2000年にRidoc IO Gateをご採用いただいて以来、常に最先端の印刷環境へとバージョンアップを重ねてこられた東海大学様。しかしそれでも、混雑時の「印刷待ち」だけは解消することが困難でした。
「東海大学には30000人近い学生が在籍しておりますので、レポートや卒業論文の提出時期になるとプリンターの前に行列ができてしまうんです。物理的にやむを得ないことと思いつつも、解決への糸口を探している状態でした」(荒川様)。
また、湘南キャンパスでは車椅子を利用する学生のためバリアフリー化を進めています。しかし、プリンター利用時に車椅子に座ったまま操作することが難しいことも課題となっていました。さらに、TCO削減に向けて印刷枚数の上限設定をされている東海大学様では、学生に付与する印刷ポイントの管理にも苦慮されていました。
「本学はセメスター制度(2学期制)を取り入れていますので、印刷のポイントも前期・後期に分けて400ポイント*ずつ付与しているのですが、印刷枚数を制限する期間が年間月間単位でしか選べないため、半期ごとの運用とリンクせず管理に手間取る場面もありました。たとえば、印刷枚数制限のシステム上では10月1日から後期が始まる設定となっていても、実際は9月中に始まるケースがあり、そのようなズレがポイント管理を煩雑にしていました」(藤田様)。
最大の課題とされていた混雑の緩和。リコージャパンではさらに印刷スピードの速い機種をご用意するとともに、東海大学様が学生証をICカード化されていることをふまえ、ユーザー認証のICカード化をご提案させていただきました。
「新しいプリンターはスペックを比較しても速さが一目瞭然でした。とくに最初のプリントが出るまでの時間が従来機の3倍以上速くなっており、混雑緩和への確かな手応えを感じることができました」(田中様)。
また、ユーザー認証のICカード化については、操作時間が短縮されることはもちろん、管理面のメリットにもご期待くださっています。「磁気カードは使っているうちに磁気を読み取る部分がすり減ってきて、いつしか読み取れなくなってしまうというトラブルがあります。ところがI Cカードであればカードリーダーにかざすだけですので、そういったトラブルとは無縁です。カード再発行など、管理上の負担も低減されるのではないかと思います」(荒川様)。
今回のバージョンアップから日が浅いため(取材時は導入3ヵ月後)、まだ具体的な効果は見えていないものの、新しいプリンターを使用する学生を見て、ひとつの手応えを感じられています。
「プリンターが変わりユーザー認証の方法も変わったことで、最初は戸惑う学生もいるのではないかと考えていたのですが、杞憂に過ぎませんでした。もうすぐ始まるテストシーズンや来年の卒論提出時期に、どれだけの混雑緩和効果があるか楽しみにしています」(荒川様)。
また、車椅子での利用を想定したカスタマイズに関しても、利便性の向上に大きな期待を寄せてくださっています。
「今までは車椅子の学生の友だちがプリントを手伝ってあげている姿をよく目にしていたのですが、これからは車椅子の学生自身が好きなときに出力することができます。本学が取り組んでいるバリアフリー化をさらに推し進めることにつながりますし、車椅子に座ったまま使えるよう独自の仕様にカスタマイズしてくださったリコージャパンさんには心から感謝しています」(田中様)。
一方、印刷枚数制限のポイント管理においては、すでに導入効果が見え始めているといいます。
「半期ごとの運用がしやすいよう、期間指定が可能な機能を実装していただき、ポイントが足りなくなった学生に対する追加などもスムーズに行なえるようになりました。おかげで、管理業務の省力化につながっています」(藤田様)。
今後への展望として真っ先に挙げられたのが、スマートフォンやタブレットなどスマートデバイスとのスムーズな連動。また、学生が持ち込んだパソコンからの印刷にも早急に対応したいと語ります。
「本学の湘南校舎では約20000人という学生数に対してパソコンが約2000台しかなく、慢性的なパソコン不足という問題を抱えています。これからは学生の持ち込みパソコンからの印刷にも対応しなければいけませんし、学生にはパソコンより遥かに普及しているスマートデバイスからの出力環境も整えなければいけないと考えているところです。リコージャパンさんに対しては以前から“対応が丁寧”という印象を持っていますので、今後のさらなるバージョンアップに関してもきめ細やかな対応を期待しています」(荒川様)。
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