工事情報共有システムを利用することで、書類提出にかかる手間や時間を削減できるほか、電子納品データの作成や管理がスムーズになります。
本記事では、工事情報共有システムの主な機能や、工事情報共有システムを導入するメリットについて紹介しています。
また、工事情報共有システムでよくある質問についても紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
工事情報共有システムとは、土木や建築工事に関連する図面・工程表・写真などの各種データをインターネットで共有するシステムです。
インターネット上で書類の発議や回覧、決裁まで可能になるため、業務の効率化が図れます。さらに、過去の書類を検索できる機能があり、文書管理の効率化も可能です。
国土交通省でも以下の内容で定義されています。
> 公共事業において、情報通信技術を活用し、受発注者間など異なる組織間で情報を交換・共有することによって 業務効率化を実現するシステムです。なお、情報共有システム提供者における機能要件対応状況は「電子納品に関する要領・基準」のホームページに掲載しています。
引用元:国土交通省|土木工事等の情報共有システム活用ガイドライン
また、3次元モデルを扱うBIM(building information modeling)やCIM(Construction Information Modeling,Management)を活用する場合、扱う情報量が多いため、工事情報共有システムの重要度はさらに高くなります。
つづいて工事情報共有システムの主な機能について紹介します。
工事情報共有システムには、日程調整や必要事項の連絡に関する機能が充実しています。主な機能として、以下の要素が挙げられます。
これらの機能により、情報共有が容易になるため、作業品質や生産性の向上につながります。
工事情報共有システムには、必要な書類の出力と保管をサポートする機能があります。
これらの機能を活用することで、工事における必要書類の管理や作成などの負担が軽減されます。また、ヒューマンエラーなども減らせます。
工事情報共有システムは、工事帳簿の授受に関連する機能も充実しています。具体的には、以下のような機能が挙げられます。
これらの機能を活用することで、工事帳簿の発議から承認、そして整理と管理までのプロセスが効率化されます。工事関連の書類や情報の追跡と共有が容易になるため、プロジェクトの議事録の実行に貢献できます。
工事情報共有システムには、電子納品に関連する機能が含まれています。
この機能により、受注者は電子成果品を作成し、システムにアップロードできます。同時に、発注者はこれらの成果品を承認し、必要な情報の保管が容易に可能です。
電子納品に関する要領・基準は、国土交通省のガイドラインで、基本的な機能や運用ルールが定められています。
工事情報共有システムを導入するメリットは、大きく分けると以下3点あります。
それぞれの内容について解説していきます。
工事情報共有システムの導入により、書類提出にかかる手間や時間を削減できます。近年、書類の提出はメールや大容量ファイル送信サービスで行われることが増えましたが、工事情報共有システムの「ワークフロー機能」を利用するとさらに便利になります。
ワークフロー機能を使えば、書類の発議や承認、決済処理などもオンライン上で完結でき、発注者と受注者両方とも、書類の提出や確認時間の削減をすることが可能です。
工事情報共通システムの導入により、電子納品データの作成と管理もスムーズになります。これまで、受注者は電子納品データを作成する際に、書類を完全に電子化し、各自治体の「電子納品ガイドライン」に沿ったデータの整理や修正対応をおこなう必要がありました。
しかし、工事情報共有システムを活用することで、書類の電子化作業が自動化され、受注者の負担が軽減されます。
多くの自治体が発注者となる際、メールサーバーの容量制限によって、大容量ファイルの送受信に手間と労力がかかっていました。さらに、一般的な大容量ファイル送信サービスは、ダウンロードの有効期限が短く、期限を過ぎてしまうと再度アップロードに手間がかかるという問題が存在していました。
しかし、工事情報共有システムを利用することで、サーバー上に大容量ファイルを簡単に共有できるため、データの送受信が格段に効率的になります。
次は工事情報共有システムでよくある質問について紹介します。
工事情報共有システムは、「ASP(Application Service Provider)」を利用したシステムが主流となっています。ASPとは、インターネット上で利用できるサービスやサービスを提供する事業者を指す言葉です。
建設業に特化したシステムは「建設ASP」という名前で呼ばれ、多くの業者から評価を受けています。
BIM(building information modeling)/CIM(Construction Information Modeling,Management)とは、3次元モデルで建築物の構造を表現し、各段階において関係者間の情報共有をおこなう取り組みのことです。
BIM(building information modeling)/CIM(Construction Information Modeling,Management)の主な目的は、計画から維持管理までの事業プロセス全体における建設生産と管理システムを効率化、高度化することです。この目的を達成するためには、事業の初期段階からBIM(building information modeling)/CIM(Construction Information Modeling,Management)の利用目的を設定し、各段階で積極的に活用する必要があります。
そのため、BIM(building information modeling)/CIM(Construction Information Modeling,Management)の活用業務や工事を着工する際には、事前に協議を行い、受発注者間で活用目的を決定するプロセスが必要です。
工事情報共有システムを選ぶ際のポイントはいくつかありますが、主には以下の内容をポイントとして選ぶことをオススメします。
これらのポイントをチェックしておくことで、導入後の利便性がさらに高まります。自社のニーズに合ったシステムを選定するように注意してください。
この記事では、工事情報共有システムの主な機能や、工事情報共有システムを導入するメリットについて紹介しました。
工事情報共有システムを利用することで、書類提出にかかる手間や時間を削減できるほか、電子納品データの作成や管理がスムーズになります。また、サーバー上に大容量ファイルを共有できるため、データの送受信にかかる労力を減らすことが可能です。
工事情報共有システムの導入を検討している人は、これらの情報を参考に導入を検討してみてください。
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