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リコー 教えて電子帳簿保存法
コラム 09

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コラム

改正電子帳簿保存法とDX<前編>
お金を生み出さないからこそ、DXで効率化を

電子帳簿保存法対応の現場をレポート!

今回は、とある経営者からお聞きした、バックオフィス業務のDXと、改正電子帳簿保存法対応への向き合い方のヒントについて紹介します。今回は前編。バックオフィス業務こそ、DXを進めるべき、というお話です。<後編はこちら>

とあるベンチャー企業の社長いわく、「バックオフィス部門こそが、積極的にDXを進めるべき」と語ります。
ベンチャー企業なら本業こそDXを推進するべきでは、と思い、その理由を伺ってみると。「バックオフィス部門は直接利益を生み出すことはできないからこそ、業務を効率化して、より生産性を高める必要があります」
「特に私たちのようなベンチャー企業では、事業が拡大していくにつれ、バックオフィスの業務も右肩上がりで増えますが、それと比例して人員を増やす、という決断は経営者としてはし難いわけです」
確かに、仕事が増えたからといって単純に人を増やしていては、経営はおぼつかないでしょう。
とくに収益基盤が確立できていないベンチャー企業では、一人何役もやらなければ会社は回っていきませんし。

画像:現場をレポート

「その一方で、バックオフィス業務、特に経理などはミスができない仕事でもあります。請求や支払いを間違う会社はどこからも信用されませんからね。しかし、正確性を求めると、業務効率は下がりがちです。見直しやダブルチェックなどは、時間や人をかける必要がありますからね」
業務効率を上げながら、業務の正確性も確保する。二律背反。難しい課題です。
「だからDXなんです。今までとは考え方、やり方を変える。そのためにデジタル、ITをうまく使う必要があるのです」

さすが経営者です。自分の浅はかな考えに少し恥じ入りました。しかし、いきなりバックオフィスでDXと言われてもピンと来ない人も多いのでは、という疑問をぶつけてみると、社長はこう答えてくれました。
「まずは、『その仕事、人がやったほうがいいのかどうか』、という観点で業務を見てみてはいかがでしょう?」
「例えば、受け取った請求書の金額をExcelに手で入力するということをやっている企業は多いと思いますが、『人が入力する』、という行為は一番ミスが発生しやすいところです。そのためにダブルチェックをしているという企業も多いのでは?」
指摘されて初めて気づいた。
人の行為に対してミスがないかというところに時間が取られている…。
「であれば、手入力をやめることを考えるのです。幸い、昔と違って紙の請求書でも手書きのものはまずありませんから、OCRで読んでもほぼ正確に認識してくれます。最近はAIで項目なども自動で識別してちゃんとデータにしてくれます。その認識結果を人間がチェックするようにすれば、それだけで格段に時間短縮と正確性の両方が改善されそうではありませんか?」

確かにおっしゃるとおりです。
「これはほんの手始めの話ですが、色々業務を見直してみて、『人がやるべきこと』と『ITに任せたほうがいいこと』をちゃんと見極めることがDXの第一歩だと思うんです。」なるほど。でも、やり方を変えることで混乱を招くと懸念する人も少なくないですよね?

「間違えないようにするには、『今まで通り』が美徳とされている部分もありますからね。でも、そうも言ってられないですよ…」

~後編に続く~

※本内容はお客様との会話をヒントにしたフィクションです。
※本文に掲載されている情報は、2022年11月現在のものです。

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国税庁の電子帳簿保存制度特設サイトもご活用ください
<国税庁 特設サイトへリンク>