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リコー 教えて電子帳簿保存法
コラム 18

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自社のスタイルに合ったソリューションを選ぶ

電子帳簿保存法対応の現場をレポート!

電子帳簿保存法の現場をレポートするコラム

今回は、とある企業さんの取り組みを通して、多種多様な電子帳簿保存法対応のシステムやソリューションをどう選び、どう導入すればよいかに気づかされた話をします。

とある情報サービス会社。

取引先からは月に数百件の請求書が送られてきます。一部はPDFですが、大半は紙。社内で唯一の担当者は内容をチェックして、手で入力していたので、処理が集中する月末・月初には残業が常態化していました。

そこへきて電子帳簿保存法への対応を迫られます。

人を増やす? いや、間接業務にこれ以上、人はかけられない。それに大変なのは月の一部の期間のみ。

システムを導入する? しかし、選択肢が多すぎて、何を入れればいいのか判断できない。いっそ経理や文書管理システムを全部入れ替える? それはコストがかかりすぎる。

画像:自社のスタイルに合ったソリューションを選ぶ

部長は考えます。

「電子帳簿保存法対応の本質は、税務監査を受ける際に、適切に対応ができること。つまり、監査の際に要求された書類をすぐに検索して取り出せればいい。

もちろん、全社で統合化された管理システムを使うことは理想ではあるが、実際、月にしてみれば数百件程度だし、そんな大げさなシステムを入れる必要はない」。

「それよりも重要なのが、月の一時期とはいえ、一担当者に業務が集中し負担が重いこと、そして手作業によるミスが起こりうることだ。電子帳簿保存法対応も大事だが、ここをしっかり効率化しつつ精度を上げることが重要ではないか。そしてほかにも効率化できる経理業務はあるはずだ」。

そこで、まずは徹底的に現状の経理業務を棚卸し、非効率だったり、時代の変化に伴って不要となっていた業務などを洗い出していったそうです。そして、見直せる業務フローは見直し、その上で、人手がかかる業務に絞り、ソリューションをあてはめていきました。

業務を洗い出したうえでのソリューション選定だったので、必要な要件も明確になっており、選定で悩むことはなかったといいます。

その結果、課題となっていた請求書処理に関してはOCRによる請求書のデータ化ソリューションと電子保存ソリューションを組み合わせることで、電子帳簿保存法対応による業務負荷を増やすどころか、月末・月初の残業時間も解消し、大幅な業務効率化を実現。

また、自社発行の請求書類の電子化・電子保存、契約書類などの電子保存化もそれぞれ最適なソリューションを導入することで、電子帳簿保存法への対応を着実に進めています。

部長は言います「システム化、ソリューション導入というと、どうしてもシステム選定に目が行きがちですが、システム・ソリューションはあくまで手段です。まずは業務分析を行い、課題を明確にしたうえで、その課題をどうやって解決するのか、この時点で初めてシステム選定を始めるべきだと考えます。そうすれば、システム選びで迷うことはまずなくなりますし、ベンダーやパートナーのいいようにはされなくなるのではないでしょうか」と。

目的と手段の取り違え。確かに陥りがちな話です。

課題の本質を見極め、そこに適材適所のソリューションをあてはめる。電子帳簿保存法対応に限らず、DX(デジタルトランスフォーメーション)を進める大きなヒントではないでしょうか。

※本内容はお客様との会話をヒントにしたフィクションです。
※本文に掲載されている情報は、2023年5月現在のものです。

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国税庁の電子帳簿保存制度特設サイトもご活用ください
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