トップメッセージ

デジタル技術を活用した新しい価値の創造により、
お客様の事業成長と地域・社会の発展に貢献する
サービスインテグレーターを目指します

リコージャパン株式会社 代表取締役 社長執行役員 CEO 笠井 徹

私たちを取り巻く環境変化・認識

少子高齢化に伴う労働人口の不足の顕在化、賃金と物価の上昇、自然災害の増加など、企業の経営環境は変化を続けています。企業はデジタル技術を活用して労働の生産性を高め、持続可能な経営環境を構築していくという、大きな転換点を迎えています。政府はデジタル田園都市国家構想に代表されるように、DXやGX(グリーントランスフォーメーション)を成長戦略の軸に据えており、官民一体となったデジタル化が進められています。お客様、地域、社会の課題はこれまで以上に多様化および複雑化しており、リコージャパンとしては、お客様へのお役立ちの領域を拡大していく局面です。デジタル技術の創造的な活用を加速させ、生産性向上や脱炭素化に寄与するソリューションを提供し、持続可能な社会づくりに貢献していくことが求められていると認識しています。

2023年度の成果と課題

2023年度の売上高と営業利益は、前年度に引き続き伸長しました。法改正対応やセキュリティリスク対策、脱炭素化への対応などお客様の要望が高まっていたソリューションを強化、あわせて業種、業務およびデジタルサービスに関する社員の知識習得を全社的に推進し、お客様の課題に深く寄り添った提案ができる人財の育成に取り組みました。業種や業務の課題に沿ったソリューションに、センター&オンサイトによるサポート&サービスを最適に組み合わせた「スクラムシリーズ」は約15.4万事業所に広がりました。中小企業向けの「スクラムパッケージ」によるお客様の生産性向上への貢献を労働時間に換算すると、今年度だけで5,672万時間。これは約3.1万人注1の人材を生み出したことになります。また、ハイブリッドワーク環境の構築に取り組まれているお客様に向けては、ハードウェアやソフトウェアの導入・運用・保守・管理をワンストップでご提供してまいりました。社内実践としてDXによる業務プロセスの最適化を進めたノウハウをお客様に共有できたことも大きな成果です。こうした取り組みにより、今年度のICT事業の売上高は2017年度比で1.5倍、売上構成比で12%増となりました。デジタルサービスの会社としての成果が根雪のように積み重なり、大きな力になってきていることを実感できた素晴らしい一年であったと思います。

  • 注1)
    1人あたりの年間の労働時間=8時間/日×稼働230日として換算

売上構成比

前述の内容を表した図

お客様の潜在的な課題を捉える

リコージャパンは、「社員がいきいきと誇りを持って働き、お客様から感謝される顧客価値創造企業」を目指しています。顧客価値創造とは、お客様のことをしっかりと理解し、お客様自身も気付いていない潜在的な課題まで捉えて、最適なソリューションを提案していくことを意味しています。その実現に向け、「スクラムシリーズ」に代表される業種課題および業務課題に沿ったソリューションのラインナップを拡充していますが、そこにリコーが開発しているLLM(大規模言語モデル)をはじめとするAI技術をいかに組み込んでいくかも重要になります。社内での実践を経て、お客様のワークフローの中に、AIが自然と活用されている事業環境を構築していく。そうしたことが私たちの使命だと考えています。また、SDGsとESGの観点も非常に重要です。若年層においては働く上での動機の一つにもなっており、企業の関心も非常に高まっています。その一方で、多くの中小企業のお客様が、取り組みの必要性は認識しているものの、「何から手を付けてよいか」「どのように進めればよいか」といった悩みを抱えているのが現状です。リコージャパンでは、SDGsとESGについて熟知した、約730名の「SDGsキーパーソン」が、社内外に取り組みを拡大する役割を担っています。今後もさらなる育成を進め、お客様の課題にしっかりと寄り添った支援ができる体制を整備し、事業とSDGs/ESGの同軸化を進めていきます。

リコージャパンの人的資本と強み

リコーグループは、使命と目指す姿として「“はたらく”に歓びを」を掲げています。この実現のためには、まず、リコージャパンの社員一人ひとりが専門性とスキルを高めていく必要があります。デジタルサービスを真に価値あるものとしてお客様にお届けするために、2023年度からは「プロフェッショナル認定制度」を人事制度と一体化してスタートさせました。また、専門性やスキルの向上だけでなく、ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)の推進やキャリア支援、健康経営の実践など、さまざまな視点で人的資本への積極的な投資を進め、社員の力を最大限に引き出していくことが経営トップの責任だと認識しています。加えて、リコージャパンならではの地域に密着した事業展開も非常に重要です。現在、リコージャパンには約18,000名の従業員がいますが、各地域の支社の従業員数は80から800名程度と、中小企業や中堅企業の規模となります。「地元で働きたい」という人財の採用を進めていることもあり、それぞれの支社が自律的に、地域に根ざしてお客様への貢献に取り組んでいます。各地域・社会の課題に寄り添い解決する人財と、その力を全社で束ねて最大化する総合力を、リコージャパンの強みとしてさらに活かしていきたいと考えています。

地域・社会の課題解決を見据えて

地域・社会課題の解決に向けた価値提供領域の拡大に向け、注力を続けているのがパブリックサービス事業です。2023年度には環境、医療・ヘルスケア、教育といった課題を、自治体や地域社会とともに解決する「パブリックサービス本部」を立ち上げ、新たなサービスの提供を進めています。中でも、特に関心が高まっているのが脱炭素の領域です。各自治体や企業が金融機関や大学と連携し、カーボンニュートラルなまち、地域づくりを進めています。1970年代には環境推進室を設立し、長きにわたり環境経営に取り組んできたリコーグループが積極的に貢献できる分野です。2024年度も取り組みを強化し、GXに貢献する事業に育てていきたいと考えています。今、リコーグループ全体で、複合機などのモノをお客様にお届けするというビジネスモデルから、よりお客様に近いところで価値を生み出すビジネスモデルへと改革を進めています。今後は、私たちリコージャパンも、各地域・社会の課題を解決する事業を自ら生み出していくような動きを強めていかなければならないと感じています。

SDGs/ESGの同軸化にスピード感を持って取り組む

日本全国のお客様をはじめとするステークホルダーに支えられているリコージャパンにとって、事業を通じて社会課題の解決に貢献し続けることは大きな役割であり、存在意義です。リコージャパン、そして個々の社員の成長が、お客様の課題解決と事業成長に寄与し、それがやがて地域の経済成長や日本の国際競争力の向上、社会課題の解決へと広がっていく。そういった好循環を回していくことが、私たちリコージャパンの目指す「社員がいきいきと誇りを持って働き、お客様から感謝される顧客価値創造企業」の実現にもつながっていきます。
SDGsについては、2030年の達成期限まで残りわずか5年余りしかありません。これからは、取り組みのスピードをいかに上げていくかということがより一層重要になってきます。パートナーを含む多様なステークホルダーと協働し、持続可能な社会づくりに貢献する価値共創を、今後さらに加速させていきます。

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