複合機とプリンターに関わる組込みソフトウェアの設計・開発が主な業務としており、神奈川と大阪の2拠点に開発メンバーが在席。
複合機・プリンターの制御を司るソフトウェアの設計・開発業務の効率化と品質向上を同時に進め、リコーのモノづくりを支えている。
株式会社リコーの研究開発拠点であるテクノロジーセンター(神奈川)と池田事業所(大阪)では、多岐にわたる組込みソフトウェアのプラットフォームの統合化を、自社の遠隔コミュニケーションツールであるテレビ会議・Web会議システム(RICOH UCS)と電子黒板(IWB)を活用することによって行っています。
遠く離れた拠点間をつないで効率的な設計開発を実現する最前線の取り組みをご紹介します。
神奈川のリコー テクノロジーセンターと、大阪のリコー池田事業所では従来、組込みソフトウェアの設計開発を個別に行っていました。 時代の流れから、同じプロジェクトチームとして統合されましたが、横浜、大阪の2拠点が一丸となって開発を進めるには、コミュニケーションの課題がありました。
神奈川のリコー テクノロジーセンターと、大阪のリコー池田事業所。従来は個別に行っていた組込みソフトウェアの設計開発に、現在は同じプロジェクトチームとして取り組んでいます。発端は、大きく変わりつつある時代の流れにあったと、画像エンジンソフトウェア開発担当者の野上は語ります。
「モノづくりは今、ハードウェアもソフトウェアもプラットフォームの統合化が進んでいます。同じような製品を作るのであれば別々に作るより、共通する部分は一緒に開発する方が時間的にもコストの面でも効率が良いですし、人材も少なくて済みます。さらに、さまざまな製品がインターネットを介してネットワークされるIoTの急成長に伴って、開発サイクルがますます早まっています。製品のローンチタイミングを確実に守るためにも、プラットフォームの統合による開発の効率化は不可欠といえます。」
株式会社リコー
テクノロジーセンター
画像エンジンソフトウェア
開発担当者
野上高
野上の設計チームではプリンター複合機の組込みソフトウェア開発を行っていますが、神奈川と大阪、2つの拠点が一丸となって開発を進める上で課題があったといいます。
「離れていると、メールや電話だけではコミュニケーションロスが生じてしまいます。遠隔だから効率が落ちたり、正確性が損なわれたりするようでは、一緒にやる意味がありませんから、コミュニケーションロスを減らす方法が必要でした。遠隔地にいても、同じテーブルを囲んで検討しているような環境を実現できるツールが、RICOH UCSであり、IWBであったわけです。分野や領域を問わず、これからのプラットフォーム統合化において、遠隔コミュニケーションツールが極めて重要だと考えています」
週12時間を超える頻度で、神奈川-大阪間の設計会議が行われています。
神奈川のテクノロジーセンターと大阪の池田事業所のミーティングブースにスタッフが集まり、設計会議は行われます。RICOH UCSと接続したIWBには開発中の組込みソフトウェアのフローチャートが映し出され、サブ画面は双方の参加メンバーの表情を捉えます。白熱した議論も明瞭な音声によって交わされます。「RICOH UCSとIWBを使えば、必要な時にすぐ設計会議ができる!」と、池田事業所の老田はそのメリットを強調します。
「従来のテレビ会議はシステムが設置してある会議室に限られていましたが、RICOH UCSはどこへでも持ち運べて、遠隔コミュニケーションを手軽に行えます。例えば設計の仕様変更が来た時でも即座にミーティングができ、開発効率を落とすことがありません。さらにIWBの活用によって全員で視覚的に情報共有でき、論点が明確になりました。メールや電話だけのやり取りでは情報が正確に伝わらず、質問が増えて、コミュニケーションに工数を要していましたが、RICOH UCSとIWBの活用により、時間と質の劇的な効率化が図れました。」
株式会社リコー
池田事業所
画像エンジンソフトウェア
開発担当者
老田隆
また、電話のような1対1の議論ではなく、多対多のディスカッションを可能にするビジュアルコミュニケーションが、開発のスピードアップにもつながっていると老田が続けます。
「IWBを使えば検討中の内容も視覚的に共有できますから、ある程度ラフな状態で持ち込んで議論ができます。その場で書き込んだり、描くことによって思考のプロセスまで共有して、アイデア交換しながら一気に結論まで持っていけます。相手にいったん預けたり、回覧したりというムダがないのです。」
画像エンジンソフトウェア開発チームでは、平均で週12時間行っている遠隔ミーティングを、最終的には常時つなぎっぱなしにして、遠隔コミュニケーションが当たり前の環境にしたいと考えています。
コラボレーションを支援するコミュニケーションツールとは
設計資料をIWBで視覚的に共有しながらディスカッション。その場で書き込んで、思考のプロセスまで共有。
2拠点をつなぐ統合開発体制の確立を通して、設計の現場では有効な人材活用と人材育成も行われていると野上が説明します。 「ひとつの拠点の限られたメンバーだけで問題を解決しようとすると、どうしても時間がかかってしまいます。RICOH UCSとIWBによって遠隔であることをデメリットとしない環境が整ってきましたから、すぐに動ける人材を常にチェックしながら有効に活用したいと考えています。効率良くみんなで情報共有しながら知見を他の拠点にも広げていき、全体的にスキルアップできれば、生産性をさらに高めることができます」
実際に、モジュールごとに割り当てられた設計担当者は、神奈川のテクノロジーセンターのエンジニアから池田事業所のエンジニアに引き継がれたり、その逆であったりと、フレキシブルに対応。頻繁なビジュアルコミュニケーションによる質の高い情報共有があるからこそ実現できる人材活用と人材育成といえます。そして、スキルトランスファーをより広げ、さらなる効率化と生産性の向上を野上は見すえています。
「この統合開発体制の成功を2拠点に留めることなく、他部門へ、グループ会社へと拠点展開していきたいと考えています。それは国内に限りません。技術が安定してきた分野であれば、中国などの拠点でも既に開発できるようになってきています。他拠点とのコラボレーションは、私たちのマンパワーが不足しているところを補ってくれますし、その分、新しい領域に最適な人材を投入することも可能になります。拠点数が増えても安定稼働する体制を築くことが、統合開発体制のもうひとつのポイントです。そのためには、テクノロジーセンターと池田事業所で実績を積んだ今回のメンバー一人ひとりが、遠隔コミュニケーションによる設計開発の良き手本となって展開していけることを目指しています」 リコーは、時代のニーズに応えるビジュアルコミュニケーションで、新たな価値を創造し続けます。
複合機とプリンターに関わる組込みソフトウェアの設計・開発が主な業務としており、神奈川と大阪の2拠点に開発メンバーが在席。
複合機・プリンターの制御を司るソフトウェアの設計・開発業務の効率化と品質向上を同時に進め、リコーのモノづくりを支えている。
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