このページの本文へ このサイトのメインメニューへ
現在地
ここから本文です

お客様事例 奈良女子大学附属中等教育学校 様

奈良女子大学附属中等教育学校 様

お客様の取り組み/導入の背景

奈良女子大学附属中等教育学校様は、「2-2-2制」に基づく中高一貫教育を行っている。生徒に「自ら考える力」「表現する力」「行動する力」を身に付けさせるのが、カリキュラム編成の基本だ。こうしたカリキュラムを支えているのがリコーのICT*機器である。例えば国語の授業では、リコーのプレゼンテーションソフトウェア「RICOH Smart Presenter」と、タブレット端末を活用してグループ学習を行っている。一方、保健体育の授業やゼミ形式の特別授業では、スマートフォンで撮影した映像をリコーの超短焦点プロジェクター「IPSiO PJ WX4130N」を使ってホワイトボードに投写し、生徒の理解向上に役立てている。さらに、IPSiO PJ WX4130Nはクラブ活動で利用されるなど、リコーのICT機器は様々なシーンで活躍している。以下、その活用事例を詳しく見ていこう。

* ICTとは情報通信技術の略称です。

画像:奈良女子大学附属中等教育学校様

生徒自身が問いを作る力やコミュニケーション能力を育成。

奈良女子大学附属中等教育学校様の前身となる附属小学校と附属高等女学校は1911年(明治44年)に創設された。すでに100年を超える歴史がある。現在、中高6年間の一貫教育を行っており、2年ごとに教育目標を設定。低学年の1・2年(中学1・2年に該当)では基本的学力と学習の基本的方法の習得、中学年の3・4年(中学3年・高校1年に該当)では自主的・体験的学習による幅広い学力の習得を目指している。そして、高学年の5・6年(高校2・3年に該当)では、個性・能力・進路に応じた学力の習得と自立した人格の育成が目標だ。
また、同校は文部科学省が推進する「スーパー・サイエンス・ハイスクール(SSH)」の指定を受けており、自然科学リテラシーの育成やリベラルアーツ教育、高大接続の研究と推進などを通じて、生徒自らが問いを作る力やコミュニケーション能力、表現力を育成している。その具体的な取り組みとして、リベラルアーツ教育を進めるための「コロキウム」という特別授業(学校指定科目)がある。大学の教員や研究者と連携し、「5年生(高校2年生)を対象に、2012年度から少人数ゼミ形式の8講座を実施しています」と、国語科教諭の二田貴広氏は説明する。

画像:奈良女子大学附属中等教育学校  教諭(国語科) 二田 貴広 氏

奈良女子大学附属中等教育学校
教諭(国語科) 二田 貴広氏

活用事例

ゼミ形式の授業で超短焦点プロジェクターを活用。

そのコロキウムの授業で、リコーのICT機器が利用されている。ある日の授業では靴工房の専門家を招き、正しい歩き方を学ぶ授業が体育館で行われた。各生徒の歩き方の映像をスマートフォンで撮影し、リコーの超短焦点プロジェクター「IPSiO PJ WX4130N」を使って体育館の壁面に設置されたホワイトボードに投写した。生徒たちはその映像を見ることで「自分の歩き方にどのような癖があるのか」を理解し、「正しく歩くにはどうすればよいか」を皆でディスカッションした。
また、靴工房の専門家は、教師をモデルにして歩きやすい靴ひもの結び方も説明した。その際、教師の足元をスマートフォンで撮影。生徒たちは、IPSiO PJ WX4130Nからホワイトボードに投写された映像を見ながら説明を聞いた。プロジェクターを使わなければ、生徒たちが教師を囲んで見学するしかない。後方の生徒は教師の足元が見えず、説明を聞いても理解しにくい。
これに対してプロジェクターを使うことで、「ホワイトボードに投写された映像を、車座になって見ながら教師の話を聞くことができるので分かりやすい。焦点距離の長い一般的なプロジェクターと違って、IPSiO PJ WX4130Nは壁のすぐそばに設置できるので邪魔になりません」と、二田氏は利点を述べる。

画像:ゼミ形式の授業で超短焦点プロジェクターを活用。

ダンスの授業でも超短焦点プロジェクターが活躍。

この「IPSiO PJ WX4130N」は、中学校の必修科目になったダンスの授業でも活用されている。ダンスを指導する保健体育科教諭の兼倉理恵氏は、「自分がモデルになって生徒の前で踊ってみせると、生徒の動きがよく見えません。スマートフォンで撮影しながら超短焦点プロジェクターで体育館壁面のホワイトボードに映像を映し出せば、自分で踊りながら、生徒の動きも確認できます」と、その効果を説明する。
また、グループごとに音楽に合わせてダンスを創作する際に、生徒たちはタブレット端末でダンスを撮影し、IPSiO PJ WX4130Nを使って全員に見てもらうといった使い方をしている。そして、ダンスの練習風景をビデオで撮影、編集してクラス全員で鑑賞会を開いているという。
ダンスに限らず、保健体育の授業の場合、従来はビデオやプロジェクター設備のあるパソコン教室で映像を見せてから体育館に移動するなど、分割授業を行わざるを得なかったという。それに対してIPSiO PJ WX4130Nの導入後は、体育館ですぐに映像を見せることができるため、授業時間を効率的に利用できるようになった。また、大型のプロジェクターや大型モニターは持ち運びが難しいが、IPSiO PJ WX4130Nは小型・軽量が特長。「ダンスの授業を体育館で行い、体育館から移動する際にも簡単に持ち運べるところがいいです」と兼倉氏は語る。

画像:奈良女子大学附属中等教育学校 教諭(保健体育科) 兼倉 理恵 氏

奈良女子大学附属中等教育学校
教諭(保健体育科) 兼倉 理恵氏

画像:ダンスの授業でも超短焦点プロジェクターが活躍。

見せて納得。部活動でも「超短焦点」のメリットを実感。

国語科教諭の二田氏は、バスケットボール部の顧問を務めており、部活動でもIPSiO PJ WX4130Nを使いこなしている。たとえば、部員がシュートを打つ映像をスマートフォンで撮影し、それをIPSiO PJ WX4130Nに接続して、体育館壁面のホワイトボードに映像を映し出す。「シュートを打つ時のひじの使い方などを撮影し、すぐに本人に見せます。言葉だけでは理解しにくい点も、映像で見れば納得してくれます」と、二田氏は話す。そして、指導後にシュートの場面を再撮影し、修正できたかどうかを確認するといった使い方をしている。
また、部員たちのフロアバランス(選手の位置のバランス)について指導する際には、ホワイトボードに投写した映像の上に、マーカーペンで位置取りの注意点を書いて説明する。言葉だけではなく、「見て分かる」指導を実践しているのである。
ビデオカメラを使っていた時には、部員たちの動きを確認する場合、ビデオカメラの小さなモニターで見るか、ビデオ撮影した映像を見るために大型モニターのある教室に移動するしかなかったという。それに対してIPSiO PJ WX4130Nの導入後は、「撮影した映像をすぐに見ることができるほか、プロジェクターを壁際に置くことができるので、部員たちが配線ケーブルに足を取られる心配もありません」と二田氏は言う。
このようなバスケット部の活用方法を見て、バドミントン部の顧問を務める兼倉氏も、ぜひ使ってみたいと考えている。たとえば、低学年の部員がスマートフォンで先輩の動きを撮影し、その小さな画面をみんなでのぞき込んで見ることがある。こうしたシーンでIPSiO PJ WX4130Nを使えば、「部員全員が一度に同じ大画面の映像を見て練習でき、「見て分かる」指導につながり、時間の短縮にも効果がありそうです」と兼倉氏は話す。

画像:見せて納得。部活動でも「超短焦点」のメリットを実感。

プレゼンテーションソフトとタブレット端末で双方向の授業。

二田氏がタブレット端末の画面をフリック(スライド操作)すると、生徒たちのタブレット端末の画面が同期してめくられ、「オーッ」という驚きの声が教室内に響く──。
これは、重松清の「タオル」を読む、5年生(高校2年生)の現代国語の授業のある日のひとコマだ。2~3人の生徒がグループになり、リコーのプレゼンテーションソフトウェア「RICOH Smart Presenter」とタブレット端末を使って授業を行う。タブレット端末の画面と同じ画像が、リコーのモバイル型プロジェクター「IPSiO PJ X3241N」から教室のスクリーンに投写されている。
二田氏がICTを活用したこうした授業を開始したのは2年ほど前。そのきっかけは、生徒が自ら問いを作ることができる力を身に付けてほしいと考えたことだった。「生徒が作った問いに対して、クラスの皆が手元のタブレット端末を使ってメモを書いたり、一緒に考えたりする。そんなインタラクティブ(双方向)の授業を実現したかったのです」(二田氏)。そして、インターネット検索でSmart Presenterのことを知り、App Storeから無償ダウンロードして利用しているという。
以前は紙のプリントに課題を書き出して、授業を行っていた。しかし、課題を書いたプリントはたまにしか使わないため、保存に手間がかかっていた。これに対してSmart Presenter導入後は、課題をパソコンで作成してPDF化し、オンラインストレージのファイルに保存している。授業時には生徒自身が、そのファイルをタブレット端末にダウンロードする。授業で画面に書いたメモはタブレット端末に保存し、次の授業で使用する。プリントを配布して行う授業に比べて、「生徒は興味を持って授業に取り組めるようになりました」(二田氏)と言う。
Smart Presenterの利点について二田氏は、「少人数のグループで囲みながらタブレット端末を見ることができることと、生徒のペースに合わせて先の課題まで見ることができることです」と強調する。また、生徒が先のページを読むことで課題を出す教師の意図を理解し、課題の全体像を把握した上で授業に臨むことができるという。

画像:プレゼンテーションソフトとタブレット端末で双方向の授業。

課外活動の「OECD東北スクールプロジェクト」でも活用

RICOH Smart Presenterとタブレット端末は国語の授業のほか、課外活動の「OECD東北スクールプロジェクト」でも利用されている。具体的には、生徒たちが調べた資料をPDF化してディスカッションする際に利用している。こうした活動を通じて、「資料を視覚的にわかりやすくまとめる力や、プレゼンテーションをする力が身に付くと期待しています」と二田氏は述べる。
奈良女子大学附属中等教育学校様は2013年4月、すべての教室に無線LAN設備が導入される予定だという。それによって、Smart Presenterとタブレット端末を使った授業や課外活動などが行いやすくなり、ICTを活用するシーンはより一層広がることになるだろう。
今後もリコーは、こうした同校の取り組みを、ICTの面から強力にサポートしていく。

お客様プロフィールと導入製品

お客様情報

画像:国立大学法人 奈良女子大学 附属中等教育学校

国立大学法人 奈良女子大学 附属中等教育学校
■所在地:奈良市東紀寺町1-60-1
■創立:1911年
■生徒数:720名(6学年、1クラス40名)
■教職員数:79名(非常勤講師等を含む、2012年2月現在)
自由で自立した人格と社会的責任の自覚を養う学校、多様な能力に対応し、それらを伸ばせる学校、社会・世界に開かれた学校を教育目標に掲げる。
■URL:http://www.nara-wu.ac.jp/fuchuko/

導入商品

超短焦点プロジェクター IPSiO PJ WX4130N、モバイルプロジェクターIPSiO PJ X3241N、プレゼンテーションソフトウェア RICOH Smart Presenter


本ページに掲載されている情報は、2013年3月現在のものです。