
RICOH Proを活用したアイデアで、
お客様の結果にコミットしていくことで信頼を獲得する。
代表取締役
水谷 元泰 氏
大元堂は、現会長の水谷淳氏により1台の活版機とともにスタートした。帳票を中心とした事務用印刷を主業務とし、地域に密着した印刷会社として信頼を得ていく。1983年オフセット印刷機を導入し、それまでの活版専業から総合印刷業へと事業を拡大。その後、版下設備及び製本設備を導入することで、印刷物の制作や製本の領域にも進出する。以降、DTPにも積極的に取り組み、チャレンジする企業として成長を続けてきた。
社会人1年目を半田市の印刷会社で迎えた水谷元泰代表取締役は、当時を振り返りながら語る。「昼間は営業の役割を、夜は印刷技術を学ぶ毎日。その後、父の経営する大元堂に就職しましたが、オフセット印刷全盛の中、DTPの可能性に魅了され、個人で設備を購入し独学でスキルを身につけました」
活版機からオフセット印刷機に移行する際に文字を捨て、DTPで再び文字を取り戻したと語る水谷代表は、印刷物などを企画し制作することで、お客様の販売促進や情報発信の「効果」を上げる事に意義を感じている。「印刷業が関わっている販促物は、その効果が何よりも重要。販促の印刷物のお引合いを頂く前に、どのように販促すべきかを、相談される立場にならなければならない」と語る。
水谷代表は『人のご縁』を大切にしていることもあり、地元名古屋の若手起業家の会や、異業種交流会などにも参加。会長職としても活躍していたという。同時にブログなどウェブへの取組みも積極的で、数多くのフォロアーを獲得していた。
「会長職などを兼任していた時期もありました。非常に多忙で本業の営業に手が回らないことも。しかし、この時期に関わらせていただいた方々とのネットワークは、私の財産になっています」
2008年のリーマンショックは、大元堂にも大きな影響を与えた。「中心的な取引先のひとつだった広告代理店や同業印刷会社など、関わってきた企業が倒産。リーマンショック後は、小さな印刷案件しか残っていない状態で、これはまずいと本気で感じていました」
大元堂は手のかかる案件を避けることなく受注。お客様の困っていることを先に考え提案することで、特定の得意先に依存することなく、厳しい時代の中でも信頼を得ていく。
この頃水谷代表は情報伝達メディアとしてのFacebookに注目しており、知り合った方との継続した繋がりに期待していた。
「大元堂では複合機を利用しPODに取り組んでいたため、従来はカラー品質などで、お客様の要求に充分に応えられないことも。しかし、小ロットで差替えといった手のかかる仕事は増える一方でした」と語る水谷代表は、RICOHの新機種に注目した。カラーの再現性や用紙対応力に加え、2色印刷のコスト的な魅力は、大元堂の印刷案件で他社との差別化が図れるはずと感じたという。
営業課の竹仲良平氏は、RICOH Proにより仕事の幅が広がったという。「既存のお客様で、A5/40ページのカラー冊子メニューを5,000部オフセット印刷する依頼がありましたが、納品前に30部だけどうしても先に欲しいという要望がありました。料理写真中心ですから、カラー再現性が求められることは言うまでもありません。RICOH Proで印刷し納品しましたが、お客様の満足度は非常に高く、オフセット印刷と遜色ない仕上がりに高い評価をいただきました」「A4/1色のチラシ案件を従来はオフセット印刷で行っていたお客様に、PODによる2色を使ったレイアウトデザインで提案しました。RICOH Proの2色印刷ならコストは従来と同程度ですから、高品質短納期に加え表現力がアップしたと、お客様にとても喜んでいただきました」竹仲氏は、2色印刷によるチケット提案も成功例だという。試合日や座席番号を可変とし色を変えるなど、チケットの役割を考えた企画がお客様に受け入れられた。
水谷代表が大切にしている「人のご縁」がきっかけで、Facebookを中心とした集客や販促の支援をすることになったプロバスケットボールチーム『浜松・東三河フェニックス』の案件では、チケットやDMから応援グッズまで多岐に渡り企画提案している。「シーズンチケット購入経験者で現在は未購入のブースター(バスケットボールチームのファン)に向けたDMを印刷させて頂きました。日頃の応援に感謝し今シーズンも全力で頑張りますというメッセージを、ブースター個人宛にバリアブルで制作。
効果はFacebookページに、『こんなDMが届いたら購入せずにはいられない』というブースターからのコメントとして表れるなど、シーズンチケットの購入増加に繋がりました。小ロットバリアブル印刷と独自の企画が、お客様であるフェニックスの求める販促につながったうれしい事例です」ブライダル用髪飾りをつくっている企業へのカタログ提案にも、PODが活躍したという。カタログをつくるコストに二の足を踏んでいたお客様へ、32ページのカラーカタログをPODで5冊制作することを提案。ブライダルというカテゴリーのため写真が中心で、そのクオリティを心配していたお客様は、その出来映えに驚かれた。好評により、100冊の廉価版カタログの受注にもつながり、同時に提案した電子カタログの受注にもつながったと水谷代表は語る。
Facebookセミナーなどでご挨拶させていただいた方とは、FacebookなどのSNSメディアでも繋がりが生まれ、それをきっかけに印刷物受注に発展したケースは40社以上にもなります」
例えば『あなたに会えてよかった』サイトでのカレンダーやポストカード提案は、被災地への支援活動としても注目されていて、Facebookは5,000件を超える『いいね』を獲得しています」
このところ水谷代表への販促・集客のコンサルティング依頼が、増えてきているという。Facebook活用などのセミナーも3年間で160回ほどに。印刷物を提供するだけではなく、お客様が実現したいことを、Web、SNS、ブログ、メルマガなど、オムニチャネルの実施を提案支援している。
「大元堂はお客様の商品を売るためのアイデアを発想しPODで形にする。そしてWebやSNSなどを連動させて活用し販売促進を行い、コンサルティングやツール制作で管理する。すなわち「作る力、売る力、管理する力」のすべてを提供することで、お客様のビジネスに貢献でき、お客様から相談される存在になれると信じています」水谷代表は、2013年よりNPOとクリエイターと企業をつなぐNSR(Nagoya Social Responsibility)をSEの加藤丈典氏・Webクリエイターの鈴木さえこ氏と共に主催。また、会社を引き継ぐ後継者をサポートする社長就任準備室(www.shachou.biz/)を立ち上げ、新社長のブランド構築をお手伝いすることで世代交代を後押しする活動を展開している。
スピードアップで作業が簡略化
処理も印刷も格段に速くなったと語る企画課の岡本淳一氏。
「制作を担う側としては、スピードアップは非常にありがたい。お客様からは短納期を求められることが多いのですが、作業が簡略化されるため、効率のよい仕事が可能になりました。RICOH Pro本体で作業が完結できるのも魅力です」
表紙をレザックに印刷し、お客様のニーズに対応
「学会やプログラムなどの冊子案件では、表紙をレザックに印刷しお客様に喜ばれています。特殊な風合いの用紙に印刷できるPOD機の存在は、大元堂の魅力にもなるはずです」
岡本氏は、リコーが検証してくれた大元堂保有のすべての用紙設定データが非常に役立っているという。「年賀状用紙は癖があることが多いのですが、RICOH Pro搭載の用紙データベースでトラブル知らずです」
大量給紙トレイは冊子案件に役立ちます
大量給紙トレイを利用すると、100部を超えるような数十ページ冊子も、用紙を気にせず一気に印刷でき、作業効率の良さを感じるという。「デザインに自由度が増し、制作に自信を持てるようになったこともあり、冊子案件受注は確実に増えてきています」
写真やグラデーションなども自信を持ってデザイン
RICOH Proの印刷サンプルをはじめて見た際は、オフセット印刷と見間違えるほどでしたと語る岡本氏。「RICOH Pro導入によって、デザインの自由度がアップしました。これまでPODでは薄い色の平アミや、面積の大きなベタを避けてデザインしていたのですが、その必要もありません。制作面でお客様の要望に、できませんという辛さが嘘のようです。写真やグラデーションの再現性も自信を持ってデザイン提案しています」
株式会社 大元堂
本ページに掲載されている情報は、2014年12月現在のものです。