「ビジネスの成長に対応できるような、拡張性の高いクラウドファイルサーバーを知りたい」
「データ管理の効率化のためにクラウドファイルサーバーの導入を検討中だが、自社に合うサーバーの選び方がわからない」
中小企業の経営者やIT部門の担当者の中にはこのような悩みをお持ちの方もいるでしょう。
クラウドファイルサーバーは数多くあり、サービス内容や料金が異なるため、選び方が難しいのは事実です。
そこで本記事では、サーバー選定に必要な基礎知識やおすすめのクラウドファイルサーバーを紹介します。
最後まで読めば、自社に合ったクラウドファイルサーバーがわかり、導入までの道筋が明確になるでしょう。
目次
中小企業とクラウドファイルサーバーの関係性について以下の2点を解説します。
なお、クラウドファイルサーバーについて詳しく知りたい方は「クラウドファイルサーバー完全ガイド|選び方から導入まで徹底解説」をご覧ください。
中小企業庁によると、中小企業は以下のように定義されています。
業種分類 | 中小企業基本法の定義 |
---|---|
製造業その他 | 資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人 |
卸売業 | 資本金の額又は出資の総額が1億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人 |
小売業 | 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人 |
サービス業 | 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人 |
出典:中小企業・小規模企業者の定義 | 中小企業庁
中小企業庁の発表によると、2021年6月時点で、中小企業は企業全体の99.7%を占めています。
出典:中小企業庁「中小企業・小規模事業者の数(2021年6月時点)の集計結果を公表します」
近年、中小企業の間で、サーバー設置をオンプレミス環境からクラウドファイルサーバーへ移行するクラウドシフトが進んでいます。
ノークリサーチの調査によると、クラウドファイルサーバーを導入している中小企業は約55%と過半数です。さらに、オンプレミス環境からクラウドファイルサーバーに移行した企業は、約30%となっています。
また、デル・テクノロジーズが実施した調査によると、IT関連の中小企業のサーバー保有台数は以下のとおりです。
サーバー保有台数 | 割合 |
---|---|
1台 | 13.8% |
2~5台 | 36.9% |
6~10台 | 16.3% |
11~30台 | 6.6% |
31台以上 | 4.3% |
設置していない | 22.1% |
出典:
中小企業の8割がサーバーを保有している一方で、クラウドファイルサーバーを導入している企業は約55%に留まり、約半数がオンプレミス環境であることがわかります。
中小企業がサーバーを選定する際に必要な基礎知識を紹介します。
それぞれの基礎知識について詳しく解説します。
なお、クラウドファイルサーバーについて詳しく知りたい方は「クラウドファイルサーバー完全ガイド|選び方から導入まで徹底解説」をご覧ください。
オンプレミスサーバーは、自社でサーバーを所有し、自社で管理する方法です。
一方、クラウドファイルサーバーは、インターネット経由で外部の仮想サーバーを設置する方法です。
オンプレミスサーバーでは、サーバーの管理運用や故障時の対応、セキュリティ対策まですべて自社で行う必要があります。
一方、クラウドファイルサーバーでは、運用保守やセキュリティ対策などはプロバイダが行うため、自社で管理する手間が大幅に削減できます。また、リソースの拡張・縮小も容易にできるため、柔軟なサーバー運用が可能です。
レンタルサーバーは、プロバイダが利用するサーバーを借りて運用する方法です。自社でサーバーを保有せずプロバイダが運用を行うため、専門知識がなくても利用できる点がメリットです。
一方、サーバーやスペックのカスタマイズの自由度が低いため、事業の成長に合わせた柔軟な拡張が難しい場合があります。
また、他の利用者とサーバーリソースを共有するため、処理速度やアクセス速度が制限されるリスクがあります。
クラウドファイルサーバーは、リソースを必要に応じて拡張・縮小できるため、事業の成長や急なアクセス増加に合わせて柔軟に対応可能です。
さらに、他の利用者とリソースを共有しないため、安定したパフォーマンスを提供できます。
クラウドファイルサーバーを導入する主なメリットは、以下の4つ挙げられます。
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
クラウドファイルサーバーは従量課金制を採用しているケースが多く、利用量の分だけ費用が発生するため、コストをおさえられる点がメリットです。
また、オンプレミスサーバーのように、サーバーや機器の購入にかかる初期投資も不要になります。
サーバーの運用保守にかかる費用や人件費の削減も期待でき、サーバーの導入から運用までトータルコストの削減が期待できます。
クラウドファイルサーバーは、Web上でサーバーの台数やスペックの変更が簡単に行えます。
必要な時に必要なだけリソースを拡張・縮小できるため、事業の成長や繁忙期・閑散期といった変動に柔軟に対応可能です。
例えば、アクセスが急増した際にはリソースを拡張し、逆に使用が減少した時にはリソースを縮小することで、効率的な運用が可能となります。
拡張・縮小にかかる時間も短く、柔軟性に優れている点は、事業の成長スピードが速い中小企業にとって魅力となるでしょう。
クラウドファイルサーバーに移行することで、自社内でのサーバー管理・運用の負担を大幅に軽減できます。
基本的にはプロバイダがハードウェアのメンテナンスや更新を行うため、自社のITリソースを他の業務に集中させることができます。
クラウドファイルサーバーは、国内外の堅牢なデータセンターで管理されており、BCP(事業継続計画)対策として有効です。
自然災害や予期せぬトラブルが発生しても、サーバーの稼働を継続できるため、企業の重要なデータを安全に保護できます。
万が一、災害によって自社が被害を受けても早急にサーバー復旧ができるため、顧客からの信頼獲得にもつながります。
中小企業のサーバーにAmazon Web Services™(以下、AWS™)が選ばれる理由は、主に以下の4つが挙げられます。
それぞれのAWS™が選ばれる理由を詳しく紹介します。
AWS™は、クラウドサービスの世界シェアにおいてトップの地位を占めています。
Canalysの調査によると、2023年第4四半期時点の世界シェアはAWS™が31%、Azureが26%、Google Cloud™が10%です。
また、総務省の「令和6年版 情報通信白書」によると、PaaS/IaaSのAWS™、Azure、Google Cloud™利用率は以下の通りです。
引用:総務省「令和6年版 情報通信白書」
利用者が多いということは豊富なノウハウや事例が蓄積されていることを示しており、導入や運用が容易であることがAWS™の特徴です。
ほかのクラウドファイルサーバーについて知りたい方は「【最新版】主要クラウドファイルサーバー比較|料金や特徴・選び方を解説」をご覧ください。
出典:Worldwide cloud service spending to grow by 20% in 2024
出典:株式会社MM総研「国内クラウドサービスの市場規模は3.5兆円に拡大」
AWS™は、IaaS、PaaS、SaaSなど、幅広いサービスと機能を提供しており、企業の様々なニーズに対応可能です。
2024年7月時点で300以上のサービスを提供しており、企業は自社の要件に適切なサービスを選択できます。
具体的には、ストレージやデータベース、機械学習やAIといった最新技術を活用したサービスなどを提供しています。
出典:AWS™ クラウド製品
AWS™はスケーラビリティ(拡張性)に優れているため、いつでもサーバーやシステムの拡張・縮小が可能です。
また、サーバーやシステムの追加・拡張はわずか数分で完了するため、ビジネスに与える影響を最小限におさえられます。
仮に、アクセス数の増加に合わせてサーバーを拡張しようとした際に、時間がかかってしまうとサーバーがダウンし収益が減少してしまう可能性があります。
AWS™は事業の成長やアクセス数などの変化に合わせて、柔軟かつ短時間でサーバーを増減できるため、成長スピードが速い中小企業にとって使いやすいクラウドファイルサーバーです。
AWS™には、世界中に数百万人のユーザーが存在しており、専門的な技術者たちによって構成されているコミュニティがあります。
AWS™コミュニティでは、情報交換や技術的な質問に対する回答などが行われており、困ったときにすぐに解決策を見つけられます。
中小企業が直面するクラウドファイルサーバー導入に対する課題には、以下のようなものが挙げられます。
それぞれの課題について詳しく解説します。
オンプレミスからクラウドに移行する際、初期設定やデータ移行などの費用が発生するため、資金が少ない中小企業にとっては大きな課題となっています。
また、クラウドサービスの料金体系は複雑で、利用状況によって変動するため、予算の予測が難しいことも課題です。
クラウドファイルサーバーの導入によって、長期的にはコスト削減が期待できるものの、初期投資とのバランスを慎重に検討する必要があります。
既存システムからクラウドへのデータ移行は、プロセスが複雑で慎重な対応が必要です。
データ損失や破損のリスクが伴い、移行中のダウンタイムがビジネスに影響を与える可能性もあります。
特に、重要なデータを扱う中小企業にとっては、これらのリスクを最小限におさえるための対策が求められます。
クラウドファイルサーバーを効果的に活用するためには、専門的な知識やスキルが必要となります。
しかし、中小企業では、IT人材が不足していて、導入後の運用・管理やトラブル発生時の適切かつ迅速な対応が難しいという企業も多いです。
リコーが提供する「リコー デザイン/マネージドサービス for AWS™」を活用することで、AWS™導入に関する課題を解決できます。
リコー デザイン/マネージドサービス for AWS™は、面倒な設定作業を不要とし、契約から最短2営業日でAWS™によるクラウドコンピューティングをスタートできます。
また、利用用途に合わせたサーバーの推奨モデルを提供しており、具体的な料金目安もWebサイトに記載されているため、コスト予測がしやすい点も中小企業にとって大きなメリットです。
さらに、運用面のサポートも受けられるため、IT人材不足の課題を補完し安心してクラウド環境を利用できます。
リコー デザイン/マネージドサービス for AWS™ | リコー
クラウドファイルサーバーの導入は中小企業にとって多くのメリットがありますが、導入コスト、データ移行のリスク、社内の技術力不足といった課題も存在します。
中小企業がクラウドシフトを成功させるためには、適切なサポートと計画的な導入が重要です。
このような悩みをお持ちの企業様は、リコーが提供する「リコー デザイン/マネージドサービス for AWS™」の活用をご検討ください。
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専門知識がなくてもすぐにAWSを活用できるパッケージを用意しているため、ぜひチェックしてみてください。
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