株式会社JR東日本アイステイションズ様は、日本最大の鉄道事業者であるJR東日本のグループ会社として、全国の鉄道や駅のディスプレイを中心に、鉄道運行情報や商業広告の配信などを行っている企業です。JR東日本の要請で、Twitter(米国版SNS)に続き、新たにWeibo*1(中国版SNS)への鉄道運行情報配信が検討されていました。課題は、Twitterと異なり、WeiboはAPI*2を使ったデータ連携が難しく、開発のハードルが高いということでした。
例えば、JR東日本で運行の遅延などが発生した場合、Twitterは、運行情報の配信システムと、APIで連携しているので、その情報が自動で投稿されます。一方、Weiboは、APIで連携することが難しいため、新たにシステムを構築するか、人が手動操作で投稿する必要がありました。今回、RPAを活用することで、手動操作と同じステップを全て自動化し、コストを抑えながら、365日24時間稼働する、タイムリーで正確な自動投稿が可能となりました。
*1 中国語名「微博」
*2 API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)
伊藤様「運行情報事業部では、現在全国60社局の鉄道事業者と契約し、駅や車両の表示媒体、Webコンテンツ、SNS等へ鉄道の運行情報を配信しています。365日24時間、常に稼働させておかなければならず、障害が起きてもタイムラグが生じない保守体制を構築することが求められます。」
水谷様「今回のRPA導入のきっかけは、JR東日本様から、Twitterに続き、中国版SNSのWeiboへの投稿依頼がきたことでした。Twitterへの投稿は、現状の配信システムとAPI連携することでスムーズな運営が可能でした。WeiboもAPI連携ができれば問題はなかったのですが、様々な事情からWeiboのAPIを使うにはちょっとハードルが高いということで、他の手段を探すことになりました。」
水谷様「配信担当者が24時間張り付いて、手動でコピー&ペーストして投稿するというのは、人的リソースを減らすという観点から現実的ではありませんでした。とは言え、新たにシステムを構築するとなると多大なコストがかかってしまいます。結局、消去法と言いますか、一番コストがかからない選択肢がRPAでした。」
水谷様「RPAの開発は、通常のプログラミング作業とは異なり、フロー図を作るような感覚でした。ロボット作成の操作画面もわかりやすくてハードルはかなり低いと思います。今回は、稼働テストができるまで3か月ぐらいでした。思っていたより早かったですね。」
笹岡様「Weibo投稿は、JR東日本様でもプレス発表するなど、期待が非常に大きく、我々のプレッシャーも相当なものでした。RPA導入は手探り状態からの試みでもあり、初めて投稿された時は非常に感動しましたね。実は投稿初日、予想外の運行トラブルでシステムに大きな負荷がかかったのですが、RPAは問題なく稼働し、大きな自信につながりました。」
水谷様「一般的に、RPAは業務改善というイメージが強いですが、今回のRPAはシステムの一部として稼働しており、コスト削減というよりも、新たな利益を生み出してくれるというイメージが強いです。とてもありがたく思っています。」
伊藤様「今回初めて、RPAを確かなサービスとして利用できるという実績を作れたことは、我々にとって大きな第一歩です。現在も全国の様々な鉄道事業者様から、多言語での運行情報提供の相談が数多く来ておりますので、今後は中国語以外の言語対応も含め、RPAを有効に活用しながら、このノウハウを水平展開していきたいと考えています。
新しい技術を取り入れて何か新しい価値やサービスを創造するとか、業務改善を行うことでリソースを有効活用するとか、そういった取り組みの中で、RPAというのは欠くことのできないツールの一つだと思います。
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