ファイル転送サービスは、メールでは送れない大容量のファイルを手軽に送受信できる便利なツールです。しかし、セキュリティ面や利便性の課題から、ビジネスでの利用には注意が必要です。
本記事では、ファイル転送サービスの特徴やメリット・デメリットを解説するとともに、ビジネスに最適な3つのサービスを比較検討します。また、ファイル転送サービスとよく比較されるオンラインストレージサービスの特徴についても解説します。
自社に最適なサービスを見つけるための参考になる情報が満載です。ぜひ、ファイル転送サービス選びにお役立てください。
目次
ファイル転送サービスとは、インターネットを介して個人や企業間でデータファイルをやり取りできるサービスのことです。メールでは添付できない、大容量のファイルを手軽に送受信できるのが最大の特徴です。
一時的なファイルのやり取りに適しており、大容量の画像や動画、書類などを送信する際に役立ちます。ただし、頻繁にアクセスするファイルは、ファイル転送サービスよりもクラウドストレージサービスでの管理のほうが安全性や利便性が高く向いています。
利用方法は簡単で、アップロードしたファイルの受け渡し用URLを相手に伝えるだけです。受信者は共有されたURLからファイルをダウンロードできます。サービスによっては、パスワード設定によるセキュリティ強化やファイルの保存期間の設定なども可能です。
ファイル転送サービスには無料のものもありますが、より大容量のファイル送信やセキュリティ面の充実を求める場合は有料プランの利用がおすすめです。用途や重要度に応じて、最適なサービスを選ぶようにしましょう。
ファイル転送サービスは、データファイルをインターネット経由で送受信できる便利なサービスですが、セキュリティ面には注意が必要です。
まず、ファイル転送サービスを利用する際は、セキュリティ対策は運営会社に依存します。そのため、自社の状況に合わせたセキュリティ対策ができません。
また、ファイル転送サービスでは、送信するデータファイルを一時的にインターネット上のサーバーにアップロードします。アップロードしたデータのセキュリティが十分ではない場合、悪意のある第三者に傍受されるリスクがあります。
具体的にどの程度のセキュリティリスクがあるのかは、利用するファイル転送サービスによってさまざまです。暗号化通信の実施や、ウイルスチェック、アクセス制限などのセキュリティ対策がなされているサービスを選べば、リスクを最小限に抑えられます。
ファイル転送サービスとファイル共有サービス(クラウドストレージ)は、ともにファイルの送受信や共有ができるサービスですが、両者には大きな違いがあります。ファイル転送サービスは一時的なファイルの受け渡しに特化しているのに対し、ファイル共有サービスは長期的なファイルの保管・共有に適しています。
ファイル転送サービスは、Webブラウザ上でファイルが簡単に送受信できるサービスです。送信者がファイルをアップロードし、受信者がそのファイルをダウンロードする、というシンプルな仕組みです。ファイルのやりとりがメインのため、長期的に保管はされません。
一方、クラウドストレージを使ったファイル共有サービスでは、ファイルをクラウドストレージ上に保存・蓄積ができます。保存されたファイルは、許可された利用者であればいつでもアクセス・共有が可能です。また、ファイルの保存期間も、ユーザー側で自由に設定できます。
たとえば、ファイル転送サービスは「宅配便」、ファイル共有サービスは「倉庫」のような位置付けです。前者は一時的なファイルの受け渡しに便利で、後者は長期的なファイルの保管・共有に向いているため、用途や目的に応じた使い分けが大切だといえるでしょう。
ファイル転送サービスを利用すると、大容量ファイルの送受信やセキュリティ面の強化など、さまざまなメリットが得られます。ここでは、ファイル転送サービスの主なメリットを2つ解説します。
ファイル転送サービスは、容量の大きな画像ファイルや動画ファイルなどを、一度にまとめて送信できます。受信者は、送られてきたURLからファイルをダウンロードするだけで済むため、手間がかかりません。
メールでファイルを送信する場合、容量が大きいと送受信に時間を要します。また、メールサービスによっては、添付ファイルの容量制限により、ファイルが送信できない場合もあります。
ファイルを分割して複数のメールに添付する方法もありますが、受信者側で添付ファイルを一つひとつダウンロードする必要があり煩雑です。
大容量のファイルをスムーズにやり取りできるのは、ファイル転送サービスのメリットといえます。
一部のファイル転送サービスには、セキュリティ面を強化する機能が備わっています。
たとえば「メールでダウンロード用のURLのみを送信する」機能があるサービスでは、メールにファイルそのものを添付せずに、URLのみを相手方に送信します。万が一メールが第三者に傍受されてしまっても、ファイル自体は流出しない仕組みです。
また、「ダウンロードし終わったらファイルを自動で削除する」機能を備えたサービスもあります。ファイルの受け渡しが完了したら、サーバー上からファイルが削除されるため、不要なリスクを排除できます。
ファイル転送サービスを活用すれば、大容量ファイルの送受信やセキュリティ強化を、手軽に実現できる点がメリットです。
ファイル転送サービスは便利なツールですが、利用する前に注意すべき点もあります。ここでは、セキュリティ面や情報管理面での留意点を解説します。
ファイル転送サービスのセキュリティ対策は、サービス運営会社の方針に全面的に依存します。利用者側がより高水準のセキュリティを求めても、応えてもらえない可能性があります。
サービス運営会社の利用規約やセキュリティポリシーを確認し、自社の求めるセキュリティ水準を満たしているかどうかの線引きが必要です。規約やポリシーの記載内容に不明な点があれば、事前にサービス提供会社に問い合わせておきましょう。
ファイル転送サービスでは、たとえパスワードを設定していても、そのパスワード自体が何らかの方法で盗まれてしまう可能性があります。
情報漏洩が発生すれば、自社とやりとりをする個人や企業に直接的な被害を与えるだけでなく、社会的信用の失墜が危惧されます。状況によっては、法的な損害賠償請求を受ける可能性もあるでしょう。
対策としては、機密度の高い情報をファイル転送サービスで送受信する運用は避け、社内のセキュアなシステムを利用するのが賢明です。どうしてもファイル転送サービスを使う必要がある場合は、暗号化や2段階認証など十分なセキュリティ対策が施されているかを確認しましょう。
ファイル転送サービスのなかには、ファイルの送受信履歴を機能として持たないものもあります。履歴管理ができないと、いつ・誰が・どのファイルにアクセスしたのかがわからず、情報共有の範囲や、ファイルの送付状況、アクセス状況などが把握できません。
また、トラブルが発生した際の原因究明には、送受信履歴が有効なため、企業で利用する場合は必須といえるほど履歴管理は重要です。
懸念を払拭する方法として、ファイル送受信の履歴(ログ)を管理できる機能を備えたクラウドストレージサービスの利用をおすすめします。
たとえば「RICOH Drive」なら、ログの保管期限は無制限です。ファイルはSSL通信で暗号化して送受信されるため、安全にファイルの共有が可能です。
弊社では、RICOH Driveの機能と特徴を紹介した活用ガイドを用意しています。ファイル転送サービスの選定において、セキュリティと利便性の両立にお悩みの方は、ぜひこちらをご覧ください。
ビジネスシーンでファイル転送サービスを活用する際は、セキュリティ面での信頼性や、利便性の高さがポイントになります。
ここでは、ビジネスでの利用に適したおすすめのファイル転送サービスを3つピックアップして紹介します。
ギガファイル便は、純国産の日本製サービスです。データセンターに自社サーバーを設置しているため、セキュリティ面での信頼性の高さが特長です。
登録不要で無料から利用でき、1ファイルあたりの容量制限が最大300GBと大きいため、動画のような容量の大きいファイルも転送できます。
すぐに容量の大きなファイルを共有したい場合に適したサービスです。
データ便は、ライトプラン、ベーシックプラン、プロプランの3つのプランを用意しており、利用用途に適したものを選べます。最大30日間、サーバー上でファイルを保持可能なので、受信者がすぐにダウンロードできない場合でも安心です。
会員登録不要の無料プランでは1送信あたり500MBまで、会員登録した場合は最大2GBまでファイル送信ができます。幅広いニーズに対応できる便利なサービスといえるでしょう。
オフィス宅ふぁいる便の特長は、セキュリティ機能の充実ぶりです。送信前のウイルスチェックや送信取消機能、不要ファイルの自動削除、サーバーへの暗号化保存など、安全性を重視した設計になっています。
ファイル転送容量は最大10GBまで対応し、月額利用料は、5ユーザーまで利用できるスタンダードプランの場合、3,000円(税抜)からの設定です。初期費用は20,000円(税抜)かかりますが、セキュリティ重視のビジネス用途には最適なサービスだといえます。
ファイル転送サービスを選ぶ際は、主に3つのポイントを比較検討する必要があります。具体的な内容を解説します。
1つ目の比較ポイントは、セキュリティ面です。SSL暗号化通信によるファイルの送受信、一定回数以上のログイン失敗によるアカウントロック、ダウンロード回数の制限設定など、セキュリティ機能の充実度をチェックしましょう。機密性の高いファイルを扱う場合は、これらの機能は必須といえます。
2つ目の比較ポイントは、ファイル容量です。一度に送信できるファイルの最大容量と、アカウントあたりのアップロード可能容量の確認が大切です。無料プランのサービスは、容量制限が厳しい傾向にあるため転送したいファイルの容量に注意が必要です。大容量ファイルの送受信が予想される場合は、容量面で余裕のあるサービスを選ぶとよいでしょう。
3つ目の比較ポイントは、コストです。ファイル転送サービスは、月額制のプランが多く用意されています。ただし、サービスによって料金体系はさまざまです。ユーザー数に応じた課金制のものもあれば、容量単位で課金されるサービスもあります。複数のサービスを比較検討し、自社の利用形態に最も適したプランの選定が肝要です。
自社に最適なサービスを見つけるためにも、上記3つの比較ポイントをおさえておきましょう。
ファイル転送サービスよりもさらに効率性とセキュリティを重視するなら、オンラインストレージサービスの「RICOH Drive」がおすすめです。
RICOH Drive はファイル転送サービスの利便性とファイル共有サービスの 2 つの機能を併せ持った法人向け のオンラインストレージサービスです。
セキュリティ面では、ユーザーごとのアクセス方法制限やSSL暗号化通信など、企業向けに十分なセキュリティ機能を備えています。さらに、ISO27001 ISMS適合評価制度を取得済みです。企業の機密情報を扱うビジネスシーンでも、安心して利用できるサービスです。
また、RICOH Driveは利便性も追求しています。共有フォルダのように直感的に使えるインターフェースを採用しています。ファイル内の全文検索機能や、ドラッグ&ドロップでのファイルアップロードなど、ユーザーの作業効率を高める工夫が随所に見られます。
管理者向け機能も充実しているのがポイントです。時間を設定してのファイルの強制削除や、利用者への告知が行える「お知らせ機能」、ダウンロード可能なログ情報の提供など、セキュリティと利便性を両立するための機能が豊富に用意されています。
RICOH Driveでは、1ヶ月間の無料トライアルを実施中です。実際の業務でお試しいただき、その使いやすさと安全性を体感してみてはいかがでしょうか。
導入をご検討中の方は、ぜひRICOH Driveの無料トライアルをお申し込みください。
ファイル転送サービスは、大容量ファイルの送受信に便利ですが、セキュリティや利便性の面で課題もあります。ビジネスでの利用には、ギガファイル便、データ便、オフィス宅ふぁいる便などがおすすめですが、セキュリティ、ファイル容量、コストの3点から比較検討が必要です。
さらに効率性とセキュリティを重視するなら、オンラインストレージサービスのRICOH Driveが最適です。企業向けに十分なセキュリティ機能と利便性の高さが特長で、1ヶ月間の無料トライアルを実施中です。ファイル転送サービスの使い勝手を試す機会にご検討ください。
各サービスの記載内容は2024年11月時点の内容です。最新情報は公式ページにてご確認ください。