルを新たなオフィススタイルに適応させること
  • フリーアドレスの効果と運用状況を定期的に確認し、必要な改善をすること

これらを意識することで、フリーアドレスを効果的に活用し、スムーズに運用することが可能となります。

質問②フリーアドレスのメリットを得やすい企業の特徴は?

特徴は、以下のようなものがあげられます。

  • 営業職など、社外での仕事が主でオフィスに滞在する時間が少ない場合
  • 企画や管理職のように、頻繁に会議を開催する必要がある場合
  • ソフトウェア開発などのIT関連業界
  • プロジェクト毎にチームが構成され、進行していく組織構造
  • スタッフが席につく時間が少なく、オフィススペースが過剰な場合
  • スタッフ間のコミュニケーションや協力を重視する企業文化を持つ会社

これらの特徴を持つ会社では、新しい働き方への対応やオフィス環境の変化により、フリーアドレス制度のメリットを最大限に活用することが可能です。

質問③フリーアドレスの課題を解決する方法は?

課題を解決する方法としては、以下のようなものがあります。

  • 上司が従業員の動きを把握するのが難しい場合
    座席管理システムや社内のネットワークを活用し、誰がどこにいるか、何をしているかをわかりやすくします。
  • 新しいことを始めるのが嫌な人への対策
    上司が先頭に立ってフリーアドレスを使うようにしたり、始める前や始めた後に教える時間を設けることで、従業員が慣れるように手助けをします。
  • 所属感がなくなってしまう人への対策
    部署やチームごとにまとまる方法を取り入れ、みんなで一緒に働きつつ、他の人とも交流できるようにします。
  • セキュリティの問題
    紙の書類をなくす動きを進めたり、個人の荷物をしまうロッカーや移動できるオフィスカートを用意することで、情報を守ります。

これらの取り組みを通じて、新しい働き方に適応し、課題を解決することが重要です。

まとめ

フリーアドレスはスタッフ間のコミュニケーション活性化、業績向上、オフィス空間の有効活用、そして美しい環境の保持といった多くの利点を提供します。しかし、一方でこの制度にはマネージメントの難易度が上昇するという課題も存在します。

また、新しい制度への抵抗や所属意識の喪失といった問題も起こり得ます。さらに、セキュリティ上のリスクが増大する可能性も無視できません。

そのため、この制度を導入するかどうかを決める際には、各企業の具体的なオフィス環境や従業員のニーズに合った形を選ぶことが大切です。

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