2024.05.21
大型機械の部品・治具製造を手掛ける産和産業株式会社様では、過酷な環境下でも安定して稼働するバッファロー製 防水・防塵・耐腐食のWi-Fi™アクセスポイントを導入。事前の電波調査により工場内の隅々まで死角なく使えるWi-Fi™環境の整備で、製造現場のコミュニケーションを大きく変化させ、製品の品質も向上。リコージャパンによるサポートにより、「安心して使えるネットワークインフラ」を実現。
製造に関わる情報が現場従業員に十分伝わっていなかった
広く、かつ環境条件(粉塵・温湿度)の厳しい工場でも安定して使えるネットワークが必要だった
社内のIT知識が十分でなく運用にあたり外部のサポートが必要だった
業務の円滑化を目指し、現場にPCを導入するとともにRICOH ITKeeper 無線LANパックによる工場内でも使えるWi-Fi™ネットワークを導入
事前の電波調査により、バッファロー製 屋外設置用Wi-Fi™アクセスポイント4台を工場内に設置。信頼性が高く死角のないWi-Fi™ネットワーク網を構築
リコージャパンによる保守サービスにより従業員はWi-Fi™管理・運用業務から開放され障害時にも迅速対応できる体制を確保
自動車などをはじめとする大型部品を製造する機械向けの治具などを多く手掛ける同社の大和事業所では、あらゆる業務が紙ベースで進められていました。同社執行役員で、大和事業所の事業部長も務める二階堂隆様は「図面に始まり、製造指示書や現場で従業員同士が連絡に使う業務連絡票に至るまですべて紙でした。紙書類では見忘れや出し忘れが多くなりがちで、連絡事項が十分伝わらず、それがミスや不具合の原因になることも少なくありませんでした」と語ります。このような課題もあり、同社の監査役からITの整備を進めたらどうかとアドバイスを受けたといいます。「当初はセキュリティの向上などが主眼でしたが、いろいろと進めていくうちに、事業部内で情報共有を進めていったほうが良いだろうという話になり、サーバの導入や現場へのPCやネットワークの導入を進めていくことになりました」(二階堂様)
産和産業株式会社 大和事業部
執行役員・事業部長
二階堂 隆 様
ネットワーク導入に当たり、それまで取引のあった通信会社や、セキュリティ関連の会社からの導入を検討しますが、最終的に本社で長年にわたって取引のあったリコージャパンに導入を依頼します。「リコージャパンは長年の付き合いで信頼感もありますし、提案もしっかりしてくれたので、サーバ含めて導入をお願いしました」(二階堂様)
工場へのWi-Fi™導入はリコージャパンからRICOH ITKeeper 無線LANパックを提案しました。同社代表取締役社長の鹿野郁様は「正直コスト面では上がるのですが、社内でITに詳しい者がいないため、何かあった時のサポートが全部含まれているので、かえって安心だと考えて導入を決めました」と語ります。
産和産業株式会社 代表取締役社長
鹿野 郁 様
導入に当たり事前に電波調査を実施した結果、バッファロー製の屋外設置用アクセスポイントを4台導入しています。二階堂様は「工場は奥行きが70mあり結構広いので、電波調査をやってもらって、死角がないように設置してもらえたのはありがたかったです。また、工場内は粉塵も多く、温度変化で結露も心配したのですが、提案してもらったアクセスポイントはなんの問題もなく1年以上動いてくれています」と語ります。 事務所は有線LANが敷設されていましたが、「ノートPCを使うようになり、現場から持ってきたPCにいちいちケーブルを接続するのも面倒になり、また、来客応接のある2階でもお客様からWi-Fi™を使いたいという要望もあったことから、追加でアクセスポイントを設置して、今では敷地内全体でWi-Fi™が使えるようになっています」(二階堂様)
現場へのWi-Fi™とPCの導入で、予想もしていなかった変化が従業員に現れたと二階堂様は語ります。「現在、現場では12名が働いていますが、ノートPCは4名のリーダーに配布しました。これにより、図面や生産指示書、作業指示書を共有しています」。 「また、これまでは共有していなかった生産計画書も共有するようにしました。従来は私が生産計画を作り、現場には、いつからいつまで何を作るといった具体的な生産指示だけ出していたのですが、生産計画書を共有するようになってから、リーダー、そしてリーダーを通して従業員たちも生産計画書を見るようになりました。生産計画書には、生産指示書にはない前後のスケジュール情報が入っているため、『これはゆとりがある』とか『これはスケジュールがタイトだ』といったことが、全従業員に伝わるようになりました」。 従業員たちへの情報共有が進んだ結果、品質の向上にも良い影響がで始めているといいます。「製造現場では、急な納期変更や設計変更などの突発的な出来事は不良や不具合の原因になりますが、現場の末端まで全体の計画が見えてくると、彼ら自身が自分たちで考えて動くようになり、仕事に余裕が生まれ、不良や不具合を出す割合が減ってきます。実際、年数件あった不良が、Wi-Fi™導入後はでていません。 ただ、不良・不具合は大きさではなく数が問題なので、その数を減らすにはどうすればよいかを今は究明しています。が、少なくとも(不良・不具合に対して)フェーズは変わったと感じています。これもWi-Fi™とPCでコミュニケーションの質が上がった結果だと感じています」(二階堂様)
工場内に設置されたバッファロー製 屋外設置用アクセスポイント
温度変化・粉塵などの厳しい環境でもトラブルなく稼働している
ITに関して今後の展望を伺うと鹿野様は「当社に限らず人材・人員不足は大きな課題です。当社でもリクルーティングのために、Webページのリニューアルをリコーに支援してもらって進めていますが、採用は苦労しているというのが実情です。したがって限られた人員の中で、業務を行っていくには何よりも効率化が重要だと考えています。今回のITの推進も、元々は本社スタッフから業務効率化したいという声が上がったことがきっかけでした。効率化に関しては、リコーの力も借りつつ積極的に取り組んでいきたいと考えています」 二階堂様は「中小の製造業ではIT化が遅れていて、抵抗感が高いのも正直なところですが、今回のWi-Fi™やPCの導入でこれだけの変化があったことを体験しました。今後は不良解析などでAIが使えたりするといいな、などとも考えています。とは言え、我々はどうしても受け身なので、リコーには引き続き情報提供や提案をしていただき、我々を引っ張っていただければと思います」と語ってくださいました。
お客様名称 |
産和産業株式会社 |
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会社名 | 産和産業株式会社 |
所在地 | 本社:神奈川県横浜市西区中央1丁目36-2 大和事業部:神奈川県大和市中央林間西3丁目2-43 |
創立 | 1953年9月 |
代表者 | 代表取締役社長 鹿野 郁 |
従業員数 | 30名 |
創業71年 鍛造機械設備の治具製造を得意とする大型部品の機械加工業
自動車工場の製造機械向け部品製造からスタートした産和産業株式会社。今ではさまざまな製造業で使われる鍛造用金型用治具(ダイセット)の製造や修理を中心に、大型機械の部品・治具製造を手掛ける、いわば製造業を支える製造業です。
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