Main content

工事現場でウェアラブルカメラを利用する4つのメリット|国土交通省が推進する理由やデメリットも解説!

画像:工事現場でウェアラブルカメラを利用する4つのメリット|国土交通省が推進する理由やデメリットも解説!

ウェアラブルカメラを工事現場に導入することは、作業効率や品質管理において大きなメリットがあります。

本記事ではウェアラブルカメラの導入が推進されている背景や、ウェアラブルカメラのメリット・デメリットについて解説します。

ウェアラブルカメラの種類についても紹介しますので、導入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

目次

工事現場でウェアラブルカメラ導入が推進される4つの背景

工事現場でウェアラブルカメラの導入が推進されている背景として、次の4つが挙げられます。

  • 国土交通省による遠隔臨場の推進
  • 新たな人材の育成
  • 慢性的な人手不足
  • 抜本的な業務効率化

それぞれ詳しい内容についてみていきましょう。

1.国土交通省による遠隔臨場の推進

国土交通省は、公共工事の工事現場において遠隔臨場を積極的に推進しています。 遠隔臨場とは、映像や音声を活用し、ウェアラブルカメラやスマートフォンなどの技術を使用して、遠隔地から工事現場の状況を確認することです。

とくに、コロナウイルスの感染拡大から、現場に人が集中することを避けるための取り組みの一環として注目されました。2020年3月に国土交通省が策定した方針では、ウェアラブルカメラを用いた監督・検査作業の効率化を目指しています。

2.新たな人材の育成

工事現場において、職人の高齢化による人手不足は深刻な課題で、新しい人材の獲得や育成は難しい状況です。

しかし、ウェアラブルカメラを使えば、作業の様子を記録として残せます。作業者の目線で作業感覚がダイレクトに体感できるため、新人や若手の教育や研修の効率化が図れ、遠隔地からでもベテラン技術者の指導を受けることが可能となります。

このように、ウェアラブルカメラの導入は人材育成だけでなく、作業の効率化や品質向上にも期待を寄せており、多面的な改革を推進する重要な手段となっています。

3.慢性的な人手不足

工事現場は慢性的な人手不足に悩む状況がつづいており、長時間労働も切実な課題となっています。 作業員数が少ないと、複数の現場を掛け持ちする現場監督者も増え、結果的に一人当たりの業務過多につながっています。また、移動や準備による時間の無駄も多く発生しているのが現状です。

このような問題を解決する目的で、さまざまなデジタルトランスフォーメーション(DX)の導入が進められています。そのなかの1つがウェアラブルカメラであり、現場監督の不在による作業の遅延や、指示待ちによる作業時間の短縮が期待されています。

4.抜本的な業務効率化

大手ゼネコンをはじめとする企業では、工事現場作業を効率化する取り組みの強化をしています。

従来、現場作業は作業員がその場で判断を下し、不明点については現場監督に電話で確認するのが一般的であったため、ミスの有無を確認するのが難しいという点が課題でした。

このような課題に対して、ウェアラブルカメラでの遠隔監視や記録機能が有効に活用されています。ウェアラブルカメラを置くことで、作業のプロセスを詳細に記録し、ミスの発生有無など状況確認ができるようになります。

工事現場でウェアラブルカメラを利用する4つのメリット

次は工事現場でウェアラブルカメラを利用するメリットを紹介します。

  • 遠隔で現場を支援できる
  • 移動や準備にかかる時間を減らせる
  • 作業を見直して履修できる
  • 安全性も担保できる

それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。

1.遠隔で現場を支援できる

ウェアラブルカメラは、遠隔地からでも作業現場の状況を瞬時に確認できるツールです。そのため、現場監督は遠隔地で工事状況を把握し、離れた場所から必要な指示を出せるようになります。

ミスが起きた場合でも、その場で作業員に対して指摘や訂正指示が可能です。 カメラを通じて音声で通知できるため、作業員が電話をかけて手を止める時間も省けます。

このような遠隔支援は、ある特定の高度なスキルが必要な場合でも、その専門家が遠隔で現場作業をサポートすることが可能です。ウェアラブルカメラによる遠隔支援は、工事現場の課題を解決する手段として、今後さらなる活用が期待されています。

2.移動や準備にかかる時間を減らせる

ウェアラブルカメラと遠隔支援技術の導入により、工事現場でも移動や準備時間の短縮に大きな進歩が見られています。

これまで、現場監督は複数の現場を掛け持ち、移動時間や準備に多くの時間を費やしていました。しかし、ウェアラブルカメラによる遠隔支援が可能になったことで、遠隔地からのカメラを通じた指示が実現し、これまでの課題を解決できるようになったのです。

3.作業を見直して履修できる

研修中の新人が、作業中のベテラン作業員から、直接技術を学ぶことは難しい場合もあります。そこで利用できるのがウェアラブルカメラです。

具体的には、ウェアラブルカメラを使用してベテラン作業員の作業を録画することで、後からその映像を見て新人作業員がどのような作業を行うべきかを学習できます。このように、ウェアラブルカメラは工事現場における人材育成の効率化や、作業の質を高める一助となります。

4.安全性も担保できる

スマートフォンなどでは手を使って撮影する必要があるため、とくに高い所での作業ではリスクが伴いました。しかし、ウェアラブルカメラは頭や胸に装着できるため、手を完全に自由にして作業を行うことが可能です。

ウェアラブルカメラは工事現場での安全対策ツールとして、多くの企業や現場での導入が期待されます。

工事現場でウェアラブルカメラを利用する2つのデメリット

次はデメリットについて紹介します。

  • 導入や運用にコストがかかる
  • 作業員の同意を得る必要がある

それぞれ詳しい内容についてみていきましょう。

1.導入や運用にコストがかかる

ウェアラブルカメラの導入が、工事現場での作業効率向上や安全性の確保に重点を置く一方で、その導入や運用にはそれなりのコストがかかります。初期投資として、ウェアラブルカメラの本体購入が必要で、通信環境を整えるためのコストも必要です。

たとえば、現場からのデータ転送や中継をスムーズに行うためには、通信設備の構築や強化が必要になることが多いです。その結果、新たな通信機器の導入やサーバーの設定、モニターの導入など、さまざまな設備投資が求められます。

ウェアラブルカメラを導入する際は、そのメリットとコストのバランスを考慮することが大切です。

2.作業員の同意を得る必要がある

カメラの起動やアングルの調整などは現場の作業員が行うため、ウェアラブルカメラの導入を進めるには、作業員の同意を得ることが必要です。

これは、事前の研修や使用方法のレクチャーが必要であることを意味します。とくに、ITリテラシーが低い作業員にとっては、新しいデバイスの操作が難しい場合もあるかもしれません。

このような状況下では、操作しやすいカメラを選ぶことや、わかりやすいマニュアル作成などの準備や指導が必要です。また、作業員自身がカメラの操作やデータの送信に関わるため、プライバシーやデータセキュリティについても十分な説明と同意が必要です。

そのため、各企業は導入前に十分な準備とコミュニケーションを行う必要があります。

工事現場で利用されるウェアラブルカメラの種類は3つ

次はウェアラブルカメラの種類について紹介します。

  • ヘルメット装着型
  • メガネ型のスマートグラス
  • ヘッドセット型

1.ヘルメット装着型

このタイプのウェアラブルカメラは、現場作業者のヘルメットにヘッドストラップを固定し、アダプターを介してウェアラブルカメラを差し込むことでヘルメットに装着できます。

作業員が日常的に使用しているヘルメットに装着できるため、新しい機器を持ち込む際の違和感がほとんどありません。そのため、ウェアラブルカメラをはじめて導入する場合でも、作業者の理解が得られやすいタイプであるといえます。

2.メガネ型のスマートグラス

このタイプのウェアラブルカメラは、カメラの位置が作業者の視点の高さにあるため、作業者の目線にもっとも近い映像の撮影が可能です。

しかし、全面的なレンズタイプのものは視界が遮られる可能性があるため、高所や段差のある現場での使用には注意が必要となります。このような場面では、「片目タイプ」のスマートグラスがオススメです。

また、特定のスマートグラスには、レンズ上での直接的な赤ペンでの描画機能が搭載されており、これにより現場監督から現場作業者へ指示出しが容易になる利点があります。

3.ヘッドセット型

このタイプのウェアラブルカメラは、装着者の視点に近い位置にカメラを取り付けているため、作業者の目線で撮影できる点がメリットです。長時間の作業においても負荷が少なく、作業の障害となることはほとんどありません。

また、音声通信機能を搭載していることで、現場作業員同士、あるいは指示を出す現場監督とのスムーズなコミュニケーションが可能です。ナイトビュー対応の機種であれば、約1lxの暗さでもカラーで明るく浮かび上がらせて撮影ができるため、夜間での使用にも適しています。

RICOHの工事現場・遠隔臨場パックは、ヘッドセット型のウェアラブルカメラを使用し、公共工事の遠隔臨場対応、遠隔点検、安全パトロールなど遠隔地から施工現場の確認をすることで生産性向上を実現できます。

RICOH|工事現場・遠隔臨場パック

工事現場におけるウェアラブルカメラでよくある3つの質問

次はよくある質問を3つ紹介します。

  • 質問①工事現場で利用するウェアラブルカメラを選ぶ際のポイントは?
  • 質問②そもそもウェアラブルカメラとは?
  • 質問③工事現場におけるウェアラブルカメラの活用事例は?

質問①工事現場で利用するウェアラブルカメラを選ぶ際のポイントは?

工事現場での使用に適した機能が求められます。次の4つをポイントにしてみてください。

  • ブレ補正機能:リアルタイムで移動しながら映像を撮影する場合は必須
  • 簡単な操作性:工事現場では手元が塞がっているため、操作方法がシンプルなものが好ましい
  • 装着性:カメラの取り付けや取り外しが簡単なものを選ぶことで、現場での作業効率を下げることなく使用できる
  • 防じん・防水性能:工事現場はがれきや土砂を扱うため、高い防塵・防水性能が必要

質問②そもそもウェアラブルカメラとは?

ウェアラブルカメラとはその名の通り、作業者などが装着し、動きながらの撮影が可能なカメラのことをいいます。従来のカメラとは異なり、頭や腕、胸部などの身体の部位に取り付けて使用が可能です。

そのため、動きやすさと機能性が両立された軽量なデザインが多く存在しています。また、衝撃性能や防塵、防水性能などのさまざまモデルが豊富です。

このような特性から、工事現場などでも安心して使用できます。また、補正機能を搭載したものも多く、動きながらでも安定した映像が得られます。

質問③工事現場におけるウェアラブルカメラの活用事例は?

工事現場におけるウェアラブルカメラの利用例として、北海道でのトンネル補修工事では、遠隔地の本社から実際の現場までが61km離れているなかで、ウェアラブルカメラを導入しています。このウェアラブルカメラの利用により、現場監督者の現場までの移動時間を大幅に削減でき、作業効率の向上が実現されました。

また、ウェアラブルカメラを人材育成に活用した例も存在します。具体的には、熟練者の動きを撮影し、この映像から作業員の動線を解析し、作業の無駄や施工のポイントを捉えました。このような分析により、新人作業員への教育や、ベテラン技術者のノウハウがマニュアル化でき、技術の継承がスムーズに進められるようになりました。

まとめ

この記事では、ウェアラブルカメラの導入が推進されている背景や、ウェアラブルカメラのメリット・デメリット、ウェアラブルカメラの種類について紹介してきました。

ウェアラブルカメラは、2020年3月に国土交通省が策定した方針によって、コスト削減や人材不足の解消などの面で大きな効果が期待されています。

しかし、ウェアラブルカメラの導入にあたっては、作業者が理解してもらうことも重要です。事前にウェアラブルカメラの使用目的や効果を説明し、作業者の負担にならないタイプのウェアラブルカメラを導入することで、スムーズに運用することが可能になります。

RICOHのRICOH Remote Fieldは、360°映像の双方向型ライブ配信システムにより、遠隔地から現場の状況確認が可能になり、遠隔指導による生産性向上を実現できます。 ⇒RICOH Remote Field

本記事に掲載のその他の会社名および製品名、ロゴマークは各社の商号、商標または登録商標です。

お見積り・お問い合わせ

ご質問・お問い合わせはこちらから受け付けています。お気軽にご相談ください。