2023.01.05
株式会社日立製作所 大みか事業所様は、制御に特化した工場として、鉄道、電力、上下水道など社会インフラを支える情報制御システムを設計開発から製造、運用保守までワンストップで提供されています。2020年には、世界経済フォーラムが認定する世界の先進工場「Lighthouse」に、日本企業として初めて選出。世界中から高い関心が寄せられる中、インフラ以外の業界や制御システムに馴染みのない企業にも、大みか事業所の全体像を分かりやすくご案内するため、新ショールーム「PATIO GALLERY」をオープンされました。
プロジェクションマッピングや映像、アニメーションを用いたインタラクティブなコンテンツで、大みか事業所を様々な切り口で紹介。お客様企業に最先端のものづくりや製造DXを楽しみながら体感いただき協創につなげていくのはもちろん、お客様の工場見学や社員の知識を深める場としても活用されています。
【導入前の課題】
世界の先進工場「Lighthouse」選出を受け、インフラ業界以外にも積極的に情報発信をしていきたい。
来場者が楽しめるショールームを新設したい。
オープンで気軽に立ち寄りやすい空間にしたい。
【導入後の効果】
大みか事業所や情報制御システムについて、誰にでも分かりやすくご案内できるようになった。
インタラクティブなコンテンツにより、来場者の興味・共感を引き出せるようになった。
自由に触って体験できるショールームが完成した。
バリエーション豊かな演出アイディア。
企画から内装工事、映像コンテンツの制作までワンストップで対応可能。
充実したアフターサポート。
日立製作所 大みか事業所様は、情報制御システムに特化した事業所として1969年に設立されました。情報制御システムは、鉄道、電力、上下水道といった社会インフラを24時間365日、安定供給・安定稼働していく上で不可欠なシステムです。大みか事業所様は情報制御システムの設計開発から製造、運用保守まで一貫して行われており、2020年には、世界経済フォーラム (以下、WEF)より、世界の先進工場「Lighthouse」に日本企業として初めて選出されました。
経営戦略本部 技術部 主任 石田春菜様に、WEFにも認められた大みか事業所の強みや特長を伺いました。
「情報制御システムは、個別のニーズに合わせて詳細なカスタマイズが必要です。また、システムの入れ替えは非常にライフサイクルの長い製品でもあります。ともすれば非効率、高コストになってしまうところ、大みか事業所では、IoT技術を活用したDXにより多品種少量生産ながら高効率、高品質な製造を実現しており、こうした取り組みがWEFに評価され、『Lighthouse』 選出となりました。」
この「Lighthouse」選出が、よりオープンに情報発信をしていく契機になったと、石田様はお話しを続けます。
「これまでは、社会インフラ関連の企業様とのお取引が中心だったので、大みか事業所についても制御についても、ある程度ご存じであるという前提のもと、具体的なソリューションについてご説明をしていました。ただ今後、製造業のLighthouse(灯台)、ロールモデルとしてより幅広い業種の企業様に情報発信をしていくとなると、今までと同じというわけにはいきません。私たちがどんな事業所であるかということから、より分かりやすく説明する必要がありますし、興味を持ってもらうには楽しめる要素も不可欠です。
『Lighthouse』が大きなきっかけではありますが、その前から、製造業や金融など様々な企業様からお声掛けいただく機会が増えており、いつかはショールームを刷新したいとずっと思っておりました。ですから、ぜひこの機会に理想のショールームを実現したい、という気持ちは強かったですね。」
相談を受けたリコーは、「湧き上がる知的好奇心」をコンセプトに新ショールームを企画。インタラクティブな仕掛けを随所に盛り込み、共感・興味を引き出し期待や信頼へとつなげていく演出をご提案しました。
株式会社日立製作所
制御プラットフォーム統括本部 大みか事業所 経営戦略本部 技術部 主任
石田 春菜 様
経営戦略本部 技術部 松永裕幸様はリコーのプレゼンテーションをこう振り返ります。
「とにかく『楽しさ』を演出する引き出しがたくさんあって、プレゼンを聞いている時間も楽しかったですね。私たちだけではとても思いつかない発想ばかりでした。
実際にプロジェクトを進行するにあたっては、企画や内装工事はもちろん、配信する映像などのコンテンツ制作まで、リコーさんにワンストップで対応いただけて大変助かりました。」
株式会社日立製作所
制御プラットフォーム統括本部 大みか事業所 経営戦略本部
松永 裕幸 様
2022年7月、新ショールーム「PATIO GALLERY」が完成。大みか事業所の概要や技術力、ものづくりの強み、歴史などを5つのコーナーから紹介しています。
本棚に並ぶ様々なタイトルを付した本型のツールを手に取り、中央の台にセットすると映像がスタート。
関連コンテンツにアクセスできるQRコード記載のカードは、自由に持ち帰ることができる。
実は身近な情報制御システム。社会のどんなところで活躍しているのか、知りたい分野をタッチして映像を再生。
内部が見られるスケルトンの制御盤を展示。マルチディスプレイでは、環境への配慮や高い信頼性を実現するための技術を紹介。
モニターをスライドさせながら、大みか事業所の歴史を映像でたどる。
大みか事業所のものづくりの工程をプロジェクションマッピングで紹介。気になる工程に手をかざすと、アニメーションが動き出し解説。
PATIO GALLERYを紹介するリーフレットもリコーで制作。フェアトレード紙「バナナペーパー」を使用。
松永様に、特にポイントとなっているコンテンツについて伺いました。
「本棚から本を手に取るような感覚で興味のあるタイトルを付した本型のツールを選び、台にセットすると映像が再生されるコーナーです。関連コンテンツにアクセスできるQRコード記載のカードを設置し、自由に持ち帰れるようにしたのがポイントです。名刺サイズのカードなので、ちょっとしたお土産のような感覚で、関連資料や映像を気軽にお持ち帰りいただけるようにしています。
ハイブリッドワークが定着した今、紙のパンフレットよりもQRコードの方が社内でも共有いただきやすいと思います。会社に戻られてから繰り返し再生したり、拡散したり、その場限りではない次のアクションにつながる仕組みを設けることができました。」
右側の本棚には「ロボット活用で工場ラインを自動化」、「環境経営を実現したい」など様々なタイトルを付した本型のツールが並ぶ。
本型のツールを台にセットすると、映像が再生される。
来場される方の反応はいかがでしょうか。
「見て、触って、驚かれる方が多いですね。壁を取り払ったオープンな空間なので、気軽に立ち寄っていただいています。
制御盤にあまり馴染のない業界のお客様が来社された場合も、まず『PATIO GALLERY』にお連れすることで、私たちの全体像をインタラクティブなコンテンツで体感いただけるようになりました。『PATIO GALLERY』を起点に業界を超えた協創へつなげていけたらと思っています。
長くお付き合いのあるインフラ業界の企業様にも、積極的に『PATIO GALLERY』をご案内するようにしています。『PATIO GALLERY』はお客様の業界以外のソリューションも、手軽に見てもらえるのが良いですね。鉄道のソリューションが水道に応用できたり、水道でこれができるなら電力でもできるのではないかなど、大みか事業所のケイパビリティを再発見いただく機会となっています。」
お客様企業以外にも「PATIO GALLERY」をご案内する機会があるそうですね。
「はい。小中学生が工場見学に来た際にも『PATIO GALLERY』を使って事業所を紹介しており、とても好評です。
社員からの注目も高く、ここへ来て改めて大みか事業所の強みが分かったという声も聞きます。部門が違うと扱っているソリューションは全く異なり、普段触れることはあまりないですから、『PATIO GALLERY』は、社員の知識を深める上でも役立っています。」
「PATIO GALLERY」はオープンしましたが、これで終わりではなく、進化し続けると石田様はおっしゃいます。今後はどのような展開を考えられているのでしょうか。
「今回、リコーさんの力をお借りして、楽しさの詰まった念願のショールームを完成させることができました。でも、これで終わりというわけではありません。
オープン後、事業所内外から、自分たちのソリューションも展示できないかとの要望を多く受けています。せっかくなら大みか事業所だけでなく、日立グループとして培った様々な強みも発信していきたいですし、社会の潮流や関心事は常に動いていきますので、季節ごとにテーマを決めて特集するのも良さそうですね。さらに次のステップとしては、よりグローバルな展開に向けて多言語コンテンツを展開予定です。
コンテンツ面でも運用面でも、まだまだ面白いことができそうだと感じています。引き続きリコーさんに相談しながら、『PATIO GALLERY』を最大限活用していきたいと思っています。」
企業情報
お客様名称
株式会社
日立製作所 大みか事業所
社会インフラを支える情報制御システムの設計開発から製造、運用保守まで一貫して行う。IoT活用やDX技術により多品種少量生産ながら高効率、高品質な製造を実現。このノウハウを日立製作所のIoTプラットフォーム「Lumada」の実践工場として、お客様企業との協創にも活用している。こうした取り組みが世界経済フォーラムに評価され、2020年には日本企業として初めて「Lighthouse」 に選出された。
会社名
導入サービス・製品
リーフレット制作サービス
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