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仕訳伝票は勘定科目や金額などの取引内容の全てを記載する伝票です。しかし「仕組みがわからない」「請求書との違いがわからない」といった疑問を持つ方も多いでしょう。
本記事では、仕訳伝票の概要や伝票制の仕組みを解説します。また作成方法もあわせてみていきましょう。
業務内で生じる金銭のやりとりは、仕訳のルールに従ってすべてを帳簿に記載しなければなりません。それらの勘定科目や金額などの取引内容を記載する伝票を「仕訳伝票」と呼びます。
伝票にはいくつかの種類が存在するため「複雑でわかりにくい」というイメージを持つ方も多いでしょう。ここでは仕訳伝票の概要を理解するために仕訳伝票の仕組みと請求書との違いについて紹介します。
仕訳伝票はすべての伝票の基本となるものであり「振替伝票」ともいいます。この際、間違えやすいのが「仕訳帳」です。
仕訳帳は日付順にすべての取引を記録する帳簿を指します。一方、仕訳伝票は個々の取引単位で仕訳を記入した後に総勘定元帳へ転記します。仕訳伝票の記載例は、次のとおりです。
令和3年1月1日
借方 | 金額 | 摘要 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|---|
現金 | 10,000 | 現金引き出し | 普通預金 | 10,000 |
10,000 | 合計 | 10,000 |
一般的には「取引日」「取引内容を示す摘要欄」「借方の勘定科目と金額」「貸方の勘定科目と金額」の4項目に関する記入欄があります。勘定科目は、貸借対照表と損益計算書に準じて記入するのが基本です。
仕訳伝票の役割を理解するうえで、伝票と請求書の違いについて理解する必要があります。
両者の大きな違いは、発行する「タイミング」です。いずれも、取引内容や金額などを記録する点に変わりはありません。
伝票は入金や出金が発生した時に発行するものです。取引先からの入金や口座からの出金などが実施され、資産に増減が生じた際に起票します。会計上の取引が「いつ」「どのような取引が行われたのか」を誰でもわかるように整理した書類なのです。
一方で、 請求書は商品やサービスなどの納品後に発行する書類です。請求書は料金や代金の請求など、金銭のやり取りをすることが確定した時点で発行します。つまり請求書を発行した時点では必ずしも金銭のやりとりは発生しません。
伝票は種類によって役割や必要な項目が変わるため、扱いに慣れるまでは戸惑う方も多いかもしれません。仕訳伝票(振替伝票)以外の主な伝票の種類は次の4つです。
●入金伝票
●出金伝票
●仕入伝票
●売上伝票
それぞれの伝票は、扱う取引の種類によって使い分けられています。ここでは各伝票の役割や特徴などについて詳しく解説します。
入金伝票とは、商品やサービスなどの提供や売掛金の回収によって会社に現金が入ってくる取引を記入する伝票のことです。仕訳伝票との使い分けは「入金状況」によって区別するとよいでしょう。銀行口座に振込があった場合は「仕訳伝票」、紙幣や硬貨で現金を受取った場合は「入金伝票」に起票するといった形です。
入金伝票に記入した時点で借方は現金であることが確定されるので、貸方勘定科目のみを記入する構造になっています。なお入金伝票は赤色の線で印刷されていることが多く、入金伝票であることが一目でわかるようになっています。
出金伝票とは、会社が保有する現金で支払う取引を記入するための伝票です。会社で利用したタクシーや電車などの交通費を現金で支払った場合や、備品、書籍などを購入し代金を現金で支払った場合に用いられます。また領収書が発行されない支払いに対しても、出金の事実を説明できれば出金伝票による処理が可能です。
仕訳伝票との使い分けは「現金の渡し方」によって区別するとよいでしょう。銀行口座からの引き落としやカード決済の場合は「仕訳伝票」、直接現金を渡した場合は「出金伝票」に起票するといった形です。
出金伝票の書き方は、入金伝票とほぼ同じです。出金伝票に記入した時点で貸方は現金であることが確定されるので、借方勘定科目のみを記入する構造になっています。
仕入伝票は仕入に関する取引を記録する伝票で、後述する「5伝票制」を採用する会社のみに用いられます。仕入取引が掛けで取引されたものとして起票し、総勘定元帳には「仕入」の借方、「買掛金」の貸方へ転記する流れです。
商品や材料を掛け以外の方法で仕入れた場合にも、一旦は掛けによる取引として仕入伝票を起票し、同時に買掛金を現金や手形で決済する仕訳を出金伝票や仕訳伝票(振替伝票)を用いて起票します。
売上伝票は、事業による売上が発生した際に記録する伝票で、仕入伝票と同様に「5伝票制」を採用する会社のみに用いられます。売上取引が掛け取引されたものとして起票し、総勘定元帳には「売掛金」の借方、「売上」の貸方へ転記する流れです。
商品やサービスの対価として掛け以外の方法で取引をした場合にも、一旦は掛けによる取引として売上伝票を起票し、同時に、売掛金を現金や手形で決済する仕訳を入金伝票や仕訳伝票(振替伝票)を用いて起票します。
伝票の作成は、法律上必ずしも必要ではありません。しかし経理処理の仕組みの1つに「伝票制」と呼ばれるものがあり、多くの企業で昔から取り入れられています。その理由は、伝票制を活用することで正確な記帳や業務の効率化につながるからです。
3つの種類に分かれる伝票制の概要や、その伝票制が向く企業についてみていきましょう。
伝票制とは、伝票から総勘定元帳に転記する仕組みのことです。1つの帳簿に時系列にしたがって取引内容を記入する仕訳帳は、複数人での共同利用には向きません。一方、伝票制は個々での取引内容を伝票に記載することで仕訳帳の代わりとして利用できます。
伝票制を取り入れると仕訳帳は不要となり、それぞれが起票した伝票を総勘定元帳に転記するため、経理処理を効率化できるのです。また、仕訳帳の作成は経理部署が担当するケースが一般的ですが、伝票制であればその他の担当者でも記録を残せます。
伝票制は扱う伝票の数によって次の3つに分かれます。
●1伝票制
●3伝票制
●5伝票制
日々の取引や現金の取り扱い状況は企業によって異なるため、状況に合わせて伝票制を取り入れなければなりません。たとえば飲食店などの現金取引が多い業種は、3伝票制が向いています。一方、取引の多くが掛け取引である企業には、5伝票制が向くのです。
では、それぞれの特徴や注意点をみていきましょう。
1伝票制は「仕訳伝票」1種類にすべての仕訳を起票して、総勘定元帳に転記します。伝票作成の手間はあるものの、仕訳帳のように1つの帳簿を共同利用する必要はありません。
ただし記載内容は仕訳帳と同じく「借方・貸方の勘定科目」「取引の内容と金額」を記載する必要があり、ミスを発生しやすい点が特徴です。
「会社の売上」「取引件数」「支払方法の種類」などが少ない企業に向く伝票制といえます。
3伝票制で利用する伝票の種類は次の3つです。
●入金伝票
●出金伝票
●仕訳伝票(振替伝票)
この3種類の伝票を使って総勘定元帳に転記します。現金のやり取りは入金伝票と出金伝票を使い、それ以外の取引には仕訳伝票(振替伝票)を使います。
3伝票制の特徴は、1伝票制とは異なり現金取引を区別できる点です。さらに入金伝票と出金伝票を使うことで、現金の流れを把握しやすくなります。特に現金でのやりとりが多い飲食業や小売業などに向く伝票制です。
5伝票制で利用する伝票の種類は次の5つです。
●入金伝票
●出金伝票
●仕訳伝票(振替伝票)
●仕入伝票
●売上伝票
この5種類の伝票を使って総勘定元帳に転記することで、お金の管理だけでなく、売上や仕入などの状況を把握しやすくなります。
ただし、5伝票制は売上伝票と仕入伝票の取引を全て掛け取引として起票しなければなりません。よって、売上や仕入を現金で取引したときには、売掛金や買掛金が決済されたとして入金伝票や出金伝票を起票する、取引の相殺作業が発生します。
相殺する際は、二重取引や誤差が生じないように入念にチェックしましょう。5伝票制は相殺の手間は生じるものの、掛け取引の多い企業では正確な記帳や業務の効率化につながるでしょう。
仕訳伝票を作成する方法に次の5つが挙げられます。
●手書き
●エクセル
●外部委託
●OCR
●取引先からの請求データ
伝票の記載内容に間違いがあれば残高にズレが生じたり、税務処理に相違が生まれたりといった事態を引き起こす可能性があります。よって、自社に合った方法で伝票を正しく作成する必要があります。ここでは、それぞれの作成方法に関する内容を詳しくみていきましょう。
伝票に関する基本的な知識を理解するという観点では、手書きによる作成をおすすめします。また、社内にパソコンを利用できる方が少ない場合など手書きのほうが良いケースもあるでしょう。
ただし、手書きの場合は改ざんの可能性を否定できません。改ざん防止の観点から、必ず消えないボールペンを利用して起票しましょう。また、修正時は修正ペンや修正テープを使わず、二重線で消して訂正印を押すようにしてください。
マイクロソフト社の表計算ソフトである「エクセル」の活用も、伝票作成の方法の1つです。インターネット上には伝票に関する無料のテンプレートが多く用意されており、コストをかけることなく利用できるでしょう。
エクセルで作成するメリットは、紙の伝票が溜まらず管理しやすい点です。手書きとは異なり、伝票をデータ上で作成できます。さらに、社内のサーバーなどに保管することでデータの共有も可能です。
ただしデータの入力自体は人による手作業であるため、人為的ミスが起こる可能性は否定できません。また帳票の枚数が増えればその分データ量も膨大になります。
データの保管や管理、修正などにかかる全体像を見ると、思っていたより手間や時間がかかっていたというケースも少なくありません。
伝票作成を会計事務所などに外部委託するやり方も方法の1つです。
仕訳伝票は日々の入出金の把握など、経営において重要な役割を果たします。しかし、経理業務に割けるだけの人員を常に用意しているという企業は多くないのが実情です。さらに、伝票作成は取引数が増えるほどに煩雑化します。伝票処理に追われて本来行うべき仕事が疎かになれば本末転倒です。
伝票作成を外部委託すれば、業務負担を減らせるだけでなく正確性を高められます。開業したばかりの企業や従業員の少ない企業などは大きなメリットになりえます。ただし、すべてを外部へ任せきりにすると経費に関する問題や課題の発見が遅れる可能性があるので注意しましょう。
テキストデータ化するOCRによって伝票を作成することも可能です。OCRとは印刷された文字などをカメラやスキャナなどで文字認識し、テキストデータに変換する技術を指します。
前述のエクセルによる作成のデメリットに、人為的な入力ミスが起こる可能性を挙げました。しかし、OCRを活用することで手作業による伝票処理業務を自動化できるだけでなく、誤入力や見落としなどを防げます。
さらに、紙媒体の伝票を管理するには多くの保管スペースを要します。しかし、OCRでデータ化すればサーバーやクラウドにそのまま保存できるため、物理的な保管スペースは必要としません。
ただし、定型でない伝票は文字として認識できないケースがあります。決められた場所に記載していなかったり、文字がかすれていたりすると文字として把握できない可能性があります。そこで、最近では過去の内容をAIが学習し、補正するAI-OCRのサービスも登場しています。
取引先から送られる請求データをもとに、伝票作成する方法もあります。1998年に施行された「電子帳簿保存法」、2005年に施行された「e-文書法」によって請求書の電子化は進んでいます。
取引先と最初から請求内容をデータでやりとりできるシステムなどを利用することで、紙やPDFデータなどを使用せずに仕訳伝票の作成が可能です。データ上で完結させることで紙の伝票の保管にかかるコストやスペースを削減できるだけでなく、改ざんのリスクも減らせます。
ただし、請求書の電子化に関して得意先や仕入先の理解が必須である点には注意しましょう。
企業の取引内容に関する勘定科目や金額などの全てを記載する仕訳伝票は、複雑な会計処理を簡略化できます。そのため「1伝票制」「3伝票制」「5伝票制」といった伝票制を取り入れる企業が多いのです。
しかし「使用する伝票の種類が増える」「記入方法や作成方法を覚えなければならない」など、かえって業務が煩雑に可能性もあるでしょう。そこで仕訳伝票に関わる作業は、デジタル化で効率化を図ることをおすすめします。
取引先や仕入先との兼ね合いから、紙やPDFでの請求書の受領を必要とする場合はOCRによるデジタル化が向きます。手作業による伝票処理業務のデータ化だけでなく、入力ミスなどの人為的ミスを未然に防ぐことが可能です。
AIを活用した「RICOH 受領請求書サービス」であれば文字の認識精度が高く、より高度な仕訳作成の自動化が実現できます。詳しくは次のリンクよりサービス資料をダウンロードしてみてください。
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