2024.03.19
目次
エステー株式会社様の法務部門では、法務のシステム化・ペーパーレス化などの業務改善に長年取り組まれています。同社の法務部門で取り扱う契約類型は、取引基本契約・秘密保持契約・業務委託契約などで、その数は年間平均300~400件にのぼります。同社の企業価値創造本部 人事総務部法務チームの醍醐 恵子 様、横山 裕子 様、森下 俊介 様にRICOH Contract Workflow Serviceを採用・導入された経緯を伺いました。
課題
効果
エステー株式会社様の企業価値創造本部人事総務部
法務チームでは、契約書以外の法律相談への対応のほか、年間300~400件の契約書のチェックや締結済み契約書の保管・期限管理を行っています。
同社では2000年台後半から契約書管理システムの導入を開始し、運用しています。RICOH
Contract Workflow Service(以下、RICOH
CWS)は3代目となり、国内外の18の拠点で570ユーザーが利用しています。長年、法務システムを運用してきたご経験と導入・運用のポイントを同社法務チームのみなさんに伺いました。
RICOH CWSを導入した担当者の人事総務部
法務チームの横山裕子様は、「初代の契約システムは、開発会社に依頼して開発したものです。法務の要望に合わせて作り込んでいたので大きな不満はありませんでした。ただ当時、予算の都合で依頼部分のシステム化ができませんでした」と、依頼や相談が書類のままだったことが悔しい点だったそうです。初めて契約書管理をシステム化する企業では紙からデータへの移行作業が発生します。当時の法務チームでもデータ入力の大きな負荷がかかりました。
「社内のすべての部門から契約書の原本を法務チームに集めて、データを手入力する作業が必要になりました」(横山様)メンテナンスの都度にシステム会社を呼ぶ必要があるなどの煩わしさもありましたが、こうして生まれた初代のシステムは比較的順調に運用されました。
2010年代中頃、全社でのペーパーレス化の推進のために新たに全社共通システムの導入が決定され、法務チームも対応を迫られます。新しいシステムは文書保存を目的とした汎用性の高いシステムだったので、法務に不足する機能は内製で対応しました。しかし、データ移行の段階になってシステムが契約期間の有効/無効を判別できないことが判明します。その結果、すべての契約を再確認して手入力する対応も発生して、初代システムと比較すると機能面や操作性でも不満が残りました。
人事総務部
法務チーム
チームリーダーの醍醐恵子様は、「全社的にお互いなんとなく使い勝手の悪いものになったようで、あまり使いこなせていなかったかもしれません」と共通仕様の難しさがあったことを振り返ります。
その後、全社の文書管理はオンラインストレージサービスへ移行することになり、改めて法務の新システムの検討を始めました。
エステー株式会社
企業価値創造本部
人事総務部 法務チーム
チームリーダー
醍醐 恵子 様
法務チームは、次のシステム更改が来ることに備えて契約書システムの情報収集を行っていたため、新システムの検討作業はスムーズに行われ、複数の候補からRICOH
CWSの導入を決定されました。
「コスト面もそうですが、機能が一番充実しているのが選定理由です。相談・審査の記録共有や進捗確認・ひな形管理・関連契約の記録・アクセス権設定など、弊社で設定した要求項目すべてをクリアできたのがRICOH
CWSだったので、ほかに選択肢はありませんでした」(横山様)
エステー株式会社
企業価値創造本部
人事総務部 法務チーム
横山 裕子 様
RICOH CWSの導入とデータ移行の作業は2021年から2022年にかけて行われました。
横山様と共に導入担当者となった法務チームの森下俊介様は、「画面の項目は、旧システムのタイトルと合わせたほうがスムーズに使えるため、項目の要・不要を選定して、必要な項目を新しい画面に取り入れました」と操作性に配慮した調整を行いました。
「弊社では閲覧権限を細かく管理しているので、その考え方を整理するのは大変でした。導入自体はスムーズでしたが、一番苦労したのはデータ移行です。旧システムからの引き継ぎでデータ量もあり、データ移行も含めた完全体にするのはかなり大変でした」(森下様)。法務チームで独自の権限管理が可能になった代償として、異動時の作業は増えたそうです。
「システムの知識は法務チームにないので、導入ではリコーの担当者に協力してもらいました。導入検討時からコミュニケーションを取っていたのも大きかったです。開発者とのシステムに対する意識の違いなどもありましたが、リコーの担当者に間に入って軌道修正してもらって助かりました」(横山様)
「聞き慣れないさまざまな用法や用語も出てきたので、サポートがなければ導入が終わったのかわかりません(笑)。導入後、問い合わせ先がサポートセンターに移ることが一般的ですが、細かな質問でも導入時の担当者に直接答えてもらえるので助かります」(森下様)
エステー株式会社
企業価値創造本部
人事総務部 法務チーム
森下 俊介 様
RICOH CWSの特徴として、相談から契約管理まで法務の機能がスムーズに連携している点が挙げられます。
「RICOH
CWSの導入以前は、相談について記録する手段が決まっていなかったので、導入後はナレッジの蓄積が格段に良くなりました」(醍醐様)
醍醐様はメンバーとして旧システムを利用した後、管理者としてRICOH
CWSを利用しています。「旧システムでは操作の質問がずっと続いていました。RICOH
CWSの使い始めに『マニュアルはあるけれども使ったほうが早い』と導入担当の2人から言われ、少し教えてもらったらすぐに使えました。自分がやるべきことは画面のリストに表示されます。視認性が高いシステムなので、操作で迷うこともほとんどありません。マニュアルも作って掲載していますが、画面を見れば操作に悩むことがないので、社内からの操作への質問が格段に減りました」(醍醐様)
「新しいシステムを導入すると大抵文句を言われるのですが、『このシステムいいね、わかりやすいね』と複数の社員から言われました。管理部門が一般社員から褒められることはあまりないので、導入担当者としてすごく嬉しかったです」(横山様)
RICOH
CWSには社内での独自の呼称もあります。
「弊社内では『LEX(レックス)』と呼んでいます。リーガルエキスパートの略で、担当者の2人で考え、社員全体のリーガルへのリテラシーを上げたいという思いで名付けました」(森下様)
「当時の社長がネーミングをとても大事にしていたので、『素敵な名前を考えるように』という社長のアドバイスが出たのがきっかけです」(横山様)
消費者に親しまれる製品を提供するメーカーならではの発想もあり、社内での認知も広がりました。
RICOH
CWSでは、法務相談・承認申請・電子契約・契約管理の各機能の一元管理が可能です。旧システムにはない法務相談の自動回答機能や電子契約はどのように利用しているのでしょうか。
「自動回答機能は、質問数を減らすというよりも、法務が見るべき機能を線引きするために使っています」(横山様)
「さまざまな機能があるので、まずは法務相談の機能を使ってもらうためにフィルターを粗くして、社員に使ってもらいながらシステムに慣れるようにしています」(森下様)
「電子契約ができないか?と、以前より各部署から言われてきて、ようやく要望に応えられるようになりました。ちょうどトライアルする部署に説明をし終わったところで、現場からの期待も高く、明らかに工程数が減ると思うので私も期待しています」(醍醐様)
「契約書システムを検討中の企業様にとてもお勧めできるシステムだと思います。どのようなシステムでも、使い勝手が悪いと1日の無駄な時間が増えてしまうので操作性が大切です」(横山様)
「ポテンシャルのあるシステムだと思います。操作性が良く、使いやすければ、会社としてもリスクを減らせます。導入後の相談件数も増え、私たちがまだ使いこなせていない機能もあるので、今後そうした機能も使って業務の効率化を進められればと考えています」(森下様)
「メンテナンスで月に1度システムが停止することもありますが、発展途上でユーザーの声を反映してどんどん成長してくれると思います。長期的なユーザーとして、さらに使い勝手が良くなることを期待しています」(醍醐様)
消臭芳香剤の「消臭力」や防虫剤の「ムシューダ」をはじめとしたカイロ・手袋・除湿剤などの日用品を製造。「空気をかえよう」をコーポレートスローガンに、新技術を活かした独自の空気ビジネスを展開。お客様の暮らしを明るく元気にすることを理念としている。
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