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リコー 教えて電子帳簿保存法
コラム 10

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コラム

改正電子帳簿保存法とDX〈後編〉
コロナ禍、そして改正電子帳簿保存法は大きなチャンス

電子帳簿保存法対応の現場をレポート!

今回は、とある経営者からお聞きした、バックオフィス業務のDXと、改正電子帳簿保存法対応への向き合い方のヒントの後編。改正電子帳簿保存法、インボイス制度とどう向き合っていけばいいかを伺いました。<前編はこちら>

バックオフィス業務では、やり方を変えることで混乱を招くと反発する人も多いのでは、という問いに、「そうも言っていられない」という社長。その真意とは。
「実はすでに私たちは『そうも言っていられない』経験をしています。それがコロナ禍です」
「今まで紙で来ていた請求書が、メール添付されたPDFで来るようになったという経験をされた企業さんも多いですよね。まさにコロナ禍でやり方を変えざるを得なかったからですが、これは大きな変化ではありませんか?」

確かに。ペーパーレス化が言われて、もう何十年も経っているのに、請求書ですらなかなか電子化されていなかったのが、コロナ禍で請求書PDFがやり取りされることが普通になりつつある…。

画像:現場をレポート

「これ、大変なことですよ。改正電子帳簿保存法に従えば、この請求書PDFは電子データとされ、法律の要件に従って保存しなくてはいけない」
そう、紙の請求書は紙で保存しておけばよかったのが、改正電子帳簿保存法により、電子データで受け取った請求書や見積書などはすべて要件に従って電子データのまま保存しなければならない。
「電子データ保存はとりあえず2023年いっぱいは宥恕(ゆうじょ)、つまり従来通り、印刷して紙で保存することが大目に見られていますが、2024年の1月からは税務書類とは認められなくなる。つまり申告に使えなくなるわけです」
「まだ時間あるなぁと考えている人も多いかもしれませんが、あと1年ちょっと。その前の2023年10月にはインボイス制度も始まります。どう考えてもバックオフィス、特に経理の仕事は増えますよね?」

おっしゃるとおりです。「今まで通り」というわけにはいかないです。
「もはや『変わらざるを得ない』状況に我々はいるのです。インボイス制度も消費税の取り扱いの厳格化ですから、業務としては面倒になっていくわけです。取り扱いが楽になる電子インボイスの導入も進んでいくでしょう。もはや請求書はPDFですらなく、データで来る時代がそこまで来ているのです」
「システム使うのならデータでやり取りしたほうが楽で正確ですしね。AI-OCRが強力と言っても100%の精度ではないわけですから。」

確かに、今まで通りというわけにはいかないですね。
「改正電子帳簿保存法やインボイス制度への対応は大変、という経営者やバックオフィスの担当者の方は多いと思いますが、逆にチャンスだと私は思っています。今まで変えにくかったバックオフィス業務を変えることができるわけですから。前向きに捉えることが大切かな、と個人的には思います」
なるほど、ポジティブにとらえれば、コロナ禍も改正電子帳簿保存法もインボイス制度も、バックオフィス業務のDXを推進し、そのあり方を大きく変える原動力になりうるというわけですね。

いかがでしょうか。この社長のように、これを「いいチャンス」と考えてDXを推進し、「生産性が高く、かつ正確性も高い」という「筋肉質」のバックオフィス体制を作ることができれば、本業の事業の躍進にも大きく役立てることができるのではないでしょうか。

※本内容はお客様との会話をヒントにしたフィクションです。
※本文に掲載されている情報は、2022年11月現在のものです。

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国税庁の電子帳簿保存制度特設サイトもご活用ください
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