AWS™構築代行とは?サービス内容や活用メリットなど基本情報を解説

AWS™構築代行とは?サービス内容や活用メリットなど基本情報を解説

専門知識がなくてもAmazon Web Services™(以下、AWS™)の構築ができる、AWS™構築代行サービスの活用を検討しているものの「サービス内容や費用はどのくらいかかるのか」と不安を抱えている企業担当者の方もいるでしょう。

そこで本記事では、AWS™構築代行サービスとは何か、活用するメリットやサービス会社の選び方まで詳しく解説します。

最後まで読んでいただければ、自社に合ったAWS™構築代行サービスが選べて、スムーズにAWS™を運用開始できるでしょう。

目次

AWS™構築代行サービスとは?

AWS™構築代行サービスとは、AWS™を利用したシステムやインフラの初期設計と構築を代行するサービスのことです。AWS™の導入に不安を感じている企業や専門知識を持たない企業でも、システムのクラウド化を実現できます。

AWS™構築代行と運用代行の違いは?

AWS™構築代行と運用代行は、サービスの内容が異なります。構築代行は、AWS™環境を初めて構築する際の設計や設定を行うサービスのことで、具体的には以下のような作業を代行します。

  • インフラの設計
  • セキュリティ設定
  • ネットワーク構成

一方、運用代行は、構築済みのAWS™環境を継続的に管理・運用するサービスで、以下のような業務を代行します。

  • システムの監視
  • システムのアップデート
  • 定期的なバックアップ
  • 障害発生時の復旧対応

構築から運用までを一貫してサポートしてくれる代行会社も存在するため、企業のニーズに合わせて適切なサービスを選ぶことが重要です。

AWS™構築代行と請求代行の違いは?

AWS™請求代行は、利用料金の管理や支払い代行などを行うサービスです。AWS™請求代行サービスは、AWS™利用料を日本円の請求書払いで払いたいかた向けのサービスとなっています。

請求代行サービスについては、「AWS™請求代行サービスとは?」で詳しく解説するので、参考にしてみてください。

AWS™請求代行サービスとは?

AWS™請求代行サービスとは、AWS™利用料を日本円の請求書払いができるよう代行してもらえるサービスです。

AWS™と直接契約すると、クレジットカード支払いもしくは海外送金で対応する必要があります。そのため、日本円での支払いや請求書支払いにしたい企業は、AWS™請求代行サービスを利用するのがおすすめです。

また、請求書代行だけではなく、以下のような他のサービスが受けられる代行会社もあります。

  • AWS™の技術的なサポート
  • アカウントの移管
  • 障害発生時の復旧支援
  • セキュリティ運用

AWS™の導入から運用・請求代行までトータルサポートしてくれる代行会社もあるので、海外との取引が不安な企業は利用を検討してみると良いでしょう。

リコーが提供する「リコー デザイン/マネージドサービス for AWS™」では、AWS™の構築から運用支援とあわせて、請求代行サービスまでご提供しています。

リコー デザイン/マネージドサービス for AWS™ | リコー

AWS™構築代行サービスの内容

AWS™構築代行サービスの内容は主に以下の3つです。

  • 初期設計と環境構築
  • セキュリティ設定とネットワーク構成
  • データ移行とシステム統合

それぞれどのようなサービス内容なのか、詳しく解説します。

初期設計と環境構築

初期設計と環境構築では、以下のサービスを代行します。

  • 必要なリソースの選定
  • アーキテクチャの設計
  • インフラのセットアップ

必要なリソースの選定では企業の要件を詳細にヒアリングし、300を超えるAWS™のサービスの中から適切なものを選定します。

その後、以下の6つの設計原則に基づいてアーキテクチャの設計を実施します。

  • 運用上の優秀性
  • セキュリティ
  • 信頼性
  • パフォーマンス効率
  • コスト最適化
  • サステナビリティ

設定した要件通りに稼働するシステムを構築するためには、上記の設計原則を満たしたアーキテクチャの設計を行うことが重要です。

最後に設計に基づいてインフラを構築し、以下のような設定を行います。

  • ネットワーク環境の構築
  • サーバーの構築
  • ストレージの配置
  • 必要なソフトウェアのインストール

初期設計がしっかりと行われることで、将来的な運用がスムーズになります。

セキュリティ設定とネットワーク構成

まず、企業のセキュリティポリシーに基づいた設定を行い、不正アクセスを防ぐことが重要です。AWS™では以下の6つのセキュリティのベストプラクティス(最善の方法)が定義されています。

  • セキュリティ
  • Identity and Access Management
  • 検出
  • インフラストラクチャ保護
  • データ保護
  • インシデント対応

ベストプラクティスをもとにしたセキュリティ対策として、具体的には以下のようなものが挙げられます。

  • 脆弱性対策
  • 不正アクセス検出
  • 信頼性の高いパスワード設定
  • アクセス管理

ネットワークトポロジーの構成では、VPC(Virtual Private Cloud)を用いて仮想ネットワークを構築します。VPC内には必要に応じてパブリックサブネットかプライベートサブネットを配置します。

各サブネットのどちらを構築するかは以下を基準に選びましょう。

  • パブリックサブネット:インターネットへのアクセスが必要なリソース
  • プライベートサブネット:内部通信のみを行うリソース

また、AWS™のセキュリティサービスであるAWS ShieldやAWS WAF(Web Application Firewall)を利用して、外部のサーバー攻撃からシステムやデータを保護します。

データ移行とシステム統合

既存のデータをAWS™環境に移行する際には、以下のプロセスを行います。

  1. 評価
  2. 計画
  3. 移行
  4. 運用/最適化

評価と計画段階で移行するデータ量やスケジュールを決定し、適切な移行ツール(AWS Data Migration Serviceなど)を使用して安全にデータを転送します。移行後はデータの整合性を確認しながら運用し、パフォーマンスを最適化していきましょう。

システム統合ではAPI統合やデータベース統合などを行い、スムーズなシステム間の連携・効率的なデータ管理を実現します。

AWS™構築代行サービスのメリットと導入効果

AWS™構築代行サービスのメリットと導入効果には、以下の3つのポイントがあります。

  • 専門知識不要でAWS™を活用できる
  • 時間コストが削減できる
  • 最適化された環境構築で効率が向上する

専門知識不要でAWS™を活用できる

AWS™構築代行サービスの大きなメリットは、専門知識がなくてもAWS™を活用できる点です。AWS™は便利で効率的なクラウドサービスですが、活用するためには高度な専門知識や技術が必要です。

構築代行サービスを利用すれば、プロがAWS™環境の設計や構築を行うため、知識を持った従業員がいなくても安心してAWS™を導入できます。

時間コストが削減できる

自社でAWS™環境を構築するには多くの時間と労力が必要ですが、AWS™構築代行サービスを利用することで、時間コストが大幅に削減できます。

専門家が短期間で環境を構築してくれるため、社内リソースを効率的に使用することも可能です。

効率化によって生まれたリソースを新たな事業に活かすこともできるので、時間コストの削減は企業にとって大きなメリットとなります。

最適化された環境構築で効率が向上する

AWS™構築代行サービスでは、企業の要件に合った環境を提供するため、無駄のない効率的なシステムの構築が可能です。

例えば、リソースの適切な配分や性能の最適化が行われるため、運用効率がアップしパフォーマンスも向上します。

環境構築が最適化されることで、企業は運用コストを削減し業務の生産性を向上させることにもつながるでしょう。

AWS™構築代行サービスの料金体系

AWS™構築代行サービスの料金体系について、以下の2点を詳しく解説します。

  • 構築費用例
  • 構築規模別の料金モデル

構築費用例

AWS™構築代行サービスを利用した場合の費用例を、以下の表にまとめました。

サービス 作業内容 費用例
初期設計と環境構築 ・必要なリソースの選定
・アーキテクチャの設計
・インフラのセットアップ
20〜60万円
検証環境の構築 シングル構成 20〜30万円
本番環境の構築 ・高可用性
・セキュリティ構成
50〜60万円

上記の費用に運用・保守サポートを追加した場合は、月額料金がかかることも頭に入れておきましょう。

AWS™構築代行サービスの費用は会社やサービス内容によって異なるので、複数社で見積もりを取って比較するのがおすすめです。

構築規模別の料金モデル

AWS™構築規模別の料金モデルは以下のとおりです。

構築規模 構築内容 費用例
小規模構築 基本的なウェブサイトや小規模アプリケーションの構築 数万円〜20万円程度
中規模構築 ECサイトや中規模な業務システムなど 20万円〜50万円程度
大規模構築 大規模なデータ処理システムや複雑な業務アプリケーションなど 50万円以上

小規模な環境構築の場合は数万円から依頼できるので、初期費用が抑えられます。一方で、大規模なシステム構築を依頼するのであれば、より詳細な設計や高度なセキュリティ設定が必要となるため、費用も高額になります。

自社の要件に合わせた構築規模やプランを選ぶことで、効率的かつ適切なコストでAWS™を導入することが可能です。

AWS™構築代行サービスの導入プロセス

AWS™構築代行サービスの導入プロセスは、以下の3つのステップに分かれます。

  1. 要件定義と構築計画の策定
  2. 環境構築とテスト実施
  3. 本番移行と初期運用サポート

それぞれの導入プロセスについて詳しく解説します。

要件定義と構築計画の策定

まず以下の4ステップで、要件定義と構築計画の策定を行います。

  1. 初回ヒアリングでの現状分析と目標設定
  2. ビジネス要件とシステム要件の整理
  3. 適切なAWS™アーキテクチャの提案と合意形成
  4. プロジェクトスケジュールとマイルストーンの設定

企業の現状と目標を詳細にヒアリングし、必要な機能や性能を定義することで適切なAWS™構築が可能となります。

要件定義と構築計画の策定の段階で予算やリソースの配分も考慮されるので、自社の希望と合っているか確認しておきましょう。

また、マイルストーン(進捗確認や運用開始のタイミングなど基準となる目標地点)を設定しておくことで、予定通り進んでいるかを都度確認でき、構築から運用開始までスムーズに進められます。

環境構築とテスト実施

環境構築とテスト実施の流れは、構築したシステムの信頼性とパフォーマンスを確保するための重要なプロセスです。

環境構築とテスト実施の流れは以下のとおりです。

  1. AWS™アカウントのセットアップと初期設定
  2. セキュリティ設定とネットワーク構成の実装
  3. 各種AWS™サービスの設定と統合
  4. 段階的なテスト実施(単体テスト、結合テスト、負荷テストなど)

テストが完了したら必要に応じてシステムの改修を行い、より適切な環境構築ができるように調整していきます。

本番移行と初期運用サポート

本番移行と初期運用サポートはAWS™構築代行サービスの最終プロセスで、以下の流れで進められます。

  1. 切り替え手順の詳細な策定と関係者との共有
  2. 本番環境への移行作業と稼働確認
  3. 初期の監視体制と緊急時対応の準備
  4. ユーザートレーニングと運用マニュアルの提供
  5. 定期的なレビューミーティングの設定と改善提案

構築代行サービスの中に初期運用サポートまでは入っていますが、継続的にAWS™の運用・保守をしてもらいたい場合は追加オプションで依頼すると良いでしょう。

AWS™構築代行サービス選びのポイント

AWS™構築代行サービスを選ぶ際には以下の3つのポイントを重視しましょう。

  • AWS™認定資格保有者の在籍状況
  • 過去の構築実績と業界経験
  • カスタマイズ対応と拡張性への取り組み

それぞれのポイントについて詳しく解説します。

AWS™認定資格保有者の在籍状況

AWS™認定資格とはAmazonが提供していて、AWS™クラウドサービスに関する知識や技術を持っていることを認定する資格です。

AWS™認定資格保有者が在籍している構築代行サービスを選ぶことで、スムーズなAWS™環境の構築を依頼できます。

また、資格保有者の数やレベルを確認することで、会社の信頼性を判断する材料にもなります。

リコーは、AWS™コンサルティングパートナー認定を取得しております。また、構築支援をおこなうパッケージサービスもご提供しておりますので、AWS™構築でお困りの際はぜひお問い合わせください。

リコー デザイン/マネージドサービス for AWS™ | リコー

過去の構築実績と業界経験

AWS™構築代行サービスのホームページに過去の構築実績や携わった業界が掲載されていることがあります。

過去の構築実績と業界経験を確認する際には、以下のポイントをチェックしましょう。

  • 自社と同じ業界の構築実績が豊富にあるか
  • 官公庁や大手企業の構築実績があるか

掲載されている実績数が多いほど、AWS™構築経験が豊富で様々なニーズに対応できる可能性が高いと判断できます。

また、特定の業界経験が豊富であれば、その業界特有の要件や課題に対応するノウハウを持っていることも考えられるでしょう。

カスタマイズ対応と拡張性への取り組み

AWS™構築代行サービスを選ぶ際は、カスタマイズに対応しているかは必ず確認しましょう。

AWS™は企業のニーズに合わせて様々なカスタマイズが可能で、拡張性にも優れています。

繁忙期や閑散期に合わせてサーバースペックを拡張・縮小しコスト削減につなげたい企業は、拡張性を考慮した構築をしてくれるかも要チェックです。

カスタマイズや拡張性への取り組みが自社の要件に合っている構築代行サービスを選ぶことで、長期的な安定した運用が可能になります。

まとめ

AWS™構築代行サービスは、専門知識を持たない企業でも安心してAWS™を導入できるサービスです。

AWS™の導入が不安な方や専門知識がなくて困っている企業にとっては、最適かつ効率良く構築をしてくれる点が大きなメリットになります。

  • 社内サーバーシステムをクラウドに移行して、IT資産をスリムに適正化したい
  • 従量制のクラウド基盤で始めて過大投資を抑えたい

このような悩みをお持ちの企業様は、リコーが提供する「リコー デザイン/マネージドサービス for AWS™」の活用を検討してみてください。「リコー デザイン/マネージドサービス for AWS™」はAWS™の構築から運用支援までトータルサポートするサービスです。

専門知識がなくてもすぐにAWS™を活用できるパッケージを用意しているので、ぜひチェックしてみてください。

リコー デザイン/マネージドサービス for AWS™ | リコー

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