SAP ERP Printing Guide

はじめに

この「SAP ERP Printing Guide」ページでは、SAP社の提供するERPソフト「SAP ERP」環境での印刷のしくみについてご紹介します。
リコーはERPパッケージSAP ERPのダイレクト印刷において、両面・パンチ穴あけなど本来プリンターが持つ便利な機能を最大限活用することができるRidoc IO DeviceTypeを公開しました。

  • 「SAP ERP Printing Guide」は、SAPジャパン㈱の監修の元、公開しております。

SAP ERPとは

SAP ERPはSAPジャパン社の提供するERPパッケージです。
ERPパッケージはERP(企業全体を経営資源の有効利用の観点から統合的に管理し、経営の効率化をはかるための手法・概念)を実現するための基幹業務を支援する統合情報システムを構築、運用するためのソフトウェアパッケージです。業務システムを再構築するために短期間で開発できるなど、市場でニーズが高まっています。

ご紹介する内容

SAP ERP環境では3種類の方法で印刷を行うことができます。

印刷のシステムの概要

SAP ERPからの印刷は、すべてデバイスタイプを経由して印刷が行われます。

印刷のシステムの概要を図示

デバイスタイプとは

SAP ERP環境ではプリンターが理解できる言語(プリンター制御言語)を制御して印刷を行います。このためプリンターに搭載されているプリンター制御言語と一致したフィルタを指定する必要があります。
このフィルタをデバイスタイプと言います。
各プリンターメーカーのプリンタードライバーと異なります。

ダイレクト印刷

SAPサーバーからデバイスタイプを経由してプリンター制御言語を、プリンターに直接送り印刷する方式

ダイレクト印刷の図

ダイレクト印刷の場合、以下のプリンター言語に対応したデバイスタイプを使用します。

プリンター言語 デバイスタイプ
PostScript JPPOST
RPDL(リコー) JPRPDL3

PostScript言語の場合は、以下のデバイスタイプでの使用が可能です。

プリンター言語 デバイスタイプ
PostScript JPPOST
PostScriptレベル2 JPPOST2
PostScript+拡張漢字 JPEXPOST
PostScriptレベル2 + 拡張漢字 JPEXPOST2

デバイスタイプの記述のなかで、プリンター初期化の値をカスタマイズすることで両面、パンチ、ステープル印刷などのフィニッシャーを使用することが可能になります。

前述の内容を表した画像

インダイレクト印刷

SAPサーバーからデバイスタイプを経由してプリンター制御言語を、SAPクライアントに転送し、SAPクライアント上のプリンタードライバーを介して印刷する方式。
デバイスタイプは必ずJPSAPWINを指定します。

前述の内容を表した画像

帳票ソフト経由の印刷

SAPサーバーから帳票ソフトを介して印刷する方式。
帳票ソフトによって異なります。

前述の内容を表した画像

帳票ソフトの例

  • SVF Enterprise Printing Solution
  • EUR for R/3
  • Accelio Output Pack for mySAP.com
  • DURL for R/3 RDI
  • OpenPrint

SAP ERPのプリンター管理についてご紹介します。

出力デバイスの設定

ツール→ CCMS → スプール → SPAD-スプール管理よりスプール管理を起動します。

スプール管理(SAPD)を使用して、出力デバイスの設定を行います。

STEP1

スプール管理:第一画面から[出力デバイス]を選択してください。

STEP2

上部[変更]ボタンをクリックし、編集モードにします。

STEP3

上部[登録]ボタンをクリックします。

STEP4

「デバイスタイプ」 、「スプールサーバ」 をセットし、[HostSpoolAcc方法]タブをクリックします。

STEP5

「HostSpoolアクセス方法」に[U:Berkeley プロトコルによる印刷]を選択し、「Host printer」に[lp]と入力、「宛先ホスト」に出力するプリンタのIPをセットし上部[保存]ボタンをクリックします。

デバイスタイプの変更

ツール→ CCMS → スプール → SPAD-スプール管理よりスプール管理を起動します。

スプール管理(SAPD)を使用して、デバイスタイプの変更が行えます。

STEP1

スプール管理:第一画面から「全体管理」を選択してください。

STEP2

「デバイスTyp」タブの中から「デバイスタイプ」ボタンをクリックしてデバイスタイプ一覧を表示させ、編集したいデバイスタイプを選びます。

STEP3

編集したいデバイスタイプを選択し、「選択」ボタン(もしくはF2キー)をクリックします。
参考 SAP ERPが標準にもっているデフォルトのデバイスタイプ

  • RPDL:JPRPDL3
  • PostScript:JPPOST
  • PostScript2:JPPOST2

STEP4

「変更」ボタン(もしくはF8キー)を押しドライバ・プリンタ文字セットなどを編集します。

STEP5

設定変更を行ったら「デバイスタイプ」から「保存」を選択します。

SAP環境で快適な印刷を行うためのヒントをご紹介します。

ダイレクト印刷

デバイスタイプを修正することで、プリンターの設定を変更することが可能です。
デバイスタイプの修正は、必ずデバイスタイプをコピーして、名前をZで始まる名称にします。
プリンターの初期化のコマンドなど、プリンター制御コードを変更することで、いろいろな制御が可能です。

Ridoc IO DeviceTypeを使用すると、コメントをはずすだけで、指定の機能が使用可能です。

前述の内容を表した画像

インダイレクト印刷

プリンタードライバーの標準の設定を両面、フィニッシャーにしておくと両面印刷や、フィニッシャーを使用した印刷が可能です。

  • SAP ERP からの印刷は、プリンタードライバーのプロパティを開くという操作はできません。従って、この帳票は、両面で、この帳票は片面でというような操作はできません。このような操作をしたい場合、プリンタードライバーを複数個作成しておき、両面用のドライバー、フィニッシャー出力用のドライバーを作成してください。印刷時に設定したプリンターを指定することで両面の印刷、フィニッシャーの印刷など可能です。

リコーのRidoc Ez Installer NXを使用すれば、複数のSAPクライアントのプリンタードライバーの設定が簡単です。

前述の内容を表した画像

ここに記載のない機種につきましては、Ridoc IO DeviceType - 対応機種をご参照ください。

PS2/3:PostScriptレベル2/レベル3

印刷言語 機種名
PS2/3 imagio NeoC600/600pro
imagio NeoC355/455
imagio NeoC380
imagio NeoC320
imagio NeoC285/246
imagio NeoC240
imagio NeoC200
imagio Neo753/752/751/750
imagio Neo603/602/601/600
imagio Neo453/451/450
imagio Neo353/351/350
IPSiO CX9800/8800
IPSiO CX8200/7200
IPSiO CX2500
IPSiO CX400
IPSiO Color8100/8000/7100
IPSiO Color6500/6000
IPSiO Pro100
IPSiO NX920
IPSiO NX860e/760/660S
IPSiO NX850/750/650S
IPSiO NX730N/630N/630
IPSiO NX720N/620N/620
IPSiO NX96e

RPS2:Ricoh PostScript2(PostScriptレベル2のリコーエミュレーション)

印刷言語 機種名
RPS2 LP-7200UX
imagio Color5105it/5105/5100
imagio Color3105P-V/3100FP-V/3100P-V
imagio MF105Pro
imagio MF8570
imagio MF7070
imagio MF6550
imagio MF5570/5550
imagio MF4570/4550
imagio MF3550/3530
imagio MF2700
imagio MF-P355 model5e
imagio MF-P355 model5
imagio MF-P250T model5
imagio MF-P250T model5e
imagio MF-P250 model5e
imagio MF-P250 model5
IPSiO Color5100D/5100/5000
IPSiO Color4100N/4100
IPSiO Color2200N/2200/2100/2000
IPSiO NX1100
IPSiO NX910/900
IPSiO NX810/800
IPSiO NX710/700
NX-1000
NX-510/500
NX-210
SP-10PS ProII nw
SP-10PS ProII/6F
SP-10PS Pro/6F
SP-10PS Pro
SP-10PS mkII/3F
SP-10PS mkII/6F
SP-10PS

RPDL…リコー独自の印刷言語

印刷言語 機種名
RPDL imagio NeoC600/600pro
imagio NeoC355/455
imagio NeoC380
imagio NeoC320
imagio NeoC285/246
imagio NeoC240
imagio NeoC200
imagio Neo753/752/751/750
imagio Neo603/602/601/600
imagio Neo453/451/450
imagio Neo353/351/350
imagio MF105Pro
imagio MF8570
imagio MF7070
imagio MF6550
imagio MF5570/5550
imagio MF4570/4550
imagio MF3550/3530
imagio MF2700
imagio MF2200
imagio MF200
imagio MF250M
IPSiO CX9800/8800
IPSiO CX8200/7200
IPSiO CX2500
IPSiO CX400
IPSiO Color8100/7100
IPSiO Color6500/6000
IPSiO Pro100
IPSiO NX1100
IPSiO NX920/910/900
IPSiO NX860e/760/660S
IPSiO NX850/750/650S
IPSiO NX810/800
IPSiO NX730N/630N/630
IPSiO NX720N/620N/620
IPSiO NX710/700
IPSiO NX610/600
IPSiO NX410
IPSiO NX96e
IPSiO NX70
NX-1000
NX-510/500
NX-210
NX-110/100
SP-90
SP-10PS ProII nw
SP-10PS ProII/6F
SP-10PS Pro/6F
SP-10PS Pro
SP9II
SP9

SAPダイレクト印刷に快適な印刷環境を提供するプリンター設定ツール「Ridoc IO DeviceType」のダウンロード情報を公開しています。

このページをご参照いただくにあたって

この「SAP ERP Printing Guide」ページはSAP社の提供するERPソフト「SAP ERP」が導入された環境での印刷の仕組みや、プリンターを快適にご利用いただくための情報をご紹介するページです。
ご紹介する内容は、SAPジャパン㈱の監修のもと、SAP ERPの仕様にもとづき、㈱リコーが作成しています。

  • 「SAP ERP Printing Guide」の掲載内容は将来、予告無しに変更することがあります。
  • SAP ERPについてのより詳細な情報は、SAPジャパン㈱の提供する情報をご覧ください。
  • SAP、SAP ERP、その他の記載されているすべてのSAP製品およびサービス名は、SAP AGのドイツおよびその他の国における登録商標または商標です。
  • SVF Enterprise Printing Solutionは、ウイングアークテクノロジーズ株式会社の商標もしくは登録商標です。
  • EUR for R/3は、㈱日立製作所の商標もしくは登録商標です。
  • Adobe Accelio Present Output Pak for mySAP.comは、アドビシステムズ株式会社の商標もしくは登録商標です。
  • DURL for R/3 RDIは、㈱プリズムの商標もしくは登録商標です。
  • OpenPrintは、日本ヒューレット・パッカード株式会社の商標もしくは登録商標です。
  • その他の会社名および商品名は各社の商標もしくは登録商標です。

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