このページの本文へ このサイトのメインメニューへ
ここから本文です

レーザープリンターの動作原理について

帯電/露光

帯電工程

チャージユニットにより感光ドラムの表面全体に均一に帯電させる工程。

チャージの種類

+チャージ: セレンドラム(最大印字数:約2,000Kページ)
-チャージ: OPC(Organic Photoconductor)ドラム(最大印字数:約100Kページ)

コロナ放電

オゾンO3の発生により異臭がするため防臭フィルターを付ける。

コロナ放電

露光工程

レーザービームやLED(Light Emitting Diode)で、印刷データのパターンを帯電した感光ドラムに照射し電気的潜在画像(逆像の不可視画像)を感光ドラム表面に形成する工程。

電気的潜在画像

光の照射された部分の電荷がグランドに落ち、見かけ上非画像部分と逆の電荷が発生したようになる。この部分にトナーが付着することになる。

コロナ放電

ページトップへ

現像

現像工程

ディベロッパーユニットで、トナーを攪拌しながら感光ドラム表面に形成された潜在画像に付着させる(逆像の可視画像が感光ドラム上に形成される)工程。

トナーの種類

+チャージタイプ:+チャージ型感光ドラム(セレン)用
-チャージタイプ:-チャージ型感光ドラム(OPC)用

極性の違ったトナーを使用すると、トナーが機械内部に飛散し放電火花が出る可能性がある。

ディベロッパーについて

  1. 酸化鉄(Fe2O3)ビーズ(粒子系約40μ)を主体に、トナー(粒子系約7~13μ)と混合されたものを一般にディベロッパーと呼んでいる。
    (初期混合比率は、酸化鉄ビーズ約90%:トナー約10%)
  2. 一方、ディベロッパーユニットには、感光ドラムに接近して回転しているマグネットロールがある。マグネットロールはディベロッパーを付着させ常時回転攪拌している。
  3. トナーが補充されて攪拌されると、ディベロッパーの酸化鉄ビーズ上にトナー粒子が均一に付着した形となる。
  4. この状態で、潜在画像を持った感光ドラム表面がディベロッパーユニットを通過するとき、潜在画像部分にトナーが付着し可視画像(逆像)になる。
  5. トナーが攪拌されると摩擦により数万ボルトにまで帯電してしまうため、帯電抑制剤を入れて800~1000Vの電荷を保持するようにしてある。それでも抑制できない場合は、マグネットロールにバイアス電圧をかけてトナーが一定の電荷を保持するようにする。
  6. ディベロッパーは球状が理想的であるが、完全な球状ではないためトナーの粕がくぼみにたまる(フューズオントナー)。これが一定レベルになるとディベロッパーの寿命となる。

コロナ放電

ページトップへ

転写/定着

転写工程

トナーの乗った感光ドラム表面のそばを用紙が通過するとき、用紙の裏からチャージャーで逆電荷をかけることにより感光ドラム上のトナーを用紙に転写する(正像)工程。

トナーの転写効率

用紙上に転写されるトナーは約85%で、残りは感光ドラム上に残留トナーとして残る。

コロナ放電

定着工程

用紙上に転写したトナーを用紙に定着(または融着)する工程。

定着の種類

  1. 熱ロール式
    熱と圧力でトナーを用紙上に融着させる方式で、もっとも一般的ではあるが、用紙に対する負担が大きいため、不適切な用紙を使用するとカールやしわを生じる場合がある。
  2. フラッシュ式
    光を当ててトナーを用紙に融着させる方式で、非接触のため用紙に対する負担は少ないが、黄色トナーでは光を反射するため定着できないのでカラープリンターには不向きである。
  3. オーブン式
    熱を加えてトナーを用紙に融着させる方式で、非接触であるところが熱ロール式と異なる。
  4. 圧力式
    圧力をかけて定着させる方式。
  5. 化学式
    化学溶液等を使用して化学変化により定着させる方式。

コロナ放電

ページトップへ

清掃

清掃工程

用紙に転写しきれなかった感光ドラム上の残留トナーを除去し、次ページの印刷の準備をする工程。

残留電荷除去

  1. 残留トナーは感光ドラム表面に電気的に付着しているので、その付着電荷を除去することによりトナーを取れやすくする。
  2. チャージャーや光を使って行なう。

残留トナー除去

  1. 残留トナーの付着電荷を除去した後、クリーナーブラシで残留トナーを取り除く。これで感光ドラム表面が完全にきれいになり、次ページの印刷準備が整ったことになる。
  2. クリーニング不良は、感光ドラム表面にフィルミングという現象を発生し、感光ドラムの寿命を縮めることになる。
  3. クリーニングユニットは感光ドラムとともに、実際に印刷していないとき(アイドリング状態にあるとき)も作動しているため、交換時期を「ドラムカウント」で表示し「印刷枚数カウント」と分けているプリンターもある。
  4. 印刷画像が、通し方向に対して左右どちらかに著しく偏っているもの(バーコード、太い罫線など)を連続して印刷すると、クリーナーブラシに部分的な負荷がかかり交換時期が早まる可能性がある。

ページトップへ

各サプライ

各サプライについて

トナー

カーボン及びプラスチック等の微粉を交ぜ合わせた黒色の微粒粉でインクに相当するもので、熱融着タイプとフラッシュ定着タイプの2種類がある。

ディベロッパー

銅鉄製のビーズに特殊なコーティングをしたもので、トナーと混ぜ合わせて用い、トナーの微粉状を保ちながら送る役割りをする。

フューザー・オイル

熱融着ローラに塗り用紙のローラからの剥離をスムーズに行うオイル。

オイラー・ベルト

ヒューザー・オイルを均一に塗布するベルト。高速タイプに多い。

フィルター

熱融着ローラ部分の排熱で、トナー/デベの外部への排出を防ぐ。

クリーニング・ブラシ

余分なトナー/デベを除去しドラムをたえずクリーンに保つ。

感光ドラム

ビームを受ける像をつくるドラム。3831用ドラムは有機光半導体(O.P.C)で安価で廃棄が容易。(不燃物)